スタート⑬
何も知らない山本先生は
楽しそうに話しながら
お茶を飲んでいた。
あたしは、昨日と逆の立場に唖然。
落ち着けあたし。
雄ちゃんは、あたしのやきもちを
「しょうもないこと考えるな」
と言った。
きっと雄ちゃんは
しょうもないこと考えたりしないんだろう。
・・・て、さっきの顔は
思いっきり、固まってたじゃん。
やっとこさ、山本先生から解放されて
職員室に戻ったら、
背中から いらいらオーラを発している
雄ちゃんがいた。
うー、声かけにくい・・・
別にあたし悪いことしてないのに・・・
「あらー?なんかあったの?はいお茶。」
って、雄ちゃんの所にお茶を持っていった
・・・のは江藤先生。
あたしが今やろうと思ってたのに・・・
ビクッとして顔を上げた雄ちゃんは
「いや、何でもないです。ありがとう」
と、お茶を飲んでいる。
雄ちゃん、わざとあたしの方見ないようにしている。
くそ!
昨日、自分は、あたしに怒ったくせに・・・
そこで。
逆襲開始。
「先生、さっきは何か用事だったんでしょ。
なんでしょう?」
と、明るく雄ちゃんの所に行った。
江藤先生の視線が痛い。
でも、関係ないもんね。
「別に大した用じゃないから、明日でいいよ。
今日はもう帰る時間だろ。
なんか早くかえらなきゃって言ってたでしょ。」
そんなこと言ってませんが・・・
きょとんとしてると
「いいから早く帰れ!」
と、小さい声で雄ちゃんが言う。
なんかよく分からないけど
じゃあ、帰るわよ。
校門の外まで来ると
雄ちゃんからメール。
「そこで待ってろ。」
一言だけ。
あ、ちなみにあたしは電車通勤だけど
雄ちゃんは車です。
ほどなく雄ちゃんの車が来た。
「乗って。」
あたしは助手席に乗った。
雄ちゃんはそれっきり何も言わない。
何だか気まずい雰囲気なんですけど・・・
「ねえ、なんか怒ってる?」
「別に・・・・」
「じゃ、何でそんな顔してるん・・・」
「いつもと一緒だ。」
うそつき・・・
「どこ行くの?」
「俺が行きたいとこ。」
まあいいや。
あたしも昨日はこんな感じだったかも。
だけど、雄ちゃんのやっぱり
やきもちやくんだー
おかしくなってクスッて笑ってしまった。
「なに笑ってんだよ。」
「雄ちゃんがおかしくて」
雄ちゃんは???って顔してる。
「お腹空いたなー」
「うめーもん、食わしてやるよ。
楽しみにしてな。」
「うん!」
あたしは、最高の笑顔で答えた。
「何テンション上がってんの?」
雄ちゃんは妙な顔。
いいから いいから
そして・・・
雄ちゃんは
「さあ着いた。」
と、車を止めた。
ここは・・・・




