少女の独白
初めまして。白月と申します。初投稿になります。
ファンタジー×SF×ヒューマンドラマで、少し不思議で優しい物語を書いてみました。
これは、アンドロイドの少女が「心」を知っていくお話です。
まずは、静かな始まりから。
心とはなんだろう。
――感情とはなんだろう。
――愛とはなんだろう。
――喜びは? 怒りは? 哀しみは? 楽しさは?
――分からない。私には分からない。
――苦しみも、嬉しさも、親愛も、憎悪も、好きも、嫌いも。
――その全てを私は持っているはずだ。
――それなのに、私はその全てを本当の意味では知ってすらいない。
――中途半端に持っている分、余計にそれを求めてしまう。
――フール。あなたは知っているのでしょう?
――あなたについていけば私にも分かるでしょうか?
――あなたは言っていましたよね?
「この広い世界には想像もつかないような、美しい光景が数多存在している。でもね、僕は思うんだ。人の心やその在り方は、稀にその全てを飛び越えて美しく輝く時がある。だから、人の心はこの世界のなによりも尊いものなんだって――」
――それを私にも教えるとあなたは言いました。
――だからひとまずは、あなたについて行くことにします。
無骨な剣一つを背に負い、不思議な笑みを浮かべる青年と、機械の身体を持ち、偽りの心を有する、一体の少女の姿をしたアンドロイドの二人旅です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
このプロローグは、アンドロイドの少女・アイの“始まり”の章になります。
本日は連続投稿として、もう一話(ここからが本編)を投稿しております。
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