国の陰謀?
カイル王子から聞いた話しでは・・・・難しい。
父様とソウ兄様から聞けって言ってたしなぁ~~~
「父様。お聞きしたいことが御座います。昨日、王子から話しがありましたが私はサッパリ分かりません。何の話しをされたのでしょうか?そして、父様とソウ兄様から聞けと仰いましたが。」
「・・・・・フル。ソウに聞くが良い。」
なんのこっちゃ?父様は教えてくれない。
きっと言い出し難いことかも。でも、私としては早く聞きたいじゃない。だけど、父様はソウ兄様に聞けって言ったんだから帰ってくるのを待たなければいけないのよね。
待つ事数時間。まだ帰って来ないじゃないの!
イライラするのよね!この待ち時間って。
「バタン!」
帰って来た~~~!と玄関まで出迎えたらカル兄様じゃないの。残念!
「やあ。フルが出迎えてくれたのか!!(ニッコリ)ボクは嬉しいぞ~~!!」
忘れていたわ!もう1人の兄の存在を。
この人、大人しいのか賑やかなのか分からん。
「お帰りなさいませ。カル兄様!(ニッコリ)」
「うん!フル、向こうでお茶でもしようよ!」
「・・・・・ハイ。(ニッコリ)」
可愛いなぁ~~~♪
ボクは今日は嬉しい。こうしてフルが出迎えてくれたんだから。
何時も、父上や母上に取られていたから。
だけど、フルが此処を出て行くのは半月後だ。
でも、フルが本当の事を知ったら怒るだろな~!
だって、この提案をしのはボクなんだから。
フル。ごめんね!
それに、この提案に賛同したのがカイルと父上、兄上だから。
まぁ、フルが妃になることは多分、ないだろう。
一応、この国の「姫」として行くだけだからね。
「カイ兄様。少しお話しをしましょう(ニッコリ)」
「何を話そうか?フルが話すことなら何でも聞くよ。」
「ハイ。私、カイ兄様のことは大好きですわ(ニッコリ)でも、少し心配事が御座いますの。聞いて下さいますか?」
「何でも聞くよ。言ってみて。」
「あのう・・・・この前、王子が来られましたわよね。その時、私に何処かの国に行くとか何とか仰いましたの。父様にお聞きしても教えて下さらないし。カイ兄様は何かご存知ですの?(上目使い)」
「・・・・・・・・フル。ボクからは聞かなかったことにしてくれる?ボクとフルの2人の秘密だよ。」
(コクコクコク)
私は首を縦に振った!やっぱり・・・カイ兄様も知っているんだわ!
早く聞かないとソウ兄様が帰ってくる!!
「フル。言い難いんだが、フルは神の御加護を受けたよね。だから、もう直ぐ隣国に行かなければならないんだ。そして、・・・・・言えない。」
「そして?・・・カイ兄様、続きは?早く教えて下さいませ!」
「そして・・・・・その国の妃候補になる。この国だけではない。他の国からの姫も集まる。フル。一応だ。一応。それがサンダーラ・マシャー国の要望だ。」
「それから?・・・」
「それから、もし、もしも、フルが妃に選ばれたら、この国と交友関係を結ぶ。」
「結んでどうなるのですか?」
「この国はもっと発展する。」
「・・・・国の発展ですか・・・・」
「フル!心配はするな!きっと妃なんかには選ばれないから!!」
「・・・・・・・・・有り難う御座いました。私、疲れましたから部屋に戻ります。」
「フル!心配するな!それと、この話しは2人だけの秘密だぞ!」
私は今、脱力で動けない!
私が隣の国の妃候補だって!
この国の他の姫さんはいないのか!!
それに選ばれないって言ったよな!!どうせ、私は選ばれませんよ!そして、心配するな=安心しろってことなのか!?
まぁ、冷静に考えれば私はこの国の「政治の駒」だよね。
どうする私!・・・・・・だけど、隣国って私のことは誰も知らないのよね~~~~
じゃあ、此処みたいにビクビクしながら暮さなくても良いんじゃないの?
そうだよね~~~♪ この際、行く方が私自身も安全だわよね。
それに、向こうで見合いでもして結婚。そして、向こうで生活すれば良いんじゃないの。
ある意味、ラッキーかな?
でも、嬉しい顔は出来ない!この家族には私が悲しい、寂しいとかを出して出て行かないと怪しまれる!!それと、アンを連れて行こう。そうそう、調理長も連れて行かなくっちゃ!
だって、妃候補が集まるわけじゃない。もしかして誰かに「毒」でも盛られたら私はイヤだもの。
やっぱり、この若さで死ぬのは怖いし、勿体無い!!
そして、ソウ兄様が帰って来られた。
当然、私は呼ばれる。きっと、この話しだわね。
この場は私の人生が掛かっているんだから頑張らなくっちゃ!!
「フル。話しがある。座れ。」
「はい。ソウ兄様、お話しって何ですの?」
「実は、カイルに聞いてくれたか?」
「いいえ。カイル様は父様かソウ兄様に聞いて下さいと仰いましたわ。」
「・・・・・・そうか。フル・・・・私達を助けてくれるか?」
「・・・・助ける?何ですの?はっきり仰って下さいませ。」
「実は・・・・フルに・・・半月後にこの国、コット・ランダー国の姫として隣国のサンダーラ・マシャー国に行ってほしい。そして、向こうの国王陛下の妃候補が集まる。」
「・・・・・・妃候補で御座いますか?そして私に妃になれと仰るのですか!」
「そうだ。」
「でも・・・・・私はイヤで御座います!姫なら他にもおられるではありませんか!何故、私なのですか!」
「フルは神の御加護を受けている。だからだ。」
「父様、兄様方・・・・・暫らく考えさせて下さいませ。」
「分かった。よく考えよ。父上。宜しいですか。」
「良い。でも、フルが本当にいやだったら断れば良いのだよ。」
「有り難う御座います。父様。」
やった~~!!半月後よね~~。何か楽しみだわ。
早速、アンに話さなくっちゃ!!
フルには可哀相な事だと思う。
目覚めて直ぐに隣国に行くことになろうとは。
カトレーは泣いてばかりだ。私もフルを離したくはない。
だが、仕方がないのだ。フル。許して欲しい。
俺はフルに残酷なことを言ったのだろう。
目覚めたばかりでおまけに記憶も無い。
サンダーラ・マシャーでは上手く暮せるだろうか!
フルは暫らく考えると言った。
だが、もし、フルが断ったなら・・・・・考えるのは止そう。
フル・・・・悲しそうな顔をしていたな。
ボクが全て悪いんだ。
だけど、この国の為に・・・・フルしかいない!
神の御加護を受けたのはフルだけだからな。
フルはいやがっている。ぼくには分かる。
でも、フル!心配はいらない。お前よりもっと、色気のある姫が集まるのだから。
兎に角、頑張ってくれ!