表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になりたい僕と異世界転生した僕  作者: しかわ
第一章 小説を書きはじめた僕と異世界転生した僕
3/12

マールデンの村に到着

-----------------------------


 アイネは近くの茂みに引っかかっていた布を丁寧にほどき、僕に持ってきてくれた。


「はい、また巻いといて。いつまでもそんな物を見せつけられちゃ困るから」


 そういえば、僕はいまだにM字開脚のままだった。僕は立ち上がり、アイネから布を受け取って、少し考えてから腰に巻いた。


 股間を隠してもロックバードは僕に懐いたままだった。よかったー。股間を隠した途端に襲われたらどうしようかと思っていた。一度、懐けば大丈夫のようだった。


「その布は身につけていると魔力を高めてくれるの。お母さんから貰った大事な布なの」


 もしかしてこの布を腰に巻いていたから、モンスター使役の条件が股間を見せつけることになったんじゃないだろうな。もしそうだったら、アイネを恨むぞ。


「そんな大事な布を貸してくれてありがとう」


「いいのよ、別に。私に魔力なんてないから、私が身につけていても無駄だもの。マロードのあなたが上手く使ってくれればいいわ」


 そう言って、アイネはロックバードに目を向けた。ロックバードもアイネを見て、少し後ずさる。警戒しているのかもしれない。


「ロックバード、アイネさんは味方だ。警戒しなくてもいいよ」


「クルゥー」


 ロックバードはアイネに近づき、顔を下げた。なでろ、と言っているみたいだ。アイネも手を伸ばして応える。アイネが優しくなでると、ロックバードは嬉しそうに目を細めた。


「可愛いわね。……まさかロックバードを可愛いと思う日が来るとはね」


 そう言うとアイネは撫でる手を止めて、少し困ったような顔をした。


「とはいえ、ロックバードを村まで連れて行くわけにはいかないわね。タクト、ロックバードが遠くに行ってくれるように説得できる?」


 せっかく懐いてくれたロックバードだが、たしかにこんなに大きな鳥を連れては歩けない。


「ロックバード、悪いけど人のいないところに行ってくれるか? ここらへんにはもう来ないでくれ」


「ククルゥー……」


 悲しそうに鳴くロックバード。さっきまで僕たちを狙っていたとは思えないくらい可愛い。いや、めちゃくちゃデカいけど。


「仕方ないんだ、ロックバード。お前が僕に懐いてくれたのは嬉しいけど、お前を連れてはいけないよ」


「クェー」


 ロックバードは僕の左腕にクチバシを寄せ、軽く触れた。その瞬間、僕の左腕が輝く。「何だこれ!?」と驚くが、すぐに光は消えて、僕の左腕に不思議な紋様が刻まれていた。その紋様はロックバードのように見える。肩の近くなので、ちょっと見づらいけど。


「クェー!!」


 ロックバードはひときわ高く鳴くと、大きな翼を広げて羽ばたいた。強い風が周囲を蹴散らし、砂埃が舞う。やがてロックバードは飛び上がり、西の空に消えていった。


「……なんだろう、この紋様。タトゥーみたいでちょっと格好いいけど」


 僕がそう言うと、アイネは僕の左腕に触り、紋様を撫でた。ちょっとくすぐったくて、僕は照れた。女の子から触られたことはない。


「さぁ? 私にもわからないわ。それもマロードの力なのかもね。とにかく、もう少しで村につくから急ぎましょう。村の皆もロックバードの姿を見たかもしれないし、今頃大騒ぎになっているかも」


 アイネは軽く微笑むと、振り返りさっさと道の方に戻っていった。僕も早足で後を追う。



 しばらく歩くと、村が見えてきた。2メートルほどの木の板塀で囲まれており、木造の門がある。門の前には革の鎧を身に着けた、たくましい男が二人立っていた。二人共、金髪で長い髪を後ろで束ねている。そのうちの一人が走ってこっちに来た。


「アイネ! 無事だったか! さっきロックバードが村の近くを飛んでいたんで、心配したんだ」


「大丈夫よ。いえ、襲われたんだけどね。彼がいたから」


 そこで門番の男はようやくアイネの後ろについてきた僕に気づいたみたいだ。


「誰だ? こいつは。黒髪の男なんて初めて見たぞ!」


 僕が口を開く前にアイネが割って入る。


「この人は、多分マロードよ。この辺じゃ見かけないけど。彼のマロードの力のおかげで、ロックバードは遠くへ行ってくれたのよ」


「マロード?! へぇー、はじめて見たぜ。そうか、ロックバードをマロードの能力で追っ払ってくれたのか。ありがたい」


「いえ、たまたまです。たまたま」


 男は、はにかむ僕の右手を無理やり掴んでぶんぶんと振ってくる。痛い痛い。


「いやーありがたい。ロックバードに狙われたら、いくら俺たちハンターの村でも危ないところだった。歓迎するぜ」


「とりあえず彼を村長のところまで連れて行くわ。村に入れてもいいわよね」


「あぁ、アイネがそういうなら問題ないだろう。ささ、入ってくれ」


 門まで走って戻り、もうひとりの門番に何か話しかけ門扉を開けてくれた。


「さ、行きましょ」


 アイネは僕の手を取り、歩いて行く。僕は少し照れながら、一緒に村へ入っていく。僕が気にしすぎなのだろうが、童貞なので仕方ない。


「これ、倉庫に入れといて」


 アイネはかついでいたカゴを門の裏にいた男性に渡すと、僕の手をひいてさっさと村の中央に歩き出した。


 村は木と布、革で作られた簡易な小屋が多く、30戸くらいだろうか。おそらく民家だろう。ほとんど人はおらず、老婆が小屋の外で布を編んでいたり、老爺が粉をひいていたりするくらいだった。子供や大人は今の時間、森に出ているんだろう。


 高い床のねずみ返しがついている小屋が4戸くらいある。アレは多分、倉庫だろう。子供の頃に学校で習った高床式倉庫って奴だ。


 その反対側には柵で囲まれている広場がおり、そこに四つ足のシカに似た動物がいた。おそらく家畜だろう。時折、ベエベエ鳴いている。


 そして村の中央に全て木で作られている木造の大きな建物があった。おそらくアレが村長の家だろう。はたまた集会場かなにかか。


「村長は気さくな人だけど、あんまり失礼のないようにね。まぁタクトなら大丈夫だろうけど。変にもじもじしてるし」


 もじもじしているのはアイネが手を握っているからだが。


「はい、分かりました」


-----------------------------


 飽きてきた。村の描写とかどうでもよくね? 誰が興味あるんだ。あと腰が痛い。もうパソコンの前に座って三時間くらい経つ。話を作りつつ、文字を打つのって結構疲れるなー。どうしても文章がくどくなりすぎるから、ちょこちょこ書き直しつつ書いている。行ったり来たりしながら文章を書くのはしんどい。


 適当に書いてるから、ここらへんで設定でもまとめてみるか。



タクト: 僕の分身。童貞で無職。バイク事故でファンタジー世界に転生した。


マロード: 異世界からファンタジー世界にまぎれこんできた人のこと。ある条件を満たせば、モンスターを使役できる能力を持つ。タクトの場合は、股間をモンスターに見せることで使役できる。


モンスター: 人に害をなす魔力を持った生物の総称。魔力を持っていても無害な生物はモンスターとは呼ばれない。


アイネ: ハンターの村に住む少女。十代後半くらい。アイネもハンターなので結構強いらしいが、ロックバードには敵わない。


ロックバード: 6メートルくらいある巨大な鳥。肉食。かなり強くハンターの村のハンター全員を集めても勝てないかもしれないくらい強い。タクトの左腕に謎の紋様を残して、西の空へ去って行った。


マールデンの村: ハンターたちが住んでいる村。人口は50人くらい。狩猟で生計を立てているが、軽い農業も行っている。村の中でもハンターは15人で、そのうちの1人がアイネ。


魔力: アイネがぽろっと言った言葉。魔法を使うのに必要な力。アイネは魔力がないらしいので、普通の人にはないと思われる。


綺麗な紋様の布: アイネが腰に巻いていた綺麗な紋様で彩られた布。タクトが全裸だったので、アイネが股間を隠すために渡した。身につけた人の魔力を高める効果がある。



 今までのところ、こんな感じか。多分。設定をまとめてみると、意外とノッて来たな。

 

 次の展開、どうしよっかなー。とりあえずヒロインであるアイネのキャラクターが弱いから、日常パートを入れてキャラクターの補強でもしておこうか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ