第十九話 助け
前書きいります?多分、今度からは書かないと思います。それでは、本編へ、どうぞ!
「はぁ、はぁ、はぁ。」
息を荒げながらも学校が近くにある住宅街でひたすらに走っている男がいる。
その男の後ろには5体の雑魚悪魔が追いかけていた。
どうやらその男は武器も持っていないらしい。
大きなリュックを背負ってひたすらに走っている。
死なない為に。死にたくないために。
しかし当然、人間である限り体力には限界がある。
段々とスピードは落ちていき、ついには歩きと変わらない速度になった。その男が後ろを振り返ると、自分と悪魔との距離は2メートルを切っていた。
それに焦りを覚え、男はスピードをあげる。
まっすぐ、まっすぐ進んでいた男だったが、足元の小さな石に気づくことなく進んでしまい、転んでしまった。それまでの疲労も合わさってか、立ち直る事が出来なかった。
しかし悪魔はそんな事お構いなしにやって来る。男は己の死地を悟った。だが、男はあることをしに来たことを思い出して立ち上がろうとした。
しかし、さっきも言った通り、これまで20分間も約20キロのリュックを背負って来たのだ。しかも走って。
ならばどれだけ足に疲労が溜まってるかは想像が容易いだろう。つい先程走って10メートルも稼いだ距離が無残にも消えていく。
それに絶望を感じながらも生きようと必死に足掻く。だが、現実は非情だ。よく、アニメや漫画で、限界を超えろと言うシーンなどがあるが、それはあくまで二次元だ。三次元ではない。だからこそ、動けない。
近づいてくる、ゆっくりと、確実に。
十メートル、八メートル、六メートル、四メートル、二メートル、そうして目と鼻の先まで近づいてきた悪魔はその男を殺そうと、意思もなく、手を振りかざす。男は死を覚悟して目を瞑った。
…………しかし、どれだけ経っても攻撃は来ない。
それを不思議に思った男は恐怖を交えながらゆっくりと瞼を震わせながら目を開く。そこにあったのは、
五体の悪魔を蹴散らして、悪魔の血に濡れたナイフを持つ、黒髪の少年の姿だった。
◆
「…………ろ!…………きろ!…………起きろ!」
「何だよ、朝からいきなり。でかい声出すなよな、傘都。」
パジャマ姿が少し乱れていて、寝ぼけているトワ。
それを起こしたのは傘都だった。
「お前なぁ、今はもう七時だぞ?朝飯の時間だ。」
傘都が呆れる。
「いや、俺は朝飯要らねぇから、このまま寝させてくれ。」
トワは再び布団に包まった。それに少しカチンときた傘都は、トワの掛け布団の端をガシッと持って、一気に剥いだ。
「おい!何すんだよ!俺の布団ちゃんを返せ!」
「二度寝しようとする奴が悪いだろ!」
傘都は正論をぶつける。そんな感じで朝からギャアギャア騒いでいたら当然他の人が来るわけで、その騒ぎを聞きつけてヒカルとユキとサキ、太郎がやってきた。
「もう、二人とも、朝から何やってるの?」
そう声をかけたのはユキだった。しかし、ユキはトワと傘都の取っ組み合いに慣れているのか、呆れた顔をした。
「こいつが二度寝しようとしたから布団引っ剥がしたら、逆ギレしてきたんだ。」
傘都は事実を言った。
「別に二度寝しても良いだろ!」
それに反論したトワに傘都は更に呆れた。
「朝飯だっつってんだろ!」
これで二度も言った。この会話にほとほと呆れたサキはトワに言う。
「あのですね?朝ご飯な訳ですよ。ただでさえ貴重な食料を無駄にするつもりですか?」
冷静に、しかし、少しの怒気を交えた。それを言われて、冷静になったのかトワは小さく、ご、ごめん、と言った。
「はぁ、分かればいいんですよ。分かれば。じゃ、行きましょうか、食堂。」
サキのその言葉に、おう、とトワ達三人は、太郎とユキはうん、と返事をした。そうして移動をする三人。そこで朝ご飯のトーストとベーコンエッグを食して、また教室に戻ろうとする。
「そうだ、僕、仕事があるから行かなきゃ。」
太郎は思い出したのか廊下でそれを口にした。
そこで、太郎を除く5人は、僕?、と疑問に思うがそれはひとまず置いておいた。
「仕事?なんのだよ?」
当然それに疑問を抱く訳で、ヒカルは訊いた。
「第1体育館に行って避難者の手伝いをしなくちゃいけないんだよ。それと、先生達の手伝いも。」
太郎はどうやら色々な手伝いに行くようだ。
「俺達も何か手伝いしたほうがいいのか?」
ヒカルは再び訊いた。
「うん?君達は大丈夫だよ。先生達はこれまで働いてきた君達を休ませるつもりのようだから。」
太郎は一人称や言葉遣いが変わっていることにも気づかない。そこで近くの時計を見て気付いたのか、
僕、もう行かなきゃ!じゃあね!、と言ってその場を去った。
とある疑問を抱えながらも5人は教室に向かった。
そうして教室に着いてから窓際で話し出した。
「なぁ、アイツ、僕とか君達とか言ってなかったか?」
トワは我慢できなくなったのかついに疑問を呈した。
他の四人もうんうん、と、頷いている。
「何で口調が変わったんだ?」
傘都はその疑問を口にした。5人は考えた末、トワが一つの答えを導き出した。
「あれはさ、アイツの素の口調なんじゃないか?
じゃなきゃ説明つかないだろ。」
サキは同じことを思っていたのか静かに頷いて、
傘都とヒカルとユキは、確かに、と納得した様子を見せた。
どうやらトワ達は、太郎によれば休ませるつもりのようで、5人はその言葉に甘えて思う存分に休むことにした。だが、武器は非常時に備えて、当然近くに置いてはいるが。
そんなこんなで話をして、昼メシを食べて一息ついている5人はまったり過ごしていた。太郎も昼すぎには戻ってきて、自然と輪の中に入っている。
そうして今は午後5時。夕飯は6時半にあるのでそれを楽しみに待っている。
「そんでさ、その時にアイツ、なんて言ったと思うよ?コイツのせいですってなすり付けてきたんだぜ?そりゃ無理があるだろってなって、そいつ意外全員爆笑してよ。」
トワが話に花を咲かせている。それに他の5人も笑っている。ユキは上品に、サキは静かに、太郎は育ち良く笑った。
トワは外に誰かいると瞬時に気づいたがそこまで気に留めなかった。…………しかし、今はこの非常時である。外にいるのはおかしい。
それに気付いたトワは、外にいる人を観察した。すると、何やら重い荷物を持って学校に来てる男が見えた。
この事を学園長にでも言おうとしていた矢先、その男は転んでしまった。
そこまではあまり気にしなかったが、男がやってきた方から悪魔らしき奴が男を狙っている。幸い今は春時だったので午後五時でもまだ視認できる明るさだった。
あまり遠くて分かりにくいがどうやら男は息切れを起こしている。それに転んでも起き上がれる気配がない。
トワはマズイと思い近くにあったナイフを手にとって窓を開けた。
「すまん!用事ができた!」
「は?!用事ができたって、何が!」
傘都がそう言い終わる前にトワは迷いなく左手を左側の窓枠に、下の窓枠に左足をかけてジャンプをし、4階の高さから飛び降りた。トワはベランダとベランダを衝撃を吸収させながら行き来して地上まで降りた。
「頼む、間に合え…………!」
そうして男がある方向に全力疾走し始めたトワ。
それは優に人の身体能力の限界を突破していて、
100メートルを3秒で走れるくらいには速かった。
男がいる所は、幸い正門があるところでは無かったので、強化された学校の裏門をひとっ飛びで乗り越えた。
悪魔が男に手を出そうとする瞬間、その場所に着き、ひと蹴りで五メートルの間合いを男の右横を通り過ぎ、真っすぐ詰めた。
雑魚悪魔1体の心臓を閃光が走るように一突き、
心臓から素早くナイフを抜き、悪魔の血が舞う。
それを華麗に避け、ナイフを少し下におろす。
それに続けて、右にいる悪魔に向けて左下から右上にナイフを振り下ろし、心臓を確実に通過させ血が勢いよく出る。その血が少し顔に付着する。
一体目に倒した悪魔を前方に蹴って、その後ろにいる悪魔に右上から左下にナイフを振り下ろす。三体目。
三体目の悪魔を地面に仰向けに左足で地面に押して、左右にいる四体目と五体目の心臓のある高さへ右手に握っているナイフを逆手持ちにした。
そのナイフを体を右にねじって水平に後ろまで構え、そのまま右から左の大振りの斬撃をお見舞いして、心臓を確実に切った。
あまりのハイスピードに少しだけ息を荒くして、ナイフを下ろした。そのトワのナイフは悪魔の血で濡れていた。
後書きが、書くことが、ない!(ドン!)というわけで、テストが終わって、時間が経ちます。結果が返されましたが、まぁ、普通でした。悪くなくて良かったです。




