第四話 西港旋律学園へ
遅くなってすいません。色々とゴタゴタがあったもので。そんなことはどうでもいいですよね。
それでは本編へどうぞ。
「頼む、無事でいてくれよ!!」
そう願いながらバイクを走らせていく。幸いなことに永久の家と西港旋律学園との距離はそこまでない。
だから、ものの10分程度で学園の近くに到着できた。
永久は学園の状況を把握するために少し周りを見た。その際に学園の校庭を見た。
永久は、少し悪魔がいる程度か?、と思っていたが見た瞬間予想打にしないものが目に映った。
「何だあれ?悪魔にしてはやけに図体がデカくて、しかも大きなナタまで持ってる。何なんだあいつ?まあいい、ひとまず傘都たちのことが最優先だ。でも、あいつは校庭にいるからな正門から行ったら間違いなくバレる。あいつにバレたら無事でいられる気がしない。たしか学園には裏門があったよな?そこから行くか。」
そう言った後、悪魔のいない、目につかない場所でバイクに降り忍びながら裏門へと足を運ぶのだった。
◆
「ひとまずたどり着けたな、裏門に悪魔がいなくて助かったな。いたら戦闘しなくちゃいけなかったし。ていうか悪魔の体ってほぼほぼ人間と同じだから急所狙えば倒せるんだよな。ありがたい。」
そう言いながら裏門をくぐり周りに悪魔がいないことを確認したら素早く移動して下駄箱付近まで移動した。
「まだ悪魔は出たばかりだから数が少ないのか?それにしても数が少ない、まるで誰かが倒してるかのようだ。まあ、それはどうでもいい、数がいないに越したことはないからな。ひとまず教室に行こう。」
そうしていつでも戦闘できていいようにナイフをカバンから取り出し右手に装備した。いつでも下駄箱まで突入できる準備を整えた。しかし、緊張しているせいか準備はできても突入をしなかった。
そこで永久は何回か深呼吸をして己を落ち着かせた。
「よし、行くか。」
短いながらも覚悟を決めるような様子でそう言った。まずは玄関その次に廊下と周りを警戒しつつ悪魔がいないか確認した。幸いなことに悪魔は数体はいたけれど、そこまで量は多くなくしかもナイフを持っている永久からしたら雑魚同然のような強さだった。
「悪魔がそこまで強くなくてよかった。しかも数も少ないし、ナイフであれば後ろから首を切るだけで倒れる。そういえば悪魔を倒したとき死体が塵になって消えたんだよな。だから悪魔関連の武器が多くあったんだな。納得。そんなことはどうでもいい、早くあいつらを助けに行かないと。だがこの調子だったら助けることはできるんじゃないか?早く助けに行くのはそうだけど焦らないようにはしよう。」
そう暗示を自分にかけ、焦らないように余裕を出そうとしていた。独り言を零しながらも教室へと行く足は止めなかった。少し経って永久は自分の教室のある階にまで足を進めていた。永久は、この階にいるのはたかだか5体くらいか、とその事実に安堵し、そのままこの階にいる悪魔を不意打ちで倒して自分のクラスの教室のドアの前に立った。
「おい!大丈夫か?!俺だ、笠上永久だ!ドアを開けてくれ!」
「お前、本当に永久なのかよ!!信じれるわけねぇだろ!!こんな状況で!!」
「本当なんだ!俺だ、永久だよ。ていうかこれまで意志のある悪魔を見たことがあるのか?!無いだろ!!」
そう大きい声を出すとガラガラと教室のドアが開いた。
「ほ、本当に永久だ。な、何で永久がいるんだ?!」
「ひとまずそれは後でいい、俺を教室に入れてくれ。」
「わかった、中には入れ永久。」
そうして教室に入った永久が目にしたのは教室の隅でブルブルと震えているクラスメイトたちだった。そのクラスメイトたちは永久を見るやいなや、さらにいっそう怯えた。
「だ、大丈夫か?ここで何が起こった?話せるやつはいるか?」
そう言うと隅で固まっていた教師(鈴木冬夜)が永久の前に立ったあと震えた声で質問をしてきた。
「永久君、いったい何が起こっているんだ?これはどういう状況なんだ?それと何で君は外にいたんだ?それに答えてくれ。」
「何が起こっているのか?と聞きましたね。それは悪魔がどうやら復活したみたいです。どうして復活したかは知りませんが。そして悪魔が復活し人々を襲っているようです。なぜ外にいたのか?それは、俺も悪魔に襲われたからです。そのあとスマホでニュースを見てクラスメイトが心配になったので学園に来たんです。」
「そうか、助けてくれてありがとう。廊下にいたやつは悪魔だったのか。そうそう信じられるものではないが信じるしかなさそうだ。」
先生と話しているとクラスメイトの一人がいきなり横やりを入れてきた。
「あ、悪魔だって!?お前は何いってんだよ!悪魔なんかこの世にいるわけないだろ!冗談もほどほどにしろよ!そうだ、お前がやったんだろ?それで俺たちを助けるふりをしてるんだろ?ふざけんなよ!!」
そんなことを言われた永久は理解し難い顔をして反論した。他のクラスメイトたちもこれに便乗して、そうだそうだ、と、永久を非難した。
「そんな訳無いだろ、いい加減にしろ!そんなことをして何になる?なんにもならないだろ!」
「そうだ、永久君がそんなことをするわけないだろ!言いがかりをつけるのはやめろ君たち。みっともないぞ!」
「先生は黙っていてくれ!言っとくが元々この学園には悪魔?が多くいたんだ!100はゆうに超えてたんだ!このクラスに来るためにはそれら全てを倒す必要があるんだぞ?!たかだか一般人がそんなこと出来ると思っているのか?!」
「違う!俺がこの学園にきたときには既に数が減っていたんだ!この階にいた悪魔だってせいぜい5体前後だ!だから俺はこれの犯人じゃない!やるわけないだろそんなこと!」
「じゃあ、そんな証拠はどこにある!?永久がやってないっていう証拠はあるのか!それにいきなりこんなことにが起きて、助けに来た、なんて信じられるわけないだろ!そんな都合のいいことが起こるわけないだろ!それなら証明してみろよ!自分が犯人じゃないって!」
そう言われて永久は黙った。実際永久はそんなことをしていないのだ。しかし、いきなり悪魔が復活してしかも自分たちに襲いかかってきたということがこの短時間におきて、クラスメイトたちも混乱していた。
それをわかっていた永久はこの状況を打開するべく頭を回していた。そして少し考え打開策を考えた。その間もクラスメイトたちは永久を非難していた。
「ふざけんな、ふざけんな!何でこんなことにならなくちゃいけないんだ!これも全て永久の「待って」は?」
「わかった、俺がこれを引き起こした犯人じゃないという証拠を提示すればいいんだな?」
「そうだ、だがそんな証拠はない!」
「いいや、一つだけある。この状況で自分が犯人ではないと提示出来る証拠が一つだけ。」
「な、何を言って」
「俺があの校庭にいるデカブツを倒せばいいんだろ?それが証拠になる」
「は?あれを倒すってのか?バカ言え、そんなことが出来るわけ無いだろ!あの周りにいる奴らなら倒せるさもしれないがあの、デカブツを倒す?、嘘も休み休み言え!あれは人が倒せるものじゃない!」
「だが、それが証拠になるだろ?この場に状況において俺がこれを引き起こした犯人ならあのデカブツを倒すなんてデメリットでしかない。これでどうだ?」
「確かに証拠にはなる、だが言っただろ?!あれは人が倒せるものじゃないって!」
「確かに人であるのならあれを倒すのは難しいだろうな。」
「なら!「だが、絶対に倒せない訳じゃない。必ず倒せる手段はある。」…………。」
「…………ほ、本当にあれが倒せるのか?永久。」
「分からない、だけど倒すしかない。それしか道はないんだ、やってみせるさ。」
「……………………ありがとう、そしてごめん。俺ひどいこと言った。混乱していたとはいえお前を疑ったし犯人に仕立て上げた。本当にごめん。」
今までの行動が嘘みたいにクラスメイトの一人は永久に謝った。
いきなりの変わりように永久も驚いた顔をした。そのあと立て続けにクラスメイトは言った。
「お前のその真剣な表情をみてたら俺のやっていたことが小さく見えてな、永久はあのデカブツを倒すんだろ?なら俺たちも協力させて欲しい。ついさっきまで捲し上げてたお詫びとして。」
そうクラスメイトが言ったあと永久は他のクラスメイトも見た。その中にはバツが悪そうな表情をしている者もいたが大半の奴は永久に協力しようとしていた。
「いいのか?死ぬかもしれないんだぞ?」
「おいおい、ついさっきお前が言ってただろ。死ぬかもしれないがそれはそれとして倒さなくちゃいけないってさ。それに俺たちが協力したほうが生き残る確率は少しでも上がるだろ?」
クラスメイトの一人である田中光がそういったのを皮切りに他のクラスメイトたちも永久に協力的になった。そのあと他のクラスメイトたちは永遠に対して辛く当たったことを一人一人謝った。このクラスメイトたちもただ混乱していただけなのである。この子たちもたかだか16歳の子ども、いきなりこんなことになって冷静でいられるほど大人ではないのだ。それを理解していた永久は、この状況にいちゃもんを付けなかった。
「そうか、ありがとう。じゃあ戦えるやつは武器を持ってくれ。多分この学園を隅々まで探せば必ずあるはずだ。」
「「「「わかった」」」」
一斉にクラスメイトがそう言った。幸い学園にいる悪魔は永久が全て倒しているからか武器集めはスムーズにいった。それと同時に他の学級や学年の生徒たちを救い出し先生たちが率先して避難を進めた。
その結果大半の生徒や先生は体育館に集合できた。
永久たちは武器を集め終わったあと、再び教室に戻っり永久は光に話しかけた。
「なあ、誰か傘都がどこにいるか知ってるやつは居るか?連絡がつかないんだ。」
「傘都のことは知らないな、なんせ自分のことで精一杯だったからな。すまない永久。それと他のやつも知らないと思うぞ?ずっと教室にいたからな。だが気になるんだったら聞いてみたら良いんじゃないか?もしかしたら知ってるやつがいるかもしれないからな。」
光がそういった。
「いや、いいんだ。それならしょうがないしな。」
心配をかけないようにそう言う永久の顔には悲しそうな表情があった。
「だが多分無事なんじゃないか?傘都はああ見えてなんか生き残りそうな顔してるだろ?めっちゃ服とかボロボロになってそうだけど。」
「確かに言えてるな光。傘都ならギャグ漫画みたいな感じで俺たちの前に出てきそうだな。」
光の言葉に少し安堵し笑みを浮かべた。寂しい気持ちを切り替え、永久はクラスメイトたちに話しかけた。
「これで準備は大丈夫か?そして覚悟はできてるか?」
永久がそういったあと戦闘に参加するクラスメイトたちは一斉に頷いた。
「この戦いで死ぬかもしれない、もう二度と最愛の人に家族に会えないかもしれない、それでも本当に戦う覚悟はできてるか?」
誰しもが恐怖する「死」が間近にあることを言ってもなお、誰一人として希望の眼差しが絶えることはなかった。
「そうか、それほどの覚悟ができてるなら俺から言うことはない。しかし!誰一人として死ぬことは許さない!!死んだやつには俺が罰を与える!!だから死ぬな!!醜くてもいい、恥じてもいい!!だから死ぬな!!」
永久が言い終わったあと教室には、おぉ!!、と大きな歓声があがった。そしてそのあと教室を出て、階段を下り、下駄箱で靴に履き替え校庭の前に立った。永久たちの目の前にはナタを持った図体がデカい悪魔とその取り巻きたちがいた。
「ここまで来たんだ、もう後戻りは出来ないぞ。それでもいいんだな?」
「くどいぞ永久、もうここまできたんだし今更、やっぱり悪魔が怖いから教室に戻りま〜す、なんて言うわけないだろ。俺たちも覚悟があって此処にきてる、さっさと合図をだしてくれよ、戦闘のな。」
「確かにそうだな、だが最後に言わせてくれ。
武運を祈る。」
さっきまでの緊張した空気感がなくなり多少なりともクラスメイトや永久の気が和らいだ。
―大丈夫だ、俺ならやれる。あのデカブツを倒せる。それ以外にも傘都のことが心配だ。あいつは確か病院に言ってたよな。無事ならいいんだが。でも確か病院の近くには避難所があった筈だ。そこに避難していれば大丈夫だと思うけど。あぁ、駄目だ。気を抜いたら悪い考えが頭によぎる。頼む、いつもの変わらない傘都でいてくれよ。
そう心の中で考え事をしてハラハラした気持ちを静かに落ち着かせた。
永久が戦闘の合図を出したと同時に戦いの火蓋が切られた。
???Side
「まったく、永久はどこにいるんだよ。どこを探しても居ねぇじゃねぇか。まさかあいつ学園に行ってねぇよな、あそこにはヤバそうなデカブツがいるんだぞ?まさかな、そんな訳ないよな。まあいい、きっと永久ならピンピンしてんだろ。そのうち会えそうだ。
とっ、そうだそうだ避難所には食料や水が少ないから外に出たんだ。どこかのコンビニとかスーパーとかから頂戴してこないとな。じゃ、食料と水集めをまた再開しますか。もう十分休めたしな。それにしても何やら学園の方からなんか嫌な予感がするんだよな。学園の周りにはいかないようにしよう。こういう時は勘に頼るのがいいっていうのは鉄則だしな。さあ、また歩きますか。」
いや〜最後の???とは誰なんですかね?(すっとぼけ)
本当に投稿するのに時間がかかってしまいました。
かれこれ2週間以上経ってますね。ヤバいです。本当は1週間以内に投稿する予定だったんですが、夏休みの課題だったり部活だったりが忙しすぎて書く時間が少なかったんですよ。でもやっと投稿できました、うれしいです。
それと良かったら感想や評価などをつけてもらえると嬉しい限りです。もしつけてくれたら私が泣いて叫んで喜びます。誰が見たいんですかねこんな様子。警察に突き出されちゃいそうです。せめて叫ぶのは止めておきます。でも本当に感想や評価は嬉しいので2回目にはなりますがお待ちしております。