プロローグ〜俺は死んだ〜
龍チと同時に、たまに交互に更新していきます。
日常系チーター描いてみたくて…。
2018年のある日。
俺達は修学旅行先の沖縄に向かう飛行機に乗っていた。
その飛行機が海上で謎の光に覆われて大爆発を起こして、、、
俺は死んだ。と思う。
名前は椿皐月。ちょっとかっこいい名前とは違い、見た目は中の中くらいだと思っていた。両親は公務員でよく家を空けている。なのでオタク的文化に染まっていくのは仕方ないことなんだけど…。
せめて何か恩返しがしたかったかなぁ…?
『本当に、ごめんなさい!!!』
目の前で両手を合わせて俺達に謝罪する美少年。彼は神様らしい。
神様が言うには、異世界での核撃魔法が複数ぶつかり、その衝撃が次元を越えて俺達の飛行機に送られたらしい。
俺達は痛みを感じることなく即死。
さすがにそれは可哀想だと神様が魂を自分達の前に召喚させたらしい。
目的は、異世界転生で新たな人生を歩んでほしいとのこと。
大体理解出来たが、飛行機事故の魂を召喚したにしては人数が少ない。
担任と、クラスメイトしかいないのだ。
「あの、神様。他の生徒達はどこに…?」
『すみません…。他の生徒さん達は別の異世界を管理している神の元にクラス毎に送られました。なので、もう会えません。』
「そうですか…。」
「そんな!!」
「仕方がない…のかな…。」
数少ない友人ともう会えないと聞かされて悲しむ皆。
俺は違うぞ?友人は皆クラスにいる。全部で3人だ。
と、いうか俺達はもう死んでいるんだから友達と一緒に転生なんて夢を見ていた方がおかしいと思う。
でも、話が先に進まないので仕方ないから俺が皆をまとめる。
「皆、落ち着いて。まずは神様の話を聞いて転生しよう?悲しむのはその後でもいいでしょ?」
「ぶっ飛びすぎだ!!」
「あれ?おかしいな…。」
「…ははっ、全くお前は昔から変わらないな。」
俺の友人1が元気を出してくれた。
身長は165cm程で、少し可愛い顔をした男だ。
あとはこいつに任せればいい。学級委員長。
「みんな!悲しむのはもうやめにしよう!僕達は死んだ。これはもう覆すことなんて出来ない。でも転生ができる。なら今この場にいる友達と転生出来ることを嬉しく思うべきだと思うんだ!!」
ちらっとこっちを見る。少し顔が赤い。
こいつ少しホモっ気があるんじゃないかとたまに感じる。
「そ、そうだな…委員長の言う通りだよ!」
「悲しんでばかりもいられないな!」
「さすが委員長ですわ!!」
こいつは謎のカリスマがあるのであの見た目で学級委員長の務めを果たせる。
程よく皆元気が出たところで、神様に転生先を確認する。
神様は待ってましたと言わんばかりにテンションを上げて言い放った。
『転生先は、ファンタジー世界です!剣とか魔法とか魔物とかスキルとかあるあのファンタジー世界!!』
おおお!と主に男子陣から喜びの声が漏れる。女子も一部は喜んでいるようだ。
『あと、その世界にはあるルールがあるんだ。』
「ルール?」
『そう、ルール。それは、自分のステータスやスキルを確認したりも出来るんだけど、レベルアップじゃ上がらないんだ。かわりに、「努力ポイント」が手に入る。』
「努力値?」
『そっちの表現の方がしっくりくるかな??
その名の通り努力値は努力することで上昇するんだ。それは、何でもいい。嫌いなものを食べる努力でも、筋トレでも。
その努力の質と努力量にあわせて、努力値が手に入る。それをステータス、スキルに分配することで、自分のステータスを上げたり、スキルを獲得、レベルアップさせることが出来る。』
「要するに、努力して自分のステータスを上げたりして好き勝手に生きてくれってことですか?」
『まぁ、そうだね。』
苦笑いで答える神様。
『最後にスキルについて説明するね。
この世界のスキルは確立されてなく、概念しかないんだ。だから、概念を組み合わせて好きなスキルを設定して、努力値を消費して獲得することが出来るんだ。
でも、そのスキルの性能によって必要努力値は変化するから気をつけてね。何か、分からないことはあるかい?』
「はい!スキルレベルってありますか!!?」
『ああ、忘れてた。答えはイエスだよ。
スキルと努力値には種類があるんだ、スキルは大きく分けると常時発動型と任意発動型だ。
常時発動型のスキルレベルは最大で10。任意発動型は20だよ。どちらのスキルも努力値を振ることでレベルアップさせることが出来る。
そして、努力値の種類なんだけど、「全」「戦」「生」「知」の四種類があるんだ。
全はレベルアップのみで獲得できる努力値で、残りの3種のどれにも代用できる。
戦は筋トレしたり、魔物と戦闘したりで手に入る努力値だ。これは戦闘系スキルを獲得する時に消費する。一緒に消費できるのは全だけだね。
生はとりあえずいい生活を送るために努力すると手に入る努力値。これは基本的に生活系スキルを獲得する時に消費するね。
戦と同じで一緒に消費できるのは全のみ。
もうわかると思うけど、知は勉強等をすることで手に入る努力値だよ。これは知識系スキルを獲得する時に消費する。これも一緒に消費できるのは全のみだよ。
あとは全のみでしか獲得出来ないスキルとかもあるよ。』
今の説明で大体皆理解出来たみたいだ。
『じゃあ、そろそろ転生させるね。元気でね。』
神様が手を振ると、俺達は光に包まれ、意識を手放した。
次回はチュートリアルです。