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マージナルヒーローズ  作者: ツヅミグサ
18/29

奪還せよ!愛に溢れたホワイトデー!! その2

自作シナリオです。

 資料を揃え、いざSB本社に突撃……しようとしたところで突如上空からルークドレインが飛び降りてきた。ついでに手下もワラワラ出てくる。


「おっと、ワタシ達の妨害はさせないワ!まだまだ愛情を集めなきゃいけないノ!邪魔するというならワタシが溜め込みに溜め込んだ愛情パワーで焼け死ぬがいいワ!!」


 そう言ってルークドレインは光をチャージする。こちらが臨戦体勢をとった辺りで光をぶちかましてきた。

「愛の奔流に呑まれるがいいワ!『スクランブルアタック』『レインボースクリュー』!」


 成す術なく光に呑まれる私達。光が過ぎ去ったあとにいたのは、装甲が半壊した私と、装備がボロボロになってしまったペングィンとコンビニャートであった。しかしコンビニャートが一矢報いた。

「お返しだ!『リベンジバイト』!!」

 そう叫ぶとルークドレインのアーマーも半壊した。いわゆるワンショルダーだ。誰得なのだろう。


 次に動いたのは、いつの間にやら翼を生やしていたペングィンだ。距離を取って魔法を放つ。

「いっけぇえ!『アイスアロー』!」

 魔法は命中。ルークドレインの装甲はもはや海パンとなった。


 落ち着く暇もなくポーンナインが攻め立ててくる。私に一人、ペングィンに二人だ。私は『追加オプション』で辛うじて回避できたものの、ペングィンは一撃もらってしまいそうだった。あわや戦線離脱かと思われたがマルケー(コンビニャートの一人)が庇ったことで致命傷は避けたようだった。


 サンクスとアイコンタクトを交わし、まずはポーンナインの数を減らすことを優先にする。サンクスは爪で、私はソードガンでそれぞれポーンナインを一人ずつ始末する。


 後回しにされたのが頭に来たのか、ルークドレインが私に

「食らいなさイ!ライクパァンチ!!」

 と拳撃を加えてくる。即座に『バリアシステム』と『オーラシールド』を展開してほぼノーダメージに抑える。


 お互いに距離をとり、一呼吸つく。ポプラ(コンビニャートの一人)が私の装甲を回復してくれる。

 次の一手を打つにも距離があるためどうするかと逡巡したのが悪かった。回復してシングレットになったルークドレインが


「距離をとったのは悪手ネ!ラブビィーム!!!」


 と極太ビームを撃ってきた。コンビニャートは余裕で回避、私は『追加オプション』のお陰で回避できた。ペングィンは逃げ遅れてしまった。しかし諦めてはいなかった。


「ゼロダメージ」


 そう呟くと彼の前に透明なシールドが現れビームを受け流した。そのまま軽やかな足踏みと共に

「『フェニックスホープ』!『アイスアロー』!」

 と言い回復しながらポーンナインを倒してしまった。


 これで残るはルークドレインだけだとコンビニャートは殴りにかかるも、ルークドレインは嫌な笑みを浮かべ

「『ナイトメアムーン』」

 と言い放つ。途端コンビニャートの動きが鈍化しルークドレインに悠々と回避されてしまう。


 とりあえず私は隙をみてルークドレインに斬りかかり装甲を海パンに戻しておく。どうせ回復されるだろうがやらないよりマシだろう。その後のルークドレインの攻撃をコンビニャートが躱したことでまた距離が空いてしまった。


「またまたいくワ!ラブビィーム!!!」

「させない!『ナイトメアムーン』!」

 割って入ったのはペングィンだった。お返しとばかりにルークドレインの動作を鈍らせる。


 再びお互いに攻撃し合うも皆回避を繰り返し再び距離が空く。ルークドレインはもうお約束と化した三度目のビームを撃ってくる。場所が良かったため私は大きく回避できたが、他の皆は食らってしまったようだ。


 しかし食らったおかげで距離は近い。コンビニャートは勇猛に殴りかかり、ペングィンは

「『アイスアロ』あぁっ!!」

 とあらぬ方向に魔法を撃っていた。なんとなくデジャヴ。

 サンクスが一撃を入れ、続けざまに私はも一撃を食らわすとルークドレインはふっ飛んでいった。直後、土煙の中から


「ワタシの愛の力はまだまだ尽きないワ!『フェニックスホープ』!!」


 と叫びピンピンしたシングレット姿でルークドレインが現れた。まさかフェニックスホープまで使えるとは。だがそろそろ手札も切れていることだろう、と気を引き締める。


 ラブビームはペングィン以外回避、返す刀でペングィンとコンビニャートでルークドレインの装甲を破壊する。ここの攻撃は外せない。私も切り札を切る。


「『グレイトサクセス』ッ!!」


 ついにルークドレインが明確に苦悶の表情を示す。この一撃でヘイトが私に向き、力の限りを込めたパンチを繰り出してくる。


「よくもこのワタシに傷をつけてくれたわネ!!『スーパーアタック』!!」


『バリアシステム』と『オーラシールド』をも貫通する渾身の一撃。流石に私の装甲も大破してしまう。そのままルークドレインはトドメと言わんばかりのビームを撃つ。


 私はなけなしの『追加オプション』で回避したものの、光の奔流が去った先には、何とか立っているコンビニャートと地に臥したペングィンがいた。

 ルークドレインはもう疲労困憊だ。サンクスが一気呵成に攻撃を仕掛ける


「ハマナスの店の恨みだ!受けとれぇ!『レインボースクリュー』!からの『スーパーアタック』!『獣爪牙』!!」


 だが、ルークドレインは耐えた。最早立っていられるのが奇跡なほどに傷つきながらも耐えたのだ。ソードガンでつつくだけでも倒れそうではあるが、念には念を入れてトドメを刺す。


「『リブートコマンド』『グレイトサクセス』」


 一閃。


「そんな……ワタシの愛が負けるはずないワァァ!!!」


 と言ってルークドレインは爆発した。彼を倒したことで溜め込まれていた愛情が持ち主の元へと還っていく。桃色に光輝く粒子が空から降り注ぐのは幻想的な光景だ。


 熾烈な戦いを終え、本来の目的を果たす。大人組で相談しマスコミにタレコミしてSB社のお菓子を買わないよう仕向ける形で手を打つことにした。中学生にはこんな所見せられないが仕方ない。


 気絶しているペングィンとボロボロのコンビニャートと共にHA支部に帰還すると、総帥ブレードから

「事件解決ご苦労だった。君達のお陰で無事沈静化したといっていいだろう、一件落着だ。オーディナリーを代表して礼を言う、ありがとう」

 という労いの言葉を受けた。


 後日。

 近所のケーキ屋さんも無事退院して営業を再開したようだ。失ったホワイトデーを取り戻そうと店も客も活気に溢れている。やはりホワイトデーはこうでなくては。心地よい喧騒を聞きながら色とりどりのお菓子に目を向けるのだった。

「ムキムキな男が可愛い服を着ているという点で、ルークドレインに兄弟のような何かを感じる」とはペングィンの弁。


これにてシナリオ終了です。

次回もご期待下さい。


☆を付けていただけると幸いです。

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