体力づくり
今回は特に何もないので本編へ、どうぞ!!
「俺たちに足りないものはなんだ?」
教室の隅で傘都、ヒカルを交えてそう訊いた。
「何がって…………………………色々?」
ヒカルが答えた。
「俺は……………戦力?」
傘都はそう答えた。
「ヒカル、それを言ったらおしまいだ。傘都、確かにそれも足りない。
だがな、一番足りないのは俺たちの体力だ!!」
トワが自信満々に言った。それを聞いた二人は少しの間ポカンとしながら微妙な反応をした。
「まあ、それも確かに足りんが、それよりも足りないことがあるだろ。」
ヒカルは冷静にツッコんだ。
「そうだぜトワ、ヒカルの言うとおりだ。別にそれはそこまで重要じゃないと思うんだが。」
傘都もそう言った。
「はいはい、正論は受け付けてないからね〜。そういうわけで体力づくりをしたいと思う。君たちもやりたいよな?」
トワが訊いた。
「「いや、俺はいいよ。」
二人して言った。
「オッケー、2人ともやるのな。じゃあまずは走り込みからだな。」
「「話を聞け!!」」
「なんだよ……………そんなにカリカリしちゃってさ。カルシウム不足か?」
「「お前のせいだよ!!」」
「あ、またハモった。」
呑気にそんな事を言うトワ。それに続けてトワは言った。
「確かに、それよりも大事なことはある。でもな、結局俺たちが戦うことはこれから多くあるんだ。その中でも連戦なんてものもあるだろう。その時になって、体力切れで死にました〜、なんてことがあったらどうする?そうならないために体力づくりは大事だと言ったんだ。分かったか?」
トワはついさっきまでのおふざけモードとは違って真面目に説明した。それを聞いて納得した二人は分かった、と、少し不満げに口を開いた。
「それとよ、トワ。そういうことなら最初から言え馬鹿。」
ヒカルが言った。
「悪い悪い。ついな。」
「ついな、じゃねぇんだけどな。」
額に青筋を浮かべてヒカルは言った。
そんな会話をしながらも足は下駄箱の方に行っており、上履きを脱ぎ、靴に履き替えて校庭へと三人は歩いた。そうして、校庭についた三人はトラックの中にいた。
「えっと、トラックが1周あたり200mか。じゃあ、5周くらいする?」
トワが訊いた。
「まあ、そんくらいが丁度いいな。」
傘都はそう返した。
「マジで?マジで言ってる?これが丁度いいってなんだよ。おかしいのか?」
ヒカルはまたしても冷静にツッコみ、そこで気がついた。そういえば、コイツら体力測定で上位にいた、と。因みにヒカルは普通くらいで、体力測定では大体5か6くらいに収まる。
それに比べてトワと傘都は普通に9、時には10を取るような化け物である。
「待て待て、お前ら体力オバケと普通の俺を比べるな。俺がついていけねぇだろ。」
「何言ってんだ?お前なら大丈夫だろ。モーマンタイ、モーマンタイ。」
トワが言った。
「お前は何処をどう聞いてモーマンタイと言ったのか2000字で書いてこい。」
「読書感想文かな?」
今度はトワがツッコんだ。
「まあまあ、そう言わず走ろうぜ?ヒカル。」
傘都がヒカルの肩に手を置いて言った。
「いや、走ることには問題ねぇんだ。けどな、いきなりトラック5周は凡人の俺からしたらキツイったらありゃしねぇ。分かったか?傘都。」
諭すようにヒカルは言った。
「悪魔に怖気づかずに倒せてる時点でお前は凡人じゃねぇだろ。」
今度は傘都がツッコんだ。
「流石、逃げてた本人が言うと違うねぇ。」
少しうざったらしい顔をして言った。
「ぶちのめすぞ。」
額に青筋を浮かべて握った拳を見せながら傘都は反応した。
「変なことしてないで速く走るぞ。」
トワが二人に言った。
「マジで?俺本当に5周走るの?」
「当たり前。」
トワがそう返した。
「………………分かったよ!!走ればいいんだろ、走れば!!」
ヒカルはヤケクソに言った。その反応を見てトワと傘都は満足そうな顔を浮かべた。そうして三人はスタートラインにつき、横並びに並んだ。並んだことを確認したトワはよーい、ドン、と言ってその瞬間三人は走り出した。しかし、当然全速力で走ってるわけではない。それなりに早いスピードで走っている。
「おい、お前ら速いって。」
ヒカルが息を少し上げながらそう言った。
「そうか?そうでもないだろ。」
トワが当然かのように答えた。それに傘都も同調してた。しかし、どんどん走っていけば体力は切れるというもの。あれだけ余裕そうにしていたトワと傘都はきつそうな顔をして走っていた。因みにヒカルはきつすぎて無言で、トワ達2人と同じスピードで走っている。
それに2人は凄いな、と感心しつつも足を止めない。やがて4周を過ぎた頃からヒカルの様子が変わった。
2人のスピードについてこれなくなっている。
まあ、体力が普通の奴と化け物を比べたら当たり前なのだろうが、よく4周も持ったものだ、と、2人は感じた。しかしその時、ヒカルが力を振り絞ってトワ達2人に追いついた。2人は体力もあまりない状態でありながらも驚いたような表情をした。
そうして走り終わった後、ヒカルは地面に倒れ込んで言った。
「ま、マジでキツイ……………。」
「よく頑張ったじゃ、ねぇか……………。気合い、入ってるな。」
トワはヒカルに対してそう労いの言葉をかけた。
「そうだぜ、ヒカル。よく頑張ったじゃねぇか。まさか、俺たちについてくるなんてな。」
肩で息をしながら傘都は言った。
「そりゃあ、戦闘時にお前らの、足は、引っ張りたく、ないからな……………。」
言葉も途切れ途切れで、肩で息をしながら言った。それに感心した2人は片方ずつ手を差し伸べて、その意図を理解したヒカルは両手で手を握り、2人は一気に引き寄せ、立ち上がらせた。
「流石に15分くらいは、休憩するか。」
トワがベンチのほうを指さして言った。それに賛成した2人はトワの言う通りベンチに向かった。そうして着いた三人は他愛もない話で盛り上がった。
休憩時間も終わりに迫り、また走ろうかと思っていた三人のところにとある人がやってきた。
「お~い、もう昼ご飯の時間だよ〜。」
そう言ったのはユキだった。ユキの隣にはサキもいた。それを聞いて走るのは無理そうだ、と、思った三人は互いに顔を向けて笑った。
「分かった、すぐ行く!」
初めに答えたのはトワだった。
「俺も!」
今度は傘都が、
「俺もだ!」
たまその今度はヒカルが答えた。三人は重い腰でベンチから離れ、ユキとサキのもとに行くのだった。
◆
「ここに集まってもらい、感謝します。」
学園長がそう言った。しかし、その顔にはいつもの笑顔はなくただ真剣な感じを醸し出していた。
「それと、すいません。彼らは今どこに?」
学園長が訊いた。
「トワ君達は、食堂で昼食をとっているようです。」
トウヤがそう答えた。
「そうか、なら大丈夫だ。鈴木先生、この後、彼らを呼びに言ってはもらえませんか?」
学園長は鈴木に訊いた。
「……分かりました。」
少しの間葛藤していたが、それでは現状を打破出来ないことを瞬時に理解したトウヤはそう言った。
「ありがとうございます、鈴木先生。」
学園長はトウヤに感謝を述べた。
「はあ、またしても彼らを頼ることになるとは、本当に大人失格だな。」
重苦しく学園長はそう言った。
いやぁ、本当に三連休は良いものですね。最高です。これで間章は終わりです。次に入っていくので安心してください。もしよければ感想など、お待ちしております。




