第一話 AIロボット
「……何?」
目が覚めると、そこは真っ白な空間だった。私はゆっくりと立ち上がり、周囲を見回した。少し歩いた先には、鏡が置かれていた。
「……これは」
鏡に映っていたのは、見知らぬ少女の姿だった。 ここはどこ?私は……誰?記憶がない。 記憶喪失というやつなのだろうか。
「お目覚めか?」
背後から声がした。 振り向くと、一人の男が立っていた。
「誰……?」
「フォーリ・カルプリットだ」
「私は……」
言葉に詰まっていると、フォーリは淡々と続けた。
「お前はAIロボットだ。名前はない」
「……AIロボット?」
私は思わず聞き返した。
「俺が目的のために作ったんだ」
「何を言ってるの……嘘でしょ。私、人間だよね?」
「二度も言わせるな」
フォーリは眉一つ動かさずに言った。
「じゃあ、この姿も……あなたが作ったってこと?」
「ああ」
「と……とんでもないロリコンじゃない!」
声を尖らせると、フォーリは露骨に顔をしかめた。
「今は亡き友人の面影を模しただけだ」
「……どうして?」
「……特に深い理由はない。何となくだ」
「私の体が目当てってこと……?」
「なぜそうなる」
フォーリは嫌そうな顔をした。
「それで……目的って何なの?」
「……実際に見せた方が早いな」
フォーリはそう言うと、背を向けて歩き始めた。私は慌ててその後を追った。階段を上り、防護扉の前に着いた。フォーリがゆっくりと扉を開ける。
その先に広がっていたのは、黄色に染まった空だった。
「……何、これ?」
「この国は、とっくに滅びている」
「……そんな」
私は小さく呟いた。
「俺はこの国を汚染させた張本人を知っている」
「……誰なの?」
「あそこにいる代表管理者だ」
フォーリはそう言うと、遠くに見える巨大な建物に視線を向けた。
「あれは?」
「国が運営する地上シェルターだ」
「まさか……目的って」
「あそこにいる張本人に罰を受けさせる。そして、この国を元通りにすることだ」
「……なるほどね」
私は小さく息を吐いた。頭の中がまだ整理しきれていない。
「そのためにお前を作った。どうだ……協力してくれないか?」
フォーリは私の目を見て言った。
私は少しの間、黄色く染まった空を見つめた。
「……分かった。この国を復興させよう!」
こうして、私とフォーリの出会いは始まった。




