栄光なる剣
■◇■
光の剣が、巨人の腕を切り落とす。
魔術の支配を喪失した巨人の腕がガラガラと音を立てて落下していく。
栄光を齎す剣が徐々に輝きを失った後、二人の少女と片腕が舞台上に残される。
小さな少女が、大いなる敵と相対し相争う。
それはあたかも英雄譚の一節が如き光景であった。
「うわぁぁっ!?」
「―――〈魔血賦活〉、〈光剣〉!」
前のめりに体勢を崩す巨人。
落下していく腕を華麗に躱しながら、フェイムは追撃を行う。
強化魔術を付与し、〈光剣〉によって出現した魔術を振るう。
光り輝く剣は、先程の剣に輝きこそ劣っているものの十分な威力を有している。
〈栄光なる剣〉は強力な魔術だが同時に消費魔力も多い。
本来は多数の強化魔術を付与した上で使用する決戦用の魔術であり、緊急防御用の使用は本来の運用方法ではないのだ。
故に今回使ったのはより小回りの利く〈光剣〉の方であった。
「ま、護って!おっきい人!!」
咄嗟に命令を下すカレン・ラブロック。
その言葉に応じ、これまでカレンを守っていた片方の腕が光剣を迎え撃つべく手を伸ばす。緩慢に見える動きだが、その巨体はそれだけで距離を無為にしてしまう。
更に巨人の拳は大きく、そして硬い。
質量の暴力。魔術であり、魔術ならざる質量攻撃。
物質を生みだす類の魔術が多くの魔術師に攻撃方法として多用されるのは、単純な魔力防御だけでは防げないからだ。そしてこの拳もまたそうした類のもの。
押し潰されれば矮小な体躯のフェイム等ひとたまりも無いだろう。
観客が同じ光景を幻視する。
フェイムの肉体が巨人によって潰される姿。
だがその光景が現実となる前に……フェイムは魔術を行使する。
「ハッ!」
振るわれた光剣が拳と衝突する。
光が撒き散らされる様に輝き、剣と拳が拮抗する。
「―――っぅ!」
剣を通じてフェイムへと巨人の拳の重みが伝わる。
循環する魔力によって強化された身体能力とはいえ、〈三重土壁〉による防御でも防ぐ事の出来なかった攻撃である。
フェイム一人の腕力では到底耐えられる筈も無い。
文字通り、巨人に人が挑むようなものだ。
それでも拮抗状態にあるのは、互いの魔術の性質が理由であった。
〈光剣〉は物理的な実体の無い剣。濃密な魔力によって形作られた光の剣だ。
故に現在光剣が衝突しているのは巨人の拳を構成する物質そのものではなく、巨人の拳が纏う魔力であり魔術。剣が当たっているのは物質ではなく魔力の構造なのだ。
それ故、剣を伝う重みも純然な拳の重みでは無い。
そうでなければフェイムの細腕で耐える事は一瞬であれ不可能だっただろう。
「〈身体強化〉〈閃光強化〉―――」
しかし手に入れた一瞬の時間。その時間に、フェイムは重ねて魔術を発動させる。
身体能力が強化され、魔術の出力が向上する。
筋肉は熱を帯び、より活発に動かんと力む。
光の剣はより輝きを増して、拳の表層を焼け焦がさんと熱を帯びる。
だがそれでも拳の重みは圧倒的である。
緩やかに、だが確実に拳は下降しフェイムを圧壊させんと動く。
残り時間は数秒と無いだろう。
だからこそ、
「―――〈栄光なる剣〉!!」
フェイムは二度目の〈栄光なる剣〉を発動させる。
拳を受け止める〈光剣〉を握る手とは別の手の中に現れる栄光なる剣。グロリア帝国皇族家に伝わる血統魔術が一つ、栄光なる輝きを宿す皇帝の剣が顕現する。
フェイムは、剣を再度振るう。
剣の切先の延長線。その軌跡に沿って切断される巨人の腕。
二本目の腕は前腕の半ばで切り落とされ、一本目と同じく地面へと落下する。
その直後、勢いよく駆け出すフェイム。
落下していく腕を躱し、時に軽やかに乗り越えて駆ける。
向かう先は当然、守護の腕が無くなり無防備になったカレンである。
「え、えぇぇぇぇぇ!!こ、壊れちゃった!!??」
二本目の腕が切り落とされた事に、驚き慌てるカレン。
彼女の眼には、やっとの逆転の一手が簡単に潰されてしまったかのように映っている事だろう。それを証明するように、切断された両腕はピクリとも動かなくなってしまっている。
だが実際は逆。内心で焦っているのは寧ろフェイムの方だ。
(想定よりも消耗が激しい……!もう一度あの巨人を出されたら……!)
カレンは気が付いておらず、フェイムだけが気が付いている事。
本来は逆の筈の関係だが、今この試合に限っては成り立っている。
それはカレンの魔術はカレン本人が発動させているのではないという事。ここまでの言動から彼女は自分が何故か発動させられたのだと考えているようだが、それは勘違いであるという事。
カレンの魔術に頼っていない以上、あの巨人は再び構築され動き出す可能性は十分に高い。いや、ほぼ確実に再起するであろう。
そもそも魔術によって操られているのだから、腕を切られただけで全体の動きが停止する筈も無い。停止しているには何らかの理由が存在する筈だ。
しかし、フェイムにその訳を追求する猶予は最早残されていない。
フェイムはあの巨人が一度きりのものである事に賭けて駆ける。
「〈斬撃強化〉―――〈二重光剣〉!!」
「う、うぇぇぇええぇぇぇ!!」
〈栄光なる剣〉を除けば間違いなく今日一番の威力。
二重に重ねられた光の剣の剣身は丁度二倍程度の長さ。
中距離からの攻撃。狙うはカレンの首元ただ一点。
ナルミ・アズバードの時と同じく、対戦相手が降参を宣言する事でも試合は終了する。首元に剣を突き付けられれば幾ら魔術師とはいえ首を切られる方が速い。
魔術戦において素人のカレン・ラブロックにだからこそ通じ得る不殺の攻撃。熟練の魔術師からすれば簡単に意図を見切られてしまうであろう一閃。
光が輝き剣は流れるように一点へ。
フェイムは剣が到達する一瞬前、光の中でカレンが目を瞑っている姿を垣間見る。
フェイムは疲労を実感し、終わりを実感し、そして。
―――キィン!!と音が響いた。
「……へ?」
「―――っ!」
剣を受け止めたのは土ではなく石の壁。
先程よりも強固な石壁が、反応できなかったカレンに代わって攻撃を防いでいた。
(どういう事……!?まさか、本当に無尽蔵だとでも!?)
咄嗟に飛びのいて距離を取ってしまうフェイム。
一瞬遅れてそれが悪手であったと自覚するが、思考を分析に切り替える。
(……落ち着こう。あれは腕ではない。ただの壁)
カレンがこの試合で見せたでたらめは二種類だ。
一つが〈光環〉からカレンの身を護った防御、土の壁。
そしてもう一つがカレンを庇い、フェイムを襲った石の巨人。
この二種類だ。
(あの時の〈光槍〉よりも〈光剣〉の方が威力は上。でも今回は巨人ではなく、壁が彼女を護った……。つまり攻撃の威力によって反射的に魔術が発動してる訳では無い……?)
カレンの不可解な防御の発動条件を推理したフェイムは、威力の境界線を探り、その結果ギリギリ意識を奪わない程度に調整した〈光槍〉を使った。
そうすれば防御魔術の判定をすり抜けられると考えた為だ。
結果として〈光槍〉からカレンを護ったのは、あの石の体躯を持つ巨人。
そして今、フェイムの〈光剣〉を防いだのは土壁でも石の巨人でもなく石の壁だった。一般的な魔術で言えば〈石壁〉と殆ど同一のものである。
これらの事から新たに考えられる魔術のタネは二つ。
一つは、やはりあの巨人が無尽蔵に造りだせるものではないという事。
現状で巨人が復活していない事から、そうではないだろうと予測していたとはいえ、これはフェイムにとっては僥倖であった。
時間が経過すればどうなるか分からないが、カレン自身が魔術の全容を把握していない以上、暫くは現れないと見ていいだろう。
しかし問題はもう一つ。これは懸念とも言うべきもの。
それはカレンの魔術が、そう単純な仕組みで動いている訳ではないという事だった。
(……眼を使えば、盤面は覆せる。間違いなく、優勢へと転じる事ができる。でも……この後の試合に再装填は間に合わない。この札無しで……彼女は倒せる程甘い相手ではない)
今もフェイムの眼には確かにカレン・ラブロックの姿が映っている。
どう見てもカレン・ラブロックは疲労していない。疲れていたとしても、それは少なからず身体を動かしている事の作用ではあって、魔術を行使しているからではない。
確かに眼を用いれば、現状を打破できるだろう。加えて、フェイムにはまだ幾つかの手札が残っている。
だが……使えない。
何の為にここまでの試合を瞬殺で片付けて来たのか。それは一重に、彼女に手の内を見破られない為。
ここで手札を切れば、間違いなく次の試合までに対策がなされてしまう。
「……〈生命強化〉」
フェイムは自身を落ち着かせるように生命力強化の魔術を使う。ナルミ・アズバードは自身の操る植物に向けて使用していたが、当然魔術師本人にも使用可能だ。
その効果は文字通りの生命力の強化。治癒力は向上させ、基礎身体能力を底上げし、肉体的な弱みを軽減する。
だが代償はある。
魔術とは使用に際して魔力と共に体力も消耗するものだ。これは魔術を行使する上で、半ば避けられない事でもある。
それ故に、回復魔術と呼ばれる類の魔術の多くは他者への使用が根底に存在している。肉体的な重傷なら兎も角として体力を回復させる為にそれ以上の体力を消費するのでは意味が無いからだ。
自身の魔術によって自身の体力を回復させる為には特別な魔術が必要となる。
そして〈生命強化〉では一時的に疲労感を忘れさせる事は出来ても根本的な体力の回復は行えていない。込めた魔力分の効果時間が終われば、一層の疲労が彼女を襲うだろう。
時間は、猶予は、余裕は、残り僅か。
だがそれ故に、フェイムは語りかけた。
「驚きました。まさかこんな魔術を隠し持っていたなんて。どこでこの様な魔術を?」
「あっ!そ、その手には乗らないよ!」
ビシィッ!と擬音が付くような仕草でフェイムを指さすカレン。
だがその警戒も当然だ。フェイムには前科が存在している。
だがだからといって、「はいそうですね。すみませんでした」とはならない。
「……安心してください。これは本当に単なる好奇心です。突然何か気になって仕方なくなる……そういうこと、ありませんか?」
「あるある!すっごく良く分かる!!……でもそれでいっつもパパに怒られるんだよねぇ……」
ちょろい。と内心で思いつつ、フェイムは続ける事にする。
そも、フェイム・アザシュ・ラ・グロリアという人間は真っすぐで善良な人間だ。
搦め手を用いる事もあるが、それも目的を達成する為。
今述べた好奇心という言葉も、先刻の問いも紛れもない本心である。
「……それで、話してくれませんか。どこで、この魔術を覚えたのかを」
普通他の魔術師に、そもそも初対面の人間に自身の切り札をベラベラと話す人間は居ないだろう。論文を執筆する最高学府の魔術師とて、真の秘奥は自身の為に秘匿するものだ。
だがフェイムはこの試合中に、カレンの性格知り、彼女ならば素直に話してくれるだろうと読んでいた。魔術師として素人というのはこういう部分でもだ。
だが、口を開いたカレンから望む答えを得る事は無かった。
「いやーそれが私も良く分かんなくて……。なんかぐわっと急に!」
「ぐわっと、急に」
「そうそう。だから実はあんまりよく知らなかったり…………あっ!もしかして」
「……もしかして?」
何かに思い至り、はっとした表情になるカレン。
それにフェイムが追求すると……。
「私ってめちゃくちゃ天才なのかも!?」
「……………………」
たっぷり五秒間の沈黙。
ここに来てのこの発言。
彼女は天才なんてものじゃない。
天才とはクリスタル・シファーやナルミ・アズバードの事を指す言葉だ。
彼女は言うなれば、異才。
人とは異なる才覚を持った者。
そんな今更の発言にフェイムは驚き半分、呆れ半分で沈黙してしまう。
「うん、絶対そうだよ!今までの試合だって勝てて来たし!うおー!やる気が湧いて来たー!!よーし!こうなったらぜーったい優勝しなくちゃね!行くよおっきい人!」
「何を言って……っ腕が!?」
これまで沈黙を保っていた巨人の腕が再び動き出す。
落下した自身の残骸を取り戻し、腕を再構築していく。
生えた腕は―――四本。
元々存在していた二本に加えて、新たに二本。
加えて、今まで見えていなかった上半身が姿を現す。
地面から這い出してきらそれは、正しく巨人。
それは頭部の存在し無い、四つの巨腕を携えた巨躯の異形であった。
「腕が無ければ生やせばいいんだもんね!賢い、おっきい人!」
「そんな無茶苦茶な……!」
無茶苦茶だが、理には敵っている。
魔術なのだから、無機物の巨人なのだから腕が四本あったとしても問題は無い。
四つの腕が迫る。
巨大な拳は、最早舞台上の全てを埋め尽くさんばかり。
拳の雨が、降り注ぐ。
「〈身体強化〉〈風纏足〉〈光剣〉!」
「やっちゃえぇ!」
身体強化の魔術を再使用し、そして敏捷を強化する魔術も併用する。
フェイムの足に纏われた風が、振り下ろされる拳を紙一重で回避させる。
フェイムのすぐ横には拳によって凹んだ、舞台の姿。
もし一瞬回避が遅れていたのなら、下敷きにされていた。
「避けるなんて卑怯だよ!」
「避けるに……決まっているでしょう!」
「なら、薙ぎ払っておっきい人!!」
号令に応じ、腕が動く。
方向は水平。横薙ぎに振られる四つの巨腕。
フェイムの体躯から考えれば、それは最早大きな壁だ。
避けられる隙間は―――上空。
「〈飛行〉!」
「あっ!飛んだ!!狡い!」
「清々しい程こちらの台詞です―――よ!」
舞い上がったフェイムは魔術を操作し、移動する。
〈飛行〉は魔力消費こそ大きいものの、その分だけ自由に空中を移動できる。
滑空するように、一直線にフェイムはカレンの下へ飛ぶ。
手には〈光剣〉が握られている。
回避に専念し、まだ一度も衝突を経験していない剣は未だ輝いている。
(遠距離戦では勝ち目は無い!懐に飛び込んで―――魔術師本人を叩く!)
召喚魔術や自動人形を操る魔術師との戦闘における定石の一つ。
従属物が幾ら強大であろうと、それを操る魔術師が倒れれば元も子もない。
この巨人がカレンによって造られているものではない以上、カレンを倒したとしても巨人が停止する可能性は低いかもしれない。
だがこれはあくまで大会の試合。
巨人が稼働していようと、魔術師本人が倒れれば敗北なのだ。
あと少し、あと数秒。
剣が届こうとするその時、
「〈火球〉!」
「―――っ〈水壁〉!」
カレンが〈火球〉の魔術を行使する。
自在飛行を可能にする〈飛行〉とはいえ、勢いをすぐに殺す事は不可能。
直撃を回避する為、咄嗟にフェイムは分厚い水の壁を空中に出現させた。
爆発音が響く。それは一瞬で水分が蒸発させられた音。
辛うじて直撃を避けたフェイムは、空中に静止する。
(……失念していました。あの巨人は彼女の命令で動くとはいえ、あくまで『何か』が発動させている魔術。彼女は彼女で魔術を使う事が出来る……!)
複雑かつ巨大な魔術を使用すれば、誰であってもそちらに魔力と意識を割かれる。
魔術の仕組みによって様々だが、基本的に異なる魔術を複数同時発動させるというのは高等技術である。順番に発動させる事はできても、完全に同時は難しい。だからこそ魔術陣という技術が優れており、ゼルマの疑似的な同時発動が一定の評価を受けたのである。
飛行魔術が高等魔術とされているのは連続的な使用に伴う魔力消費の大きさに加え、基本的に他の魔術を併用するものであるという事も一因だろう。
〈飛行〉はある程度自動操縦化されているとはいえ、フェイムは現在進行形で莫大な集中力を使っている。
(まさか……本当にここまで苦戦する事になるなんて)
大きな疲労感の中で、フェイムはカレンの事を文字通り見下ろす。
そこには一生懸命で、純粋な少女の姿があった。
その姿が、まるで―――。
「謝罪させて下さいラブロックさん。正直に言って、私は少し油断をしていました」
「え、急にどうしたの。謝罪?それに油断って?」
不思議そうに首を傾げるカレン。
「私は試合が始まる前も、始まってからも貴女ではなくその後ろにあるものを見て戦っていました。無意識に油断してしまっていたんだと思います。無礼な行いでした。すみませんでした」
フェイムが空中で頭を下げる。
体勢の都合上、ほんの少しだけだが、十分に謝罪の格好だ。
それはフェイムの本心からの謝罪であった。
奇しくもゼルマがクリスタルから受けたもののように。
天才が生まれながらにして持っているが故の、無意識の傲慢。
それを謝罪した。
「そんなの全然当然だよ。だって私なんて皆に比べたらまだまだだし!それに、フェイム……ちゃん?さん?はすっごい魔術師だし!」
「本当に純粋な人ですね……。ですが言わせてください。本当にすみませんでした。……ここからは……私の全身全霊で臨ませて頂きます」
「―――うん!!」
ああ、そうか。
彼女は始めたばかりなのだ。
魔術師の始まりは全員違う。
終焉を嘆く故の始まりもあれば。
希望を望む故の始まりもある。
純粋無垢な笑顔に、十全に答えなければ。
彼女の中に流れる栄光の血脈が、そう吼える。
「祖は高く、貴き王。光を纏いて君臨せし、王の中の皇。天より降り立ち、地を治める光の王!」
其れは詠唱である。
荘厳であり、神秘的であり、栄光である。
具現する魔術式が幾重にも重なり、輪となって彼女を囲う。眩い光が、冷たい光が、優しき光が舞台を満たす。
皇女の肉体は高度制限間際に到達する。
眼下には四つの巨腕を溜める巨人の姿。
詠唱する傍らで、皇女は感謝する。
少女は応えた。
この一撃で雌雄を決する提案を呑んでくれた。
皇女を理解し、全力を尽くすと決めてくれた。
ならば当然、応えねばなるまい。
皇女は栄光の血脈。
その栄光に、一片の翳りもあってはならない。
その矜恃を捨て去ることは出来ない。
例え未熟な身であろうとも、彼女は誇りを携えて世界に立っているのだから。
「山脈の財宝、森林の智恵、都市の文明。その全てを治る王よ。栄華を極め、繁栄を約束せし栄光よ!我が栄光なる祖に今希う!!」
「行っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
彼女の手の中に一振の剣が顕現する。
いや、其れは最早剣と呼べるものでは無い。
それだけで済ませて良い筈がない。
かつての偉大なる皇帝が遺した栄光そのもの。
グロリア皇族家に受け継がれし血統魔術。
その真の姿。
「―――〈栄光なる皇剣〉!!!!」
栄光と巨人が衝突する。
光が満ちて、そして―――
■◇■




