キャリーショック
前書き後書きでネガティブになるからことばすくなめに…
単純な内容でゴメンね!(ネガ
現状把握:「全裸で森の中を走っていると女の人とであってその後汚染妖精パミと遭遇、帰りたい」
詰まれた本やビンの間から出てきた妖精は前回同様、唖然としていた。
唖然ではないものの俺も驚いていた。
「ん、どうしたのパミ?」
沈黙に耐え切れなくなったのか彼女は二人の顔色を伺いながら聞いてきた。
「な、なんでもないよ! ちょっとの間この男と二人で話をさせて!」
「う、うん。じゃあ私部屋に戻ってるから。えーと、洗濯のお兄さん」
「!」「!」ビクッ
驚いて方が跳ね上がる二人。
訝しみつつその場を去る彼女。
二人っきりになる鎧男と汚染妖精。
「それで…いったいどういうご用件で?」
一対一で話し合う理由が特にひらめかなかったので直接尋ねる。
すると妖精さんは目の敵のように睨みつけてきた。
「さっき私があの川に居たこと、あの子に絶対言わないで」
「わ、わかったよ」
「あと、他の人間にも言わないって約束してくれるなら、今日だけ無料で宿を貸してあげる」
「えまじでやった」
あ、本音がモリモリ出てしまった。
けどこんな贅沢なサービス、まるで脅して利益を得ているみたいじゃないか。
「けど、ちょっとそれはやりすぎだよ。そこまでお世話になるつもりはないって」
本心ではちょっとした遠慮。客観的にいえば社交辞令。
「明日、南の方の街への行き方を教えてあげるから。だからお願い、明日必ずここを去って」
変わらぬ凄みで説得してくる。
まぁ要するに「出て行け」ってわけだな。致し方ない。
俺は潔いからな!
「わかった、それで俺の部屋はどこになるんだ?」
「右にあるわ」
そう言って左手を挙げた。その先にあったのは壁だった。
「壁、だね」
「違う、目線をもうちょっと右」
担架があった。俺が怪我人だと?
でも文句は言わなーい。それだけ悪いことしちゃったからね。
俺は潔いからな!
「あのベッドの名前は「キャリー」っていうの。くれぐれもヨダレなんてかけないでよ」
名前なんか聞いてないよ。
「わかった。それまでの間この辺りをうろうろしているよ」
「……」
引き止めない。え、さっきの「寝床担架」もとい「キャリー」は冗談じゃないの!?
ちょっと引き止めて「ごめんなさい、実は私…」的な展開期待したのに。
なんてドSな妖精なんだぁ。人間に仕えてるとは思いがたいな。
―――――――――――――――
…バタン。
とりあえず宿を出る。
往く当てもなく、ガシャガシャと鎧を擦る音を出しながら歩き始めた。
「腹は減ったが、金がないんだよなぁ」
日は暮れて、時間は浅いが夜になった。
数え切れない程の明かりが、木造の建物を照らす。
明るいに越したことないがぶっちゃけ火使って大丈夫なのか。
辺りをきょろきょろしながら光の中へと進んでいった。
街から出てしまった。
どうやら俺には迷子スキルがあるのか。
ふと、辺りに人が居ないか確認する。
持っていた盾を足元に置き、コホンと一回咳払い。
両手の平を前に突き出し、
「波ッ!」
何もでない。恥ずかしいー!
気づいたときから盾しか持ってないから何か魔法でも使えるかと思ったのに…。
懐に挟んでいたチョージャを取り出す。
「○ルーシオ!苦しめぇ!」
その辺の茂みに怒鳴ってみる。反応なし。
寂しくなってきた。帰ろう。
盾を拾い上げ、背中へとまわす。案外ジャストフィット。
その直後、「トン」と背中を押された感覚。
特に考えることもなく、振り返ってみると
灼熱の溶岩ロードが出来てましたとさ。
なにこれ。この辺ってこういうことも起きるのか。
盾をつけてて助かった。こういうときは命を失う前に、スタコラさっさだぜぇ。
―――――――――――――――
あの妖精が居た宿の前。
「着くもんだな」
迷子スキルもあるがついでに帰巣本能もあるらしい。
ドアを開け、担架へ直行。
ここへ帰ってくる前にいろいろな食べ物屋台があった。
正直、「お祭りか」と一人でツッコミしていたのだが、それらの臭いをかぐたびに腹部に痛みが伴う。
起きてりゃ地獄。
これなら明日早起きして彼女に何かおごってもらおう。
まだフラグのチャンスがあるのなら。
「キャリー」で過ごす夜はとてもじゃないが快適とは言いがたかった。
鎧のせいなのかかなり寝返りがうちづらい。
ふんわりしている訳でもなく、枕が低反発なわけでもなく…。
風当たりも強く、寒い。
あれ?てかなんで俺外に居るの?
なにここ、祭壇?
あれま、手足にはロープちゃん。
ピラミッド上の石造のてっぺんで俺何してんのよ。寝相悪いってそういう問題じゃないだろ。
いや、おふざけはここまでだ。
祭壇の一番下あたりでキラキラ光るものが動いてる。
妖精たちだ。
「おーい、誰か。いるんだろ、助けてくれよ」
反応はない、フワフワと飛んでいるだけ。
首をぐりんぐりん動かしてさらに遠くを見渡す。
結構な距離があったがコロニーの明かりが見えた。
コロニーからここまで移されたのか。
そして妖精たちに付き従うかのように、昼に見かけたワンちゃんたちが徘徊している。
「コレハシ・ヌール」を手懐けていいると考えてよさそうだ。
これじゃ全然穏やかではない。
この時、決してピンチではないと言い切れない状況の彼だが。
現状を一とうり確認した後、一番驚いたのは
「どんだけ俺快眠だったんだし…」という事だった。
月は彼の顔が正面を向いたところにあった。
白く輝く満月。
長い夜はこれからだ。
ハッピバースデーわれー
ハッピバースデーおのれー
ハッピバースデーわたくしー
ハッピバースデー俺ー
以上、友達とカラオケ行ったら一発目から「君が代」を歌う投稿者でした。
最近君が代の歌詞全部言えない奴が居るんだけどどういうわけ(怒
。○嘘次回予告○。
妖精たちの正体は月の国の住人「ムーンレイス」だった。
彼らは太古のの人類「ドーム」とともに暮らす未来人だった。
そんな彼らがモビルドールを操る理由はこの星の起源をあらわすものだった…。
次回!「四角い雪だるまは下が壊れやすい!」生きるためにゃやるしかねぇ!