表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

おまけ 例の噂について

「ところでいなみん、中等部の頃に喧嘩騒ぎを起こしたとかいう噂もあるみたいなんだけど、真相は何なの?」


「えっ、あの話ってまだ残ってるんですか?」


「みたいだねえ。奈央から聞いたんだけどね」


「そ、そうなんですね、もうとっくになくなってたのかと思ってました……あ、あのですね、隣町のショッピングモールにペット屋さんがあるじゃないですか」


「うんうん」


「そこでケージに入ったワンちゃんを観察してたことがあって……」


「かわいいよね、子犬。まるでいなみんのようなつぶらな瞳で」


「えっ、そ、それはなんか逆な気がするんですけど……」


「気にしないで続けて」


「は、はい……あの、それで、はっ恥ずかしいんですけど、ワンちゃんが私に向かって吠えてきたもので……その、私も吠え返してみたというか、何というか……」


「えっ何それかわいい」


「ううう、恥ずかしいです……」


「ワンワン」


「あ、あの……」


「ワンワン!」


「わ、わんわん……」


「かはっ……か、かわいい、いなみんかわいいよお」


「や、やめてください……」


「え、まさかそれが噂の真相とか言わないよね?」


「そ、そのまさかなんです……」


「まじか、つまり『昨日印南さんがペットショップで犬と喧嘩してたよー』っていうちょっとした笑い話が間違った噂になって流れていったと?」


「は、はい……」


「いなみんも噂のこと知ってるなら訂正すればいいのに……って、いなみんには難しい話か」


「ううう、め、面目ないです……」


「あはは、やっぱり噂なんてあてにならないなあ」


「そ、そうですね……ほんとそうですね……」


「まあこれからは何か変な噂が流れようものなら、私がすぐさま斬って捨ててあげるから安心してね」


「はい! あ、あの、噂と言えばなんですけど……」


「うん、なにかあった?」


「あ、あのあの、わっ私のクラスでですね、私と北方さんが、そ、その……おっ、お付き合いしてるんじゃないかっていう話が……」


「おおっ、さすがに堂々と抱き合ったのはマズかったか!」


「どうしてそんなに嬉しそうなんですか!」


「正直嬉しいからだよ」


「えええ……で、でも、その……あっあのあの、わっ、わた、私も……や、やっぱりなんでもないです……」


「もう、恥ずかしがっちゃって」


「恥ずかしいですよ……」


「恥ずかしいなら膝の上からどこっか?」


「だ、ダメです!」


「もう、いなみんったらそんなに強く抱きしめちゃって」


「い、今は教室に人がいないので大丈夫なんです」


「寮に帰ったらいくらでもぎゅってしてあげるよ」


「じゃ、じゃあもう帰りましょうか」


「早っ」


「も、もちろん勉強の為ですよ、このままでは勉強どころではないので」


「うんうん、わかってるわかってる。今日はどっちの部屋使う?」


「昨日は北方さんだったので、今日は私で……」


「はーい。じゃあ帰ろっか」


「はい!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ