第十四話 到着
どうでしたかな?かなり、着物と袴について調べました。それでは本編へどうぞ!
「なんか、前と違って、悪魔がすげぇいないな。」
ヒカルが昨日のことを思い出しながら言った。
「そうだな、前は4体とか普通にいたのに。今日は1体も会ってないな。」
トワが共感した。あれからというもの、学園長からのスマホの地図を頼りに外に出て、祖月輪組に向かっている真っ最中である。
「前はそんなに悪魔がいたのか?」
傘都が訊いた。
「嗚呼、前は4体同時に現れてな、俺とヒカルとユキで逃げ回ってたんだ。結局、普通に倒せたけど。」
それにはトワが答えた。その答えを聞いて何やら思いついたのか傘都は言った。
「あれ?ヒカルさん?確か昨日、流石、逃げてた本人が言うと違うねぇ、とか言ってませんでした?あんなに煽ったのに?あれ?」
まるで弱点を見つけたかのように傘都はヒカルを煽った。
「すまん、トワ、お前にも罪をかぶせることになる。」
ヒカルは真剣に言った。
「………聞くのが馬鹿らしいが、何でだ?」
「………だって、こいつの死について隠蔽しないと問題になるだろ?トワにはそれを手伝ってもらうからな。」
ヒカルは少し申し訳なさそうにそう言った。トワは呆れたのか、何も言わずに歩を進めた。
「いや、待って?否定して?俺達親友だよな?」
傘都がトワに言った。
「………いや、だって、面倒くさいし。」
「面倒くさがらないで?それとヒカルを止めて?
俺マジで死ぬかもしれないから。」
隣りにいるヒカルの殺気をもろに受け、背筋が凍るような思いで、冷や汗をだらだらかきながら言った。
「………冗談だよ。だから、そんなに怖がるなって。」
ヒカルが優しそうに言った。その裏の黒い感情を顔に出しながら。
「待って、隠せてない隠せてない!完全に俺を殺る目をしてる!してるって!」
傘都がそれに怯えながらトワに助けを求めた。
「トワ!助けてくれ!」
「………………………。」
「無視するなよ!親友の命の危機だぞ!」
傘都が今にも泣きそうな顔でトワにすがりついた。
「………はぁ、分かったよ。ヒカル、その辺にしろ。こいつが情けなくて仕方がない。」
トワが諦めたのかヒカルに言った。
「………チッ。おけおけ、分かった。」
またしても優しそうな顔で言った。
「ねぇ今舌打ちしたよね!今したよね!それとトワもトワで擁護できてないからな!」
傘都は色々忙しそうにツッコんだ。そんなこんなで三人はふざけながらも着実に組の在処へ進んでいた。そして気付いたら古風な日本屋敷についていた。
「………なぁ、傘都………頼んだ。」
トワが傘都に言った。
「いや待て、俺に死ねと?」
「大丈夫だ、学園長も言ってた。危険性はゼロだって。」
トワは笑顔で言った。
「いや、学園長は危険性がゼロではないって言ってたよな?!学園長の言葉、改ざんすんなよ!」
またしても傘都がツッコんだ。
「…………さぁ、何のことやら。」
わざとらしく腕を頭の後ろに組んで口笛を吹きながら誤魔化した。
「それでは誤魔化せねぇからな!?」
本日3回目のツッコミが出た。
「まあまあ、我儘言うなって。お前なら大丈夫だって、俺は信じてるから。」
ヒカルは棒読みで傘都に言った。
「わざとらしすぎだろ!それとお前はちゃっかりついさっきの恨みをここで晴らそうとするな!?」
そうツッコミを入れた後、ぜぇぜぇと軽い息切れを傘都は起こした。
そんなふうに大きな声出したら当然――その中にいる人にもバレるわけで。ガチャン、と三人の前にある縦が2m30位ある門が開いて、どう見てもThe、893にしか見えない風貌の大男が2人出てきた。三人の喉が同時に鳴った。体をピクリとも動かさずに、いや、動かせずに、三人は男2人の風貌に気を取られて声が出せずにいた。そんな中、男達が三人に対して言った。
「「入れ。」」
◆
「それで、餓鬼共、何しに来た?」
三人は敷地に入った後、ヤクザの組員の一人に訊かれた。最初は3人とも萎縮して言えなかったが、トワが勇気を出して口を開いた。
「く、組長に、会いに来たんです。話したいことがあるから。」
「ほう、それで?話したいことは?」
今度はもう片方の顔に入れ墨が入っている男が訊いた。
「簡単に言えば、仲間に、なってほしいんです。」
トワが少しリラックスしてゆっくり話した。それを聞いた2人の男は数秒間、黙って次の言葉を口にした。
「少し待ってろ。」
そう言い終わった後、男2人は日本屋敷の中に入っていった。そうして、待つこと数分。再び男2人が出てきて、トワ達三人の前に立って言った。
「組長からの命令だ。連れてこいってな。」
そうして三人は日本屋敷の中に入り、廊下を進んでいた。三人はその廊下を歩いていて気付いた。
これ、一つ一つで何千万するんだろ、と。
というのも、この廊下には様々な絵画や壺などが置かれている。しかも、見るからに高そうなものばかり。
それに気を取られている内に、いつの間にかとある部屋の前に来ていた。その部屋の襖には色とりどりの金などで華やかに描かれている絵が堂々とあった。それが一つではなく、全てにだ。それらもしっかり見れば細かく描かれている。まるで魂が込められてるかのように。
すると、男2人が襖を3回叩き、失礼します、と言った。その襖が開けられたのと同時に黒の木瓜紋が五つ入った紋付羽織袴を着た中年と高齢の間にあるような男の人が座っており、濃い紫の生地に白鳥が描かれていて、男のより小さい家紋が五つある色留袖を着た中高齢の女の人がその男の隣には立っていた。
その姿を見た三人は自然と目が奪われていて、美しい、と、感じていた。ピクリとも動かない三人を不思議がって組長と思われる男が三人に言った。
「ガキ共、大丈夫か?」
それで自分たちが失礼なことをしていることに気づいて、すぐに返事をした。
「す、すいません。つい、そのお姿に見惚れていて。」
世辞でもなく、そう言うトワに中高齢の男女2人は少し口角を上げた。
「そうか?そんなに見惚れてたか?それは何とも嬉しいことだな。そう思うだろ?久美子。」
男は久美子と言われる女性に対して訊いた。
「えぇ、そうですね、旦那様。」
久美子はそう返した。
「世辞の言えるガキじゃねぇか。気に入った。そこに座れ。3人共だ。」
旦那様、もとい組長はどう見ても高そうなソファを指さしてそう言った。遠慮しようとした三人だが、組長の機嫌を損ねては駄目だ、という考えが頭によぎったのでそのまま素直に座ることにした。
「それで、仲間になってほしいって?そこの奴らから聞いたが。それはどういうことだ?」
組長は優しく威圧感を出さないように言った。
「ひとまず、取り計らってもらい、ありがとうございます。それでは、本題に移ります。私達は西港旋律学園から来た者です。」
ひとまずそこまで言った。
それに続けて、
「学園ではあまり、戦える人が少なく、大量の悪魔が押し寄せてきたら負けてしまうほどです。ですから、少しでも戦闘経験のある祖月輪組の皆さんに助けてもらいたく、参りました。」
そこまで言った。
「なるほど、筋は通ってるな。嘘をついている様子もない。信じてもよさそうだ。」
組長はトワを全身見てそう判断した。
「まぁ、そこまで言うんだ。答えは一つだな。」
組長は隣りにいる久美子に視線を送り、それに気づいた久美子は静かに頷いた。トワ達三人は固唾をのんだ。
「その件、受け入れよう。」
一言そう言った。
※色留袖 既婚者の女性が着る正装の着物
※紋付羽織袴 男性の正装
どうでしたかね、是非よかったら感想などお待ちしております。




