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テーマ詩集:翼

青空の翼

作者: 歌川 詩季

 青と白のコントラスト。

 ありきたりですが。だからこそ、イメージしやすいんですかね。

 靴底をアスファルトに縫いつけて

 背が高くなるたび遠い空に ひとつ舌うちした

 たおれこんでも だきとめてくれる 草原が懐かしい

 すりむいた膝小僧 まだ赤くにじんだから

 名前のない明日(あした)をむかえる 準備体操をはじめよう


 ちぢこまってた猫背 つっぱらせれば

 雲は意外に低くて

 つかめないとわかってるけど

 太陽に手をのばしてみる


 すれちがいに疲れてた

 微笑みかえすはずの唇なのに

 ため息の()硝子(ガラス) 天窓にはめ殺す

 かけちがいに悩むより

 ボタンをぜんぶはずしてみよう

 はだけたシャツが白い翼になる

 はばたけば 空を映して青く 青く染まった



 胸の奥 コンクリート埋めたてて

 気が沈んでくたび深い空に ひどくうんざりした

 スニーカーだけ 汚れれば済んだ 水たまりが恋しい

 やせこけた足首が もしひどく濡れたのなら

 名前をつけた今日と別れる 送別会でのスピーチを


 さがしあぐねた言葉 あきらめたんだ

 風はわりとおしゃべり

 耳うちするその囁きに

 重ねるように話してみる

 

 くいちがいを恨んでた

 みつめてかえすはずの瞳なのに

 そらしたら鉄格子 天窓にならんでた

 いれちがいを悔やむより

 待ち伏せやめてむかえにいこう

 どこからがあの青い空かなんて

 決めないで 空は僕らを青く 青く染めてく



 低くしか飛べなくたって かまわないさ

 大地を蹴りあげれば すでに もう境い目のない空

 地平線ひくより 飛びこもうよ

 見えるよね? この青空の翼 あの青空が翼

 空、雲、風、翼。


 自由を連想させるワード、てんこもりでした(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] はだけたシャツが白い翼になる、なんて素晴らしい発想! 空との距離感を測りかねている主人公だからこそ描ける心象風景なのだろうと思いながら読ませて頂きました。 勿論現実には無理なんですけど、空に…
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