表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/218

スタート⑧

今日は朝からいい天気。


朝学校に行くと


陸上部が運動場で元気に朝練。


朝からご苦労さんです。


そしてもう一人・・・


「しっかり足あげて!ピ!」


と、笛を吹きながら


一生懸命指導している雄ちゃん。


見とれてる場合じゃない。


あたしは急いで音楽室へ。





発声練習を済ませて、


音楽会に参加する曲を歌い始めた。


練習曲は『翼をください』


音を丁寧にとり、強弱を意識しながら


曲を作り上げていく。


あたしだって頑張ってます。





昼休みには6年生がたくさん音楽室にやってくる。


「あんな、先生、ユリはリョウが好きなんやって」


なんて


とりとめもない話をひとしきりしていく。


「そうなん?それで・・・」


と、あたしは恋愛相談やら


もめ事の相談やら


テレビの話や芸能人の話まで


いろいろ話を聞いて一緒にすごす。


担任の先生にはよくあることだけど


音楽室の先生やってると


これは、結構珍しいでしょ?


自慢じゃないけど、あたし、子どもになつかれてます。





「なあ先生、今日デート?」


ドキッ。突然なんですか・・・


「なんで?」


「服もかわいいし、カチューシャしてるやん」


「もしかして、雄ちゃん先生と?」


「いや、たけちゃん先生違うん?」


あーびっくりしたー


この子達、分かっていってるんかと思ったやん・・・





「なんか今日は雰囲気違うなー」


一緒に晩ご飯を食べに行った時


雄ちゃんはあたしに言った。


「子どもにも言われた。おかしい?」


「いいや。なんかかわいい。」


ははは・・・そんな・・・照れるやん・・・


「照れてんの?


もっと言ってやろうか?」


って、雄ちゃんはいたずらっぽく笑った。


「雄ちゃんもかっこいいよ。」


あたしが言い返すと


「あったりめーだろ」


って、すずしい顔。


さようでございますか・・・まあ・・その通りだけど。





今日は一緒にカラオケに行った。


二人でカラオケなんて初めて・・・


「あたし、あんまり歌知らないな・・


雄ちゃん、なんか歌ってよ」


「音楽担当のくせによく言うよ。


お前のがうまいだろ。」


結局、歌のリストを見ながら代わりばんこに


最近のヒット曲をいくつか歌った。


一生懸命歌ってる雄ちゃんは


文句の付けようがないくらい


冗談抜きに メッチャ男前・・・・・


この人があたしの彼氏・・・


あたしはなんて幸せ・・・


って、思いっきり見とれていた。


ふとあたしの方を見た雄ちゃんと


目があった。


ドキドキドキドキ・・・・


そんな目で見られたら心臓壊れてしまいます・・・


「おまえ 顔が赤いぞ、熱あるのか?」


そう言って雄ちゃんは自分のおでこを


あたしのおでこにくっつけた。


キャー !!!


「熱はなさそうだぞ。疲れた?そろそろ送っていこうか?」


雄ちゃんは心配そうに言った。


雄ちゃんの最大の欠点は


自分のしてることがどれだけあたしを


ドキドキさせてるかを自覚していないところ。


「しんどくはないけど、そろそろ帰ろうか。」


あたしはそれだけやっとの思いで行った。





「あたしの所でお茶していかない?」


帰り道、コンビニによってお買い物。


雄ちゃんはなぜかチューハイやビールの所に。


「これも買っていこーぜ、おまえ、どれが好き?」


「雄ちゃん、それ飲むつもり?


飲酒運転は懲戒免職だよ!」


あたしはびっくりしていった。


雄ちゃんは余裕の顔してピース。


「今日は帰らないもんねー」


あたしはまたまたびっくり。


「嬉しくない?」


雄ちゃんはあたしに顔を近づけて言った。


嬉しいに決まってるけど・・・


「返事は?」


「はい・・・」


雄ちゃんがこけている。


「違うだろ!」





あたしたちはチューハイとビールと


お菓子を少し買ってあたしの部屋に帰った。


あたしが選んだのはイチゴのチューハイ。


甘くておいしー


にこにこしてるあたしを見て


「それ、一口ちょーだい」


って少し飲んだ。


それから、


「間接じゃ物足りないんだけどなー」


あたしは


アルコールのせいか、


雄ちゃんのせいか


分からないけど


真っ赤っかになってしまった。


ビール飲みながら雄ちゃんは


黙ってあたしの肩を抱いた。


あたしはそっと


雄ちゃんの肩にもたれかかった。


こんな時間がずっと続くといいな・・・


下から雄ちゃんを見上げてみた。


かっこいい。嬉しくなってぎゅっとしがみついた。


「どうした?」


雄ちゃんがあたしを見る。


あたし達はしばし見つめ合って・・・


あたしはそっと目を閉じた。


あたし達の夜は甘く闇に溶けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ