お預かりフェレット
「じゃあ、お願いします。」
「はーい、行ってらっしゃい。」
姪っ子夫婦にフェレットを預けることになった。若夫婦にはまだ子供がいないが、大の動物好きだ。バックミラーをのぞくと、手を振る姪が小さくなる。
俺たち夫婦にも子供はいないが、カミさんは仕事のパートナーとして共に行動するので、遠征となればフェレットは預けるしかない。カミさんは助手席で涙目になっている。
「カリカリ」
ガソリンエンジンの音を残して、おじさんの車が見えなくなった。玄関を開けると2人住まいをはじめたばかりの玄関にフェレットのケージが出現している。カリカリの主はフェレットだ。
「ミミ、おいで。」
ケージは、幅90cm、奥行き40cm、高さ60cmといったところか。建築関係の職人であるおじさんのフェレットハウスは、市販のケージに増改築を施している。
姪っ子はフェレットの胴体をサクッと掴み、手早くハーネスをかけた。
「散歩に行こう!」
近くの公園は、大木や茂みをきちんと管理した美しい公園だ。
落ち着いたピンクのハーネスをつないでも、公園までは抱っこして移動。
ミミの鼻も耳もピクピク緊張しているが、おとなしく抱っこされている。芝生に着いたら、お散歩だ。
犬が多い大きな公園だが、時折ウサギやリスザルを連れている人もある。
芝生をフェレットが走ると、胴体がニョロリと長いので「ヘビですか?」と問う人もある。ヘビのどこにハーネスをつけるか、想像がつかないから、とりあえず聞いたのだろう。
帰宅すると、お湯でしぼったタオルで脚と全身を拭く。毎日お風呂はあんまりだと思うので、風呂好きのおじさんほど入浴はさせない。
フェレットは、ミンクのような姿だが、ご飯はキャットフードのようなペレットを食べる。水分補給は、ボトルの先をペロペロ舐めると少しずつ水が飲めるラムネ瓶のような道具を使っている。
ペレットをたして、水を交換する。フェレットをケージに戻すと、カリカリと餌を食べた。基本肉食獣なので、日中の公園でお散歩したら、クタクタになるはずだ。
案の定、最上階のハンモックで丸くなって寝てしまった。
「かわいい。」
早速スマホで写真を撮って、おじさんに送った。