表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マージナルヒーローズ  作者: ツヅミグサ
8/29

恐怖!アビスエール その1

こちらはルールブック掲載のシナリオを使用しております。

ネタバレ等ご注意下さい。

 ある休日、チバ市街を歩いていると若者たちが大人数で喧嘩をしている所に出くわした。それだけでも平穏でないのだが、彼らが口々に


「テラーのために!すべてはテラーのために!」

「すべてを破壊するんだ!テラーのために!」


 などと口走りながら破壊行為をしているではないか。『テラー』といえば、『S(スマッシュ)B(バッシュ)社』、『シヴァクゾーン』と並ぶ悪の組織だ。

 どう考えても何かある。というわけで若者たちをパパッと無力化して話を聞いてみると、


「豹柄スーツでサングラスの男に渡された飲み物を飲んだら気持ちよくなって……気づいたら暴れていたんだ」

「『アビスエール』だったかな、それを飲んだら『テラーのために!』って気持ちが沸き上がってきて……」

「なんだか分からないまま、暴れたくなっちまったんだ……」


 とのことだった。やはりテラーの陰謀だろう。とりあえずH(ヒーロー)A(アライアンス)に連絡を入れつつ、アビスエールの空き容器を回収、それから本部へと向かうことにした。



 HA本部に着くと総帥直々に今回のアビスエールの件の解決を任命された。この前のヒーロー(n a s a)とは別のヒーローが相方らしい。待ち合わせ場所の会議室に向かうと……


「こんにちは!”プリティホエール”こと全能(ゼンノウ)勇魚(イサナ)と使い魔の”テケリリ”です!貴女がヒーロー”マーキュリー”ですか?」


 快活そうな少女がいた。小学校高学年くらいだろうか、ヒーローに年齢は関係ないとはいえ随分若いなぁ……などと考えつつ情報交換をする。隣の不定形な玉虫色の生物は気にしない。

 勇魚ちゃんによると、アビスエールは栄養ドリンクの『ツカレトール』をベースとしたノンアルコールカクテルらしい。なぜそんなに詳しいのかと訊くと、


「近所のお姉さんがツカレトールの開発者なんです!それで最近悩んでいたので……」

 と。なんて健気な子なのだろう。


 ツカレトール自体に異常性はないことが検査で判明しているので、やはり混ぜ物が悪さをしているのだろう。さてそれでは何が混ぜられているのか調べるか、と腰をあげたところで、


「”マーキュリー”、”プリティホエール”。ツカレトールを目的とした強盗が発生した。至急向かってくれ。」

 との連絡が入った。なかなか落ち着けないものである。


 強盗の鎮圧は難なく終わった。やはり強盗はテラーの下級戦闘員だった。まぁ、ここで他の組織が出てきたらそれはそれで困るのだが。

 さて、強盗犯に話を聞くところによると、


「俺たちはアビスエールが欲しいんだよ!」

「ツカレトールを渡すとテラーの人からアビスエールがもらえるんだ」

「テラーのために!テラーのために!」

「アビスラッシャーさんが力をくれたんだ!それで無敵になって強盗したのさ!」

「テラーのために!テラーのために!」


 ……だそうだ。黒幕とおぼしき名前(アビスラッシャー)が分かっただけ上々だろう。強盗は警察に引き渡して調査を続けることにした。


 まずアビスエールの解析結果だが、ツカレトールにテラー因子を注入して作られていることが判明した。破壊衝動を励起させるテラー因子を用いることで暴れさせていたとのこと。

 またHA本部のデータバンクによると、怪人アビスラッシャーは豹を元にしたテラーの怪人だという。特殊能力として周囲のテラー因子を吸収して自身を強化できるのだとか。


 つまり、アビスエールを飲んだ市民が発するテラー因子を吸収してアビスラッシャーは強くなるのだ。戦闘員を増やしつつ自身も強化するとはなかなかやりおる。


 テラーの下っ端がアビスエールを飲ませる事件を追うこと数件、高笑いするアビスラッシャーを捕捉できた。どうやらテラー因子の吸収しすぎでハイになっているようだ。

「テラー因子が流れ込んでくる!やはりテラー首領は素晴らしい!!全てはテラーのために!!」

 被害が広まる前に急ぐこととした。


 現場に到着するとアビスラッシャーは理性を失っており、私とプリティホエールを見るや否や

「俺様は無敵だぁあ!!!ヒーローども、ぶっ潰してやる!!全てはテラーのために!!!」

 と襲いかかってきた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ