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祖母とネックレスの行方 依頼編

事件は依頼編、探索編、解決編の3つに分けようと思っています。毎日1話投稿で頑張ります

毎日仕事という名の、社会への超能力貢献活動をし続けていた11日目。


今日も俺は放課後教室でお客さんを待つ。

この待ち時間も本を読んでいれば苦ではない。本を読むのは元来俺は好きだ。

窓を見ると野球部が練習をして、精一杯声を出して本気で取り組んでいる。


あのような姿を見ると自分のしているこの活動に若干の申し訳なさが浮かぶ。このような守銭奴の活動を神様は許してくれているのだろうか。

そもそも、俺は面白くもない毎日に変化を求めてこの力を得たのにこんなことをしていていいのだろうかーーー


そう考えていると、ガラッと教室の扉が開く。

入ってきたのは同年代の少女、きれいな薄桃色の髪だ。

だが薄桃色とは珍しい、外国人なのだろうか。

俺の視線をものともせず教室の中央に置かれたソファーに座る。サイト上でのやり取りはしたものの義務的なものだけだった。彼女も気まずそうにしているので声をかけるとしよう。



「こんにちは」......「こんにちは!」

挨拶を返すのに少しのラグがある。まぁこんな怪しいサービス、緊張して当たり前だ。

まずはこの人の情報を得るとする。

「お名前と探したいものを一応もう一度教えていただけますか」

「はい。私の名前は桃葉、千堂桃葉です!」

見た目の消えそうな桃色とは裏腹に元気な返事だ。返答されないよりよっぽどそっちの方が良い。

「探したいものはネックレスです。」

聞いたとおりだ。 情報が少ないと、その場になかったときに困るから一応補足の情報も必要だ。


「では、そのネックレスについての情報と、最後に見た覚えている場所を教えてください。覚えてる限りでいいですよ。」


「長くなりますがいいでしょうか?」

ーーーー正直に言うと嫌だ。だが、ここで断れば不真面目な応対だと低いレビューを言いふらされるかもしれない。聞くとしよう。

頷いて話を続けるよう促す。


ーー私が探したいネックレスは祖母の所持するものです。持ち主の祖母は旅立ちました。あの世という意味ではなく、”外国に”です。祖母はイタリア人でしたからどちらかといえば戻ったというのが適切なのかもしれませんが・・・


ですがここ数年祖母は日本で定住していました。そんなある日祖母は突然帰ると言い始めたのです。私は止めようとしました。

それで喧嘩にもなりました。しかし祖母は何も言わず帰ってしまったのです。母もそれを止めませんでした。私はもう祖母が帰ってしまったことになんの怒りも抱いていません。



ですから祖母と仲直りしたいのです!けれど場所はイタリア。

祖母は携帯を持たない人で手紙で連絡を取る人でしたから、連絡のとり方がなくわかっているのは住所のみなのです。


手紙を送ることはできますが、それだけでは不十分かと思い、あるものを送ることにしました。それがネックレスなのです。

祖母は昔からそのネックレスを大切にしてきました。肌見はなさず持ち続けていました。そのネックレスは祖父から送られたもので、中には小さな写真が入る仕組みだそうです。

ですから祖母は中に家族写真を入れて、祖母は毎日中の写真を見つめて、楽しそうにしていました。


しかし、そんなに大切なはずのネックレスを祖母は持っていきませんでした。

私はそれが不思議で仕方がなかったのです。祖母の荷造りを何度も確認しました。正直に言うと荷造りを何回か隠したりして足止めをしようとしたのですが、そんなことは無駄でした。



そうして私と祖母は口を利かずに、祖母は旅立ってしまいます。その時の私は冷静ではありませんでしたからネックレスのことも伝えれませんでした。

それが私の後悔なのです。祖母がどこにネックレスをおいていたかはわかりません。母に聞いても教えてくれません。

ですから、心海さんにぜひ探していただきたいのです。ーーー


「なるほど」

この少女の言うことには場所を確実に知っているのは祖母のみということになる。だが、祖母はイタリアにいる。心のなかに入り込むには接触が必須条件だ。イタリアまで俺が行くのは不可能だろう。


かといって孫の反対を押し切ってまで行った祖母を日本に連れ戻すのも不可能だろう。

断るか?しかしこの少女はどうやら大きな後悔を残しているらしい。

このままおいていてもいいのだろうか。


数十秒が経過する


「わかりました、お受けしましょう」

「ほんとですか!?」少女の目が輝く。

「はい、ですが見つかるかは保証できません。いいですか?」

「もちろんです。なにか他にお伝えするべきことはありますか?」


「すみませんが、あなたが最後にネックレスを見た場所まで連れて行ってもらえますか?」

「わかりました、といっても最後に見たのは祖母が身につけているところです、この街の東の方にある家ですから、かなり近いです。」

良かった。出張サービスは楽に済みそうだ。



「それでは明日の放課後家の方まで向かいましょう。集合場所は東公園でどうでしょうか?」

「いいですね、そこなら数分でつきます」

この子の心を見るのは不必要だろう。疲れるしな。


「それでは今日はお開きとしましょうか」

そうして俺達は解散となった。


次回探索編となります。

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