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出会い⑩

運動会は無事終了。


しかぁーし!


あたしは終了できていなかった。


雄ちゃん先生の言う


ご褒美・・・・


あたし?・・・・・


怪しいおじさんじゃあるまいし


雄ちゃん先生はいったい


どういうつもりで言ったのか・・・・


聞けないまま


今日は代休。





一人暮らしのあたしは


昨日の反省会という名の飲み会に夜中2時まで


おつきあいして


(いや、昨日じゃないな、今日だな)


起きたら10時。


お昼前までボーっとして雑誌をぱらぱらめくっていた。





「ピーンポーン」


突然、チャイムが鳴った。


「はーい」


誰かと思ったら・・・


「おはよー。上がるぞー」


・・・・・・・







さわやかに登場したのは雄ちゃん先生。


はい?何で?なぜここに?


まだ、ぼーっとしてる頭で考える。わからん・・・


「何やってんだ?早くこっち来て座れよ。」


あのー、あたしんちなんですが。


次第に目が覚めて


そしたら、この現実にびっくり!


「なんでここにいるの?」


「俺が来たからに決まってるじゃん」


いやいやそうじゃなくて・・・


「ま、立ち話も何だから、お茶でも入れてよ」


えらく態度のでかいお客・・・


そんなことより 


えーーーーーどうなってるの?





あたしはとりあえずコーヒーを2つ入れて


雄ちゃん先生の前にひとつ置いて一緒にのんだ。


「何しに来たの?」


「ひどいなあ、何しに来たのはないだろ。」


とにこっといつものように笑う。


うっ、まともに見てしまった。ズキンッ!


「せっかく一番になったのに。」


そう言うとあたしに手をそっと握った。


「ご褒美に今日のお前の時間をもらってもいいか?」


あたしの目をじっと見つめながら言う。


「うん・・・・」


不覚にも赤くなってしまった。


「よし!じゃ、行くか」


「どこへ?」


雄ちゃん先生はまたニコッて笑って


「じゃ、戸締まりしてでてこい。俺、外で待ってるから。」


というと、外へ行ってしまった。





とりあえず大急ぎで用意して外へ出てみると


雄ちゃん先生は車で待っていた。


助手席に乗ると


「なんか食べにいこうか。」


とお昼ご飯を食べた後


雄ちゃん先生が連れて行ってくれたのは


海。


少し風が冷たい海にはもう誰もいない。


雄ちゃん先生がそっとあたしの手をつなぐ。


心臓が飛び出しそうなくらいドキドキ・・・





「なあ、頭の怪我もう痛くないか?」


「うん。大丈夫。」


「怪我した日、俺が言ったこと覚えてる?」


「・・・・実はあまり覚えていなかったりする。


痛かったし、びっくりしたし。ゴメン・・・」


ちょっとがっかりした顔の雄ちゃん先生。


「俺はめちゃくちゃ本気で言ったのになぁ・・・」


「何を?」


すると、雄ちゃん先生、ものすごく真面目な顔して


「もう一回聞きたい?」


と聞くので、


「うん。聞きたい。」


といつもの軽いのりで答えてしまった。


「じゃ、」


と、雄ちゃん先生は深呼吸して


「その怪我の責任は俺がとるから。」


なんかそんなこと言ってたなあ


ん?これって?もしかして?・・・


「あのーもしかして・・・病院代払ってくれるとか?」


「ボケ!あれは労災だろ。金はいらねーの」


いや、知ってます。そのくらい。ボケてみただけです。





「お前は・・ったくもう!」


しびれを切らしたように雄ちゃん先生は


つないだ手をぐいっと引っ張って


あたしを思いっきり抱きしめた。


「きゃっ!」


「もう放してやんないからな・・・」


耳元で雄ちゃん先生が囁く。


びっくりしたけど、すっごい嬉しかった。


「うん。ずっとつかまえてて・・・」


ああ、あったかい。このまま眠ってしまえたら


どんなに幸せだろう・・・・


「なあ、俺に約束のご褒美くれねぇ?」


また、耳元でささやかれた。


なんて、気持ちよく響くんだろう、


この声をずっと聞いていたい・・・


なんだか魔法にかかったみたい。


今なら何を差し出せと言われても


はい と答えてしまいそう・・・・


「いいよ、何が欲しいの?」


あたしが半分夢見心地でたずねると、


またまた、雄ちゃん先生のどアップ。


優しく唇が重なった。


「お前って言っただろ・・・・・」


とっても甘くて


とっても優しいご褒美の後


急に雄ちゃん先生はぴしっと気を付けをして


「俺の彼女になってくれませんか!」


よく考えると


順番逆だよ


雄ちゃん先生 いや


雄ちゃん・・・


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