第十七話 友達
すいません、遅れちゃいました。
ガツガツバクバク、まるでそんな効果音が聞こえてくるような感じで食べている三人がいる。相当お腹が減っているのか、話声はあまりしない。そこに1人の少年がやってくる。段々と近づき、声をかけた。
「よぉ!お前ら!この我の為に戦力を増やしてくれたことを感謝しようじゃないか!ハーハッハー!」
三人は変わらず米とカレーとカツを口にかき込む。随分と美味しそうに食べている。声をかけた少年は無言で飯を口に運ぶ三人の反応がないことを確認した後、もう一度言った。
「よぉ!お前ら!この我の為に戦力を増やしてくれたことを感謝しようじゃないか!ハーハッハー!」
しかし、反応がない。あいも変わらず食べている。
ものすごく美味しそうに食べている。既に昼食を取った少年は、お腹が空いたように感じた。
「おい!何か言えよ!」
少年がそう言った後、口の中にあった食べ物を咀嚼して飲み込んだ。そうしてトワは口を開く。
「お前誰だよ?」
その言葉にポカンとしながらも、その質問に答えた。
「漆黒のダークネスだよ!忘れたか!」
そう言われた後、三人は互いに顔を見合い、確認を取るような感じで頷いた。
「「「分からん。」」」
「今の感じでわからねぇのかよ!!」
少年はツッコんだ。そこで三人は思い出したのか、ハッとしたような表情をした。
「「「佐藤太郎か!!」」」
「やめろ!」
その少年、佐藤太郎は言った。
「で、何しに来たんだよ。俺達は一刻も早くこのカツカレーの美味さをまた噛み締めたいんだけど。」
カレーの匂いが鼻の中を満たし、食欲の尽きないトワが太郎に少しうんざりしながら言った。
「何って、特に何も…………。強いて言うなら、挨拶?」
「何でお前が疑問形なのか分からないが、それが挨拶なら、相当人と関わるの下手だろ…………。」
トワは呆れた。
「いや、本当に何しに来たんだよ…………。」
傘都も呆れている。ヒカルは何も言わずにカツカレーを再び食べ進めた。
「いいだろ!理由がなくても、来ちゃ駄目なのかよ!」
太郎は開き直った。2人は頭の中で、えぇ?と困惑している。ヒカルはカツカレーを食べている。そこで気づいた傘都はヒカルに声をかけた。
「いや、勝手食い進めるなよ。」
「だって、カツカレーが早く食いたかったから。」
「だってじゃねぇだろ。確かにこの厨二病はうざいしよく分からないが流石に勝手に飯を食うのは…………。」
傘都がヒカルに諭した。
「そうだな……、俺が悪かったよ。」
「ふっ、分かればいいんだよ。」
まるで前世からの親友のような感じで会話をする。
トワはそれに感動している。
「いや誤魔化せねぇからな!お前さらっと俺のこと馬鹿にしてただろ!」
太郎が違和感に気づいてツッコむ。傘都とヒカルはバレたか、というような顔をした。
「お前らコントすんなよ。」
トワが呆れる。
「それと、いつもの一人称はどうした?何処行った?」
続けてトワが言う。
「お前らのせいだよ!」
太郎は再びツッコんだ。三人は、こいつ、意外とノリいいんじゃね?と思い始めた。それに気づいてからは行動が早く、ありとあらゆるボケをかましてそれに太郎がツッコむ。そんな事をカツカレーを食べながらしていた。
まぁ、トワ達ボケ陣は三人いるのにもかかわらず、
ツッコミ陣の太郎は一人しかいない。となれば疲れ始めるのは当然太郎の方だろう。散々ツッコミをしてきた太郎は三十分後には既に息切れを起こしていた。
因みにちゃんとカツカレーはちゃんと食べて片付けまでした。
「おま、えら、ボケ、すぎ、だろ。」
肩で息をしながら太郎は言葉を絶え絶えにした。
「おいおい、そんなに疲れてどうした?」
トワがいたずらのような笑みを浮かべた。
「お、まえ、らの、せ、いだ、ろ………。」
太郎がまるで今にも死にそうな声でツッコむ。
「そうなのか、わりぃわりぃ。」
トワが全く悪びれる様子も無しに言った。
「まったく、悪び、れて、ねぇじゃ、ねぇか。」
「悪びれてるに決まってるだろ?なぁ、お前ら?」
トワが傘都とヒカルに訊いた。
「そうだぞ、ちゃんと悪びれてる。」
ヒカルが肯定して、
「そうそう、ヒカルの言う通りだ。」
傘都頷きながら賛同した。
「本当に、悪びれ、てるなら、そんな事、言わない、だろ…………。」
未だツッコみすぎて肩で息をしている太郎は言う。
そんな状況でトワ達三人は愉しんでいた。
まるで新しいおもちゃを手に入れたかのように。
「いつまで経っても来ないと思ったら何をしてるの?」
食堂に現れたのはユキだった。その後ろからも人がやってきた。
「そうですよ、もう三十分以上は経ってるんですよ。本当に何をしてるのですか?」
後ろから来た人はサキだった。2人はその状況を見て、トワ達三人がずっとイジっていたのだろうと推測した。その推測した状況に呆れた2人はため息を吐いて、ユキは話し出した。
「もう、そこにいる、えっと、誰かは分からないけどイジるのはそこまでにして。心配したんだよ?何かあったんじゃないかって。」
その言葉に地味に傷ついている太郎を横目にサキも話し出した。
「帰ってきてから、どこで道草食ってるのかと思っていたら、まさか食堂にいるとは思いませんでしたよ。」
トワとヒカルは真面目にそれを聞いていたが、傘都は別の所で驚いていた。
―こいつ今、俺たちを心配した!?ありえない!?あのサキがだぞ!?いつも無関心な表情をしてるあのサキが!?こ、こいつ、本当にサキか……………?
傘都の心の声を感じ取ったのかは分からないが、サキの目は自然と傘都を睨んだ。サキは心の中で、
―傘都はどうせ、下らないことを考えているんだろうな。サキが俺たちを心配した?!みたいな事を。
どうやら、サキのその勘は当たっているようだ。
しかし、それの答え合わせをできる日はきっと来ないだろう。とまぁ、そんなこんなで話をしていた5人はすっかりその場にいる1人のことを忘れていた。
「おい!俺を空気にするなよ!」
忘れられていた太郎は5人に対して声を大きくした。
トワ、ヒカル、傘都の3人は、なんだ太郎か、と思ってはいたが、ユキとサキは誰だか分からないようで頭にハテナを浮かべている。
「えっと、誰、ですか?」
失礼のないようにユキが訊いた。またしても心にダメージを負う太郎。忘れられてることがそうとう心に来たのだろう。
「わ、我は、しっ、漆黒の、ダークネスだ………。」
なんとか表面上でも取り繕おうと、いつもの様子で再び語りかけた。それでも分からないようで、ユキはサキに静かに訊いた。
「ねぇ、この子誰だか分かる?」
「いえ、私もピンと来ないのですが…………。」
そんな会話をしていて、なんとか思い出そうと、2人は頭を悩ませた。
「う〜ん、確か、さ、佐竹?いや、佐切?」
ユキがまずは苗字を思い出そうと必死に頭を回転させる。
「佐奈?佐美?…………佐藤?佐藤です!佐藤ですよ!」
サキはなんとか苗字を思い出すことに成功した。
次は名前を思い出そうとしてる。
「みつき?ミナ?う〜ん、分からないよ…………。」
ユキはギブアップしそうになる。
「……………………そうだ!太郎です!」
サキは黙るほど集中して思い出せた。この2人の会話は2人にしか聞こえない程度で話しているからか太郎には聞こえてない。
待っている間、太郎は少ししょぼんとしていた。名前を忘れられたのがよほど悲しかったのだろう。
そうして、苗字と名前を思い出せた2人は自信満々に答えた。
「「佐藤太郎(君です)(です)!!」」
「ぐはぁ!」
太郎は本名が弱点のようで、まるで口から血を吐く様な勢いで、心に更にダメージをうけた。
ユキとサキは悪意もなく、トワ達を含めた5人に太郎はイジられ続けるのだった。
まずは、遅れてすいません。テスト期間だったもので、どうしても書けませんでした。うん?テスト?聞かないでください。そういうわけ?で、次回の投稿は土日のどちらかになると思います。この土日に投稿できるように私も頑張りたいと思います。




