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家の近くに、中規模の海水浴場がある。


ある初夏の日、そこで一人の女性が溺れ死んだ。


下の名前は忘れたが、名字は鈴木だった。


それからしばらくして、そこでまた一人の女性が波に呑まれて亡くなった。


その人の名前も鈴木だった。


そして海水浴場がもうすぐ閉鎖になるという時期に、不幸にも三人目の溺死者がでた。


その女の人も鈴木だった。


私は家が近いこともあって、その海水浴場には毎年何度となく足を運んでいたものだが、今年はわけあってその海に行ったのは、三人目の犠牲者が出た日が初めてのことだった。


その日、海に入る気が起きなかった私は、海を見渡せる岩場の上にいた。


そこから泳いでいる人の姿が何人か見えたが、私の一番近くで泳いでいた人の後ろに、突然人が現れた。


それはまるで、そこに瞬間移動したかのようだった。


水着ではなくワンピースを着た髪の長い少女。


その顔は唇をふくめて、全く生気を感じさせない白さだった。


その少女が目の前の女に抱きつくと、女は少女と一緒にあっと言う間に海中に沈んでいった。


その女が鈴木であり、三人目の溺死者だった。


私はいきなり現れたワンピースの少女を知っていた。


中学で同じクラスの範子だ。

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