私は大変ですよ。
私は今、フローレンスになりました。
そして、私は記憶喪失って事で家族の皆さんと私専用の家庭教師さんに色々と教えて頂いています。
そうそう、私が目覚めた時にいた女の子は私専用のメイドだそうで名前はアンと言います。
それから、この国は今の現在に無い世界でコットランダーと言う国だそうです。
私の両親はこの国でも数ある貴族で父は国王の家臣をしています。
でも、性格は穏やか。家臣にしては多分、ダメだと思う。はっきり言って「腹黒い」ことは無い。
母は元、国王の従妹らしい。だから、おっとりで父が全ての人みたい。
だから、夫婦ベタベタでまるで馬鹿ップル。
そして2人の男の子は私の兄だそうです。
長男の名前はソウ。彼は顔は母似。かなりイケメン。だけど性格は冷酷みたいな事をアンから聞いた。
かなりモテるらしい。
次男はカル。この弟の顔は父と母の良い所を貰ったみたいで兄よりイケメン。
性格は父と同じで穏やか。でも、私は思うんだけど、かなり腹黒いかも。
そして、私。フローレンスは末娘=長女。顔は母よりも母の従妹に似ているらしい。
だから美人。年齢は17歳。病弱だったため部屋で過ごしてばかりだったから凄い色白。シミなし。
私の実年齢が23歳だから17歳って若いわよね~~!
それにさ、10代じゃない。どこかしこも肌はピチピチなのよね。
それに、一度にイケメンの兄2人と金持ちも両親。メイドも多く雇っている。
平民の私には、まるで御伽話しの世界。その中でこれから生活をしていくんだから私は17歳に成りきらなくてはならない!
まぁ、色々と考えてもどうしようもないんだし、ゆっくりこの世界の様子を見ながら暮らすしかないわよね。
今の私はフローレンスになりきる事で精一杯!
まぁ、ばれないように頑張るしかないのよね。
そして、今日は私専属の家庭教師セスチャ先生がいろいろと教えてくれています。
彼は・・・多分、30歳前後。独身。顔は好みだと思う。
今日の勉強はこの国の成り立ちと国王について。
「フローレンス様。今日はこの国について勉強致します。この国が出来たのは今から千年前。他民の集まりから始まりました。その為に他民の戦が何度も起こり、今の国王で有らせまするヘラエル・コット三世です。そして、あなたの父君は国王の左腕で御座います。」
「ふ~~~ん。そうなんですか。では、その国王様は父様と密室な関係なのですか?」
「密室な関係とは?」
「例えば、父様は国王様に意見が言えるとか・・・」
「・・・・・意見。そうですね。時々は言っておられるでしょう。」
「では、母様は国王様の従妹と聞きました。母様の影響は国王様にあるのですか?」
「・・・・・・何故、そのように思われます?」
「・・・・・興味です。」
「興味がお有りなのですか?」
「はい。ダメですか?私が興味を持つのは。」
「いいえ。良い事だと思います。そうですね、母君はこれっと言って国王には影響が無い方だと思います。」
「そうですか!」
「・・・・・?」
「だって、母様が国王様に影響を与えているとしたのなら私達、貴族は生活がしていけません。」
「何故?」
「・・・・・母様は父様命なのですから、父様の言う事でしたら国王様にきっと、迷惑がかかると思います。まぁ、父様も母様命の方ですのでどっちもとっちでしょうね。」
「・・・・・・・フローレンス様。あなたは政治に興味が有りなのですか?」
「いいえ。全く御座いません。だって政治って大変ですのも。女如きの私なんて無理で御座いますわ。」
「・・・・・あなたは・・・・・」
やっと授業は終わりました。疲れた~~~!
でも、両親はあまり政治には興味が無さそうで良かった!
そうでないと私達は国民から睨まれることになるじゃないの
それにさ、映画じゃないけど国を追放されるのはまだマシだけど処刑となればイヤじゃない。
何事も普通で良いのよ。
フローレンス様ってこのような方だったのか?
以前、の授業だったら質問も無し。意見も言わない方だったはず。
この方、確か神の御加護を受けて命が救われたと聞いている。
神の御加護を受けられた方はこう、性格も変わるのだろうか。
私は個人的に興味がある。
そして、その後は生活においての訓練?まぁ、マナーなのよね。
なんせ、私は1年余り寝込んでいたらしいから。それに記憶喪失でしょう。
一から覚えなければいけない!それに、私が本物のフローレンスにならないとね。
みんなが怪しむ。
「お嬢様。次はテーブルマナーのお勉強です。いいですか!」
私は嫌いなのよね。まぁ、ご馳走が食べられるから良いんだけど。
はっきり言ってお箸で十分なのに。どうしてこんなめんどくさいことするんだろう。
「フローレンス様。例えテーブルの上に落としたとしても食べてはいけない。そして、そのフォークとナイフは逆です!」
「はい。」
怖い先生だわよ。このフローレンスって子は小さい時からしっかりマナーを身に付けていたんだろうな~~。それにしたって貴族の生活って大変だわ。私に出来るのだろうか。
このカレン先生って独身?まだ、まだ、若そうだし。
私はそんな事を考えていたらポロっとパンを落としてしまった。
私も悪かったんだけどつい、癖でパンを拾って服で拭いて食べようとした時に仰った一言が私の頭の中でこだまする。
「・・・・フローレンス様?・・・あなた様は本当にフローレンス様なのですか?」
「・・・・・はい。フローレンスですが。何故ですの?」
「い、いいえ。・・・・」
ヤバイです!とってもヤバイ!私の癖ってこんなことだったんだって知らなかったわよ~~~!
カレン先生は不思議そうに私を見つめられています。
きっと、本物かどうか疑っている?
あの子、こんな時はどうしたんだろう?
・・・・思い出した!アンが私が伏し目がちにした時「やはり、お嬢様ですわ。」と言ってくれたから、伏し目がちにすれば良いのかも?
即、実行しましたよ。先生は「やはり、フローレンス様ですね。少しででも、疑った私を許して下さい。」
フフフンン・・・・コレね。よし!一つ憶えた~~~と。
「カレン先生。いいえ、許すも許さないも先生は私のことを考えて下さって頂いているからだと思います。私は今、記憶が御座いませんから先生に一から教えて頂きたく思います。」
「まぁ~~~!!フローレンス様!やはりフローレンス様ですわ!有り難う御座います。そして、早く記憶が戻ると宜しいですわね!」
「ハイ!先生、私は今、小さな子供だと思って下さいませ。」
「ええ、そうですね。私もそのように思っております。」
良かった~~~!一つクリア!!
私の正体がバレてしまうところだったわよ。
後はこの兄と両親が問題だわ!!