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スタート⑩

きっと雄ちゃんは


ぶちって電話を切られて怒ってるに違いない。


そりゃ、雄ちゃんは悪くない。


あたしが怒ってるだけ。


信じてるはずだけど


やっぱり目の前であれは・・・・


あたしには耐えられません。





部屋にいたらぜーったい雄ちゃん来るよなー


よし、今日はどっかでかけよう。


あたしは買い物でもしようと


部屋を出た。


こんな時間に


あまりうろうろしたことがないけど・・・


っていう時間まで


友だち誘ってお茶したり買い物したり。


今日の話をしたら


「それ、あんたが悪い!」


っていわれた。


う・・・


自覚はある。


でも、性格的に耐えられない・・・


「だと思うわ。」


さすが、あたしのことよく知ってる。


「でも・・・携帯電源入れてみたら?」


そう言われて、初めて


電源切ってたことを思い出した。


電源を入れたら・・・


あれ?別に着信なし。


「どうする?彼氏怒ってるよきっと。」


たぶんそうだ・・・まずい・・・


「あやまちゃえば?」


ちょっとまて、あたし何で謝らないといけない?


「そう言うと思った。でも、あんただって


ぶちって電話切られてごらんよ。腹立たない?」


・・・確かに・・・


「もしかしたら、部屋の前で待ってるかもよ。


そろそろかえろー」


そんなことは無いだろうと思ったら・・・・・


あった・・・





「遅かったじゃん。」


げ・・・雄ちゃん


さようならーーー


思わず走って来た道を逃げ出した。


「おい!どこ行くんだよ!」


そんなこと知りますかいな。


「待てよ!」


待ちません。


「こら!!!」


悲しいかな、あたしと雄ちゃんでは


勝負になりません。


「俺から走って逃げようなんて


100年早いんだよ!」


捕まってしまいました・・・・


雄ちゃんはあたしの腕を


しっかりつかまえたまま


「何で逃げるんだよ!」


と、ちょっと恐い顔をした。


「めちゃくちゃ待たされたあげく


逃げるなんて、何考えてんだよ!」


そして・・・


「ったく・・・お前は、また変なやきもち焼いてたんだろ!ボケッ!」


と言ったかと思うと、ポケットに手を突っ込んで


すばやくカチャン。


何かと思ったら・・・


ん?て、手錠・・・?


「はい、11時25分逮捕!」


あっという間にあたしと雄ちゃんの腕に


手錠がかけられた。


「もう逃げられねーぜ」





何でそんなもの持ってるんですか!


「早くはずしてよー」


「やだね。俺がどんだけ待ったと思ってるんだよ」


・・・・・


もしかしてずっとこのままいるつもり?


トイレ行けへんやん・・・・


困った顔のあたしを見て


雄ちゃんはあたしの頭に手をポンポンっておいて


いたずらっぽく笑っていった。


「ま、外して欲しかったら俺の言うことよく聞くんだな」


「聞くから外してよ」


「ほんとだな。じゃ、まずは・・・」


何を言う気?


「とりあえず、部屋に戻れ。」


「・・・戻ったら外してくれるの?」


「そんなに簡単には外してやらねーよ。」


そんなーー


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