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綾ちゃんの初カレside雪夜①

学校での雪夜君。結衣ちゃんの出番は次回からです。

中二になった。クラス替えはあったものの正哉まさや亮太りょうた敦士あつしも同じクラスで、そんなに変わり映えしない。後藤とも同じクラスになって、正哉と後藤は休み時間に時々イチャイチャしている。オレも結衣が同じクラスだったらなー…ちょっと妄想してみたり。亮太は相変わらずお調子者で、敦士は失恋記録を伸ばしている。


雪夜ゆきや。この際年上でも良い。お前の彼女の友達とか紹介してくれねえ?可愛くてボンキュッボンのお姉さん!」


敦士が頼み込んできた。敦士を紹介ねえ…


「敦士。紹介するってことはある程度その人物が信が置ける人間だと責任を持たなければならない。」

「うん?」


敦士が首を傾げた。


「オレはお前に責任持てないからヤダ。」

「なんでだぁー!!信頼のおける人物と有名です、じゃん俺!」


自称じゃ駄目なんだよなあ…

中学の友達で紹介できそうなやつは少ない。まだまだみんな子供って感じで…正哉なら紹介できるくらいには信頼してるけれど、彼女いるし。あとはアキラとか俊介しゅんすけあたりか。道場の知り合いならもう何人か良さそうなのはいるけど。


「ゆーきや。敦士に絡まれてんのか?」


正哉と後藤がやってきた。


「ああ。結衣の友達紹介してくれって。断ったけど。」

「そりゃ俺でも断るな。」


正哉が笑った。


「後藤。これ、去年色々世話になったお礼。贈っても正哉が怒らないなら受け取ってくれ。」


お礼の品が入った包みを後藤に渡した。


「そんなことで怒んねーよ。」


正哉が笑った。


「ありがとうございます、七瀬君。」

「美穂、開けてみろよ。俺も見たい。」


後藤がペリペリ包装を剥がした。中から出てきたのはイヤリングとイヤーカフのセットだ。右耳がイヤリング左耳がビジューになってるイヤーカフ。大きめのコットンパール、小さなフェイクパールにピーチストーン、ホワイトオパールなどを使用した、ややボリューミーできらきらしたやつだ。


「可愛いっ!」

「流石雪夜。センスいいな。良かったな、美穂。」

「はい。七瀬君、ありがとう。大切に使います。」


彼女以外の子にアクセっていうのもどうなのかなあ…と悩んだが、喜んでもらえたようだ。よかったよかった。後藤には去年物凄く世話になったからな。後藤は正哉に磨かれて、また少し可愛くなった。持ってる小物のお洒落度も上がったし、髪型も色々アレンジしている。元から割と良かったスタイルもきゅっと締まりを見せている。性格も良いし、男子の注目の的だったりする。


「雪夜は朝比奈さんと上手くいってるか?」


正哉が世間話に聞いてきた。


「ばっちり。うちに花嫁修業に来てるから最低でも週1で会えるし、土日にデートしたり。」

「良かったな。去年は波乱続きだったし。」


去年のことは悪夢に近い。神崎さんは精神鑑定の方で異常があったっぽくてごたごたしてるが、しばらくはオレたちの元には戻ってこなさそう。


「本当にな。もう記憶喪失はごめんだよ。かわいい結衣のこと沢山覚えていたいし、不安にもさせたくない。」

「朝比奈さんってどんな方なんですか?」


後藤が聞いてきた。


「興味ある?」

「難攻不落の七瀬君をメロメロにしちゃう女性なら、やっぱり興味ありますよ。」


難攻不落ねえ…結衣にはすんなり落ちちゃったけど。やっぱり結衣が魅力的すぎるんだよなあ…桃姉曰く学校でもかなり多くの男子を魅了しているらしいし。オレのだから誰にもやんないけど。


「結衣は見た目は、前下がりの黒髪のオカッパにちょっと釣り目がちな黒々とした大きな目をしている。涙黒子がある。鼻筋はすっと通ってて唇はぷっくりした薄紅色。ちょー睫毛長いの。肌はすごい色白だよ。身体つきは胸やお尻はむっちりしてるけど腰にはくびれとかしっかりあって、胸とお尻以外はほっそり華奢。指も物凄くほっそりしてて、爪なんか形が綺麗で桜貝みたい。性格は強がりで泣き虫。甘えん坊で、優しくて、ちょっと鈍感。一途で健気。料理が凄い上手。ちょっとあれは反則。美味しすぎる。趣味は読書みたいだけど、読む本はオレと趣味が合う。あとメガネを集めるのも好きみたい。オレとデートする時はコンタクトが多いけど。カラコンもいっぱい持ってる。着る服もいつもお洒落だよ。すごい可愛い。」

「大好きなんですね。」


後藤が微笑ましそうに見てくる。中学の友達の前でちゃんと結衣のこと語るの初めてかも…惚気るのって意外と気持ち良い。


「大好きなんですよ。」


真面目腐って言うと正哉と後藤が笑った。


「雪夜、朝比奈さんの話する時はきらきら年相応に見える。いつもそんな顔してればいいのにな?」


正哉が指摘する。やっぱり自分の好きな人の話する時は、オレだってウキウキするもんなんだよ。それはいいとして。


「普段のオレってどんな顔?」

「クールっていうか、達観しているっていうか、スカしてるって言うか、ちょっと枯れてる気もする。馬鹿言う友達には割とあけすけに煩わしい態度とるし。」


枯れてるとか、あんまり嬉しくない評価だな。


「でも雪夜君、正哉君とお話してる時はちょっと楽しそうです。」

「そうかな?」


当の正哉が首を傾げた。


「正哉君だってこの前『正哉君が親友と呼べる人って?』って聞いたときに真っ先に『雪夜かな?』って言ってたじゃないですか。」


正哉がちょっとうろたえた顔した。


「えー…と…」


言葉に詰まってる。こんな正哉珍しいな。


「オレも。」


さりげなく言った。


「オレも正哉のこと親友だと思ってる。」


正哉が赤くなった。こんなに狼狽える正哉って珍しくて面白い。


「雪夜、ずりぃし。」


パシッと肩をグーでパンチされた。照れているようだ。教室の隅でキャーッと声が上がる。一部の女子が「雪×正よ!」とか言ってるが、あまり意味を理解したくない。理解しない方が精神衛生上いいと思う。できればその手の趣味にオレを巻き込んでほしくないけど…


「雪夜、雪夜、俺は?」


亮太が首突っ込んできた。


「うっさい知り合いかな?」

「ちょっ、せめて友人枠にいれとけよ!!」


亮太が必死になってアピールしてきたのでみんなで笑った。



雪夜君の友人関係の話。人並みに親友とかいちゃったりするわけですよ。言葉に出すととても恥ずかしい感じですが。

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