事件の始まり
どうも、二回目の投稿になります。
感想は俺頑張ったです。
俺は周りの風景に見とれながらも、始めの街を歩く。
(さて、まあ始めはゆっくりレベル上げに勤しむとしますか)
そんな事を考えながら街の出口を目指す。
ふと周りを見渡すと、今ログインして来た人や、早速パーティーを組む者までバラバラだった。
(パーティーか…今回もアイツはやってるはずだから、組めるといいな…)
前回のWFOでの戦友達の事を思い出しながら、街の外に出る。
辺り一面緑に囲まれ、遠くには、山も見え、見通しの良いステージだった。
(お、あれは…)
初期の敵で、スライム程度だが、始めの肩慣らしにはちょうど良いだろ…
そう思い、背中から初期装備の片手剣を抜くと一気に敵に向け駆ける。
そして、肩に並行に剣を構えると、剣が光を放ち、スキルが発動する。
「っはあ!」
一気に敵を切り、そのまま駆け抜ける。
これは片手剣の初期スキルの『閃光』である。
敵のHPゲージはMAXから0まで一気にへり、光の粒となって、霧散する。
(そういや閃光が得意技のやつもいたな)
そんな事を思い出しながら、レベル上げをしばらく続け、周りを見回すとほとんどのプレイヤーは街に戻っており、そろそろ街に戻るか…
と、思った時に、
「うわあ!」
という声が聞こえてきた。
なんだ? と、思いまわりを見回すと、トロールと戦う一人の男がいた。
このWFOには時間があり、外とは違う時間で進んでいる。
そして、朝、昼、夜で出てくるモンスターも変わり、トロールは夜の代表的なモンスターだが、始めのレベルの低い時に挑むのは、多少つらいモンスターなので、基本WFO経験者は夜になると、街に戻るのだが、
(アイツWFO初心者か…しょうがない、今のレベルなら行けるだろうし、助けに入るか。)
シオンはトロールに向かって走りながら、
「そこのお前、スキルを使え!」
と、叫ぶが、一向に使う気配が無い。
(っち、あいつスキルが使えないのか…)
シオンは心の中で舌打ちをしながらも走り続ける。
WFO初心者はスキルの使い方は分かっても、スキルが発動出来ない者が多い。
だから、取り扱い説明書の始めに、初心者はスキルの練習をするように書いてあるのだが、
(練習途中に夜に変わり、運悪くトロールと戦闘になってしまった、という所か…)
プレイヤーのHPは、もう三分の一も残っていない。
(間に合えっ!)
シオンは肩に並行に剣を構え、スキル『閃光』を発動する。
「うおおお!」
トロールの振り下ろした棍棒がプレイヤーに当たる直前に、シオンのスキルが棍棒を弾く、次に剣を足元まで引き下げ、スキルを発動する光を放った剣は、逆v字型に敵を切り裂く。
トロールのHPは、残り3分の1まで減り、
まだシオンは止まらない、その姿勢からもう一つスキルを発動させ、今度は一回転した後に、上からトロールを切り裂いた。
トロールのHPは一気に0までゲージが減り、光の粒となり、霧散していった。
(ふう、何とか間に合ったか)
そう思い、男のほうを確認すると、髪は赤色のオールバックに、筋肉質なゴツイ身体の大剣使いだった。
「おい、あんた大丈夫か?」
と、確認すると
「ああ、すまない、本当に助かったよ、あんた強いんだな」
そう言いながらその男は立ち上がり、
「俺の名前はシルバだ、えっとあんたは・・・」
「ああ、俺はシオン、シオンだ」
「そうか、シオンさっきはほんと助かった、ありがとうな」
そう言ってシルバは手を出してきた。
俺はそれに答えながら、
「いいや、あそこで下手に死んでたら後々つらいからな、当然の事をしたまでだ」
そう言うと、
「あんたさっきの戦い見て思ったんだが、前作もやってるクチだよな?」
「まあ・・・」
やすやすと前回のトップ10に入ってますなんて言えないけどな
そんな無駄な事を考えてると、
「助けてもらっててこんなずうずうしいのもなんだが・・・俺に戦い方を教えてくれないか?」
まあ、戦い方ぐらいなら、レベル上げの邪魔にもなんないしな、
「・・・・うん、そうだな分かった」
と言うと、身体を乗り出して
「本当か!?」
と言ってきた。
これだけでかくて、ゴツイやつが身を乗り出してくると威圧感がすごいな・・・
「ああ、だが今日はもう遅い、一回宿屋に戻ってからまた明日出直そう、それでいいか?」
と、聞くと
ああ、分かったと素直に答えた。
「そうだ、フレンドカードの交換でもするか、いざとなったとき交換してると楽だしな」
「分かった」
フレンドカードの交換をしておくと、そいつが今どこにいるかが分かり、連絡もとれ、救援信号なども送れるもである。
フレンドカードの交換を済ませ、街に戻ってくると街にはなにやら不安そうな空気が流れており、あちこちで人だかりが出来ていた。
「どうしたんだろうな・・・」
「さあ?」
俺、ちょっとその辺のやつに話し聞いてくるわ、そう言って、シルバは人だかりのほうに走っていった。
(・・・・さて、俺は宿屋でも取っておくか)
そう思い、その場から立ち去ろうとすると、
「おい! シオン!!」
と、血の気の失せた表情でシルバが焦って走ってきた。
「そんなに焦ってどうした、何か分かったのか?」
と、聞くと
「何か分かったのかどころじゃねえよ! お前ちょっとメニュー開いてみろ」
シルバの焦った様子に多少の不安を覚えながら、言われたとうりメニューを開く。
「開いたぞ、で何があったんだ?」
そう言うと、緊張したような表情で、
「お前、メニューにログアウトの項目あるか?」
「お前何言ってんだよ、そんなのあるに決まって・・・・」
・・・・え?
再び上からメニューを見ていくが、
「おいおい、嘘だろ?」
と、見間違いである事を祈りながらもう一度上から見ていくが、
「無い・・・・ログアウトが無い・・・・・」
嘘だろ・・・
いや、まだ何かのトラブルかもしれない。
そう思い、緊急連絡で会社に問い合わせを行うが、
「繋がらない・・・」
そうして俺が焦っていると、シルバが、
「なあシオン、これってどう言うことだと思う? なんかのトラブルか?」
と、青ざめた顔で聞いてきた。
こんなときにもかかわらず、顔の青ざめまで表現するなんて、すごいクオリティーだな、と考えてしまう俺はおかしいのだろうか?
「多分・・・何かのトラブルだとは思うが、問い合わせても返信がない・・・」
周りを見渡してみるが、みんな同じ感じらしい。
それぞれ対処法を考えてはいるが・・・この状況に耐えかねて騒ぎ始めるのは時間の問題か・・・
なら、今の最善の行動は・・・
「おいシルバ、宿屋をとりに行くぞ」
と、俺は言った。
おいおい、こんな状況で何言ってんだこいつは、見たいな顔をしていたがやがて、
「ああ、分かったお前に任せるよ」
と言った。
「ありがとう」
と言いながらも、おそらく騒ぎになってもし今日一日この世界から抜け出せないと言うのなら、速めに宿を確保しといて、宿がいっぱいになる前に取っておくのが最適だと思ったのだ。
宿に戻ると、シルバも多少落ち着いてきたのか、まともに話が出来るようになっていた。
「それじゃあ初めにWFOの、説明をしようと思う。
知ってると思うが、WFOは、今回が二作品目となるVRMMO作品だ。
WFOの主な特徴と言えば、ほとんどのゲームにある職業が、無いことだな。」
「職業がないのか?」
「ああ、職業が無いために、自分の好きなようにキャラクターを育成する事が出来、その代わりに、戦闘スキルから、料理など、かなり多彩なスキルが用意されており、自分の生活に合わせたキャラクターを作る事が出来る、コレも特徴だな。」
「じゃあ、WFOと言えば、みたいなのってあるのか?」
「そうだな…WFOと言えば、みたいに言われ有名なのは、お前も見たようにキレイな仮想世界でかな?」
「WFOは特に世界観に力を入れ、何度見ても飽きないような世界を用意していて、もう一つは、キレイだが、ダイナミックで派手な技かな?」
「ああ、技って言うとスキルの事か?」
「ああ、上位の技であればあるほど、派手になっていき、威力も共に上がっていく。
まあ、主な特徴はこんな所だな。」
そんな感じでシオンとシルバの1日は終わっていく。
このときはまだみんな知らなかった。
これは事故ではなく意図的に起こされたものだと。
1日たてばお詫びのメールとともに、ログアウトが出来ると、みんな思っていた、しかしそれはこのゲーム、この世界に足を踏み入れた瞬間から不可能になっていたと。
そして、これはゲームと言う名のリアルだと言う事を。
読んでいただきありがとうございます!
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