奪還せよ!愛に溢れたホワイトデー!! その1
自作シナリオです。
世は正にホワイトデー。私も義理チョコのお返しを買うべく行き付けのケーキ屋に行ったのだが、臨時休業していた。張り紙には、
「店主が襲われたため、しばらく休業致します」
と書いてある。これは何やら事件の予感がする。そう感じた私は休日であるがHAへと向かうのだった。
HA支部に到着すると、すぐにある一室に通された。そこにはすでに五人がいた。まずはお互いに自己紹介をする。
「私は”マーキュリー”、よろしくね」
「俺は”ペングィン”、こんなナリですがよろしくお願いします」
「俺達は”コンビニャート”!よろしくな!」
ペングィンはフリフリのフリルの服を着た筋肉質の男子中学生ヒーロー、コンビニャートは四人組(それぞれ”サンクス””マルケー””ポプラ””ハマナス”)のヒーローだ。なんと個性的な面子だろう。
自己紹介を終えて、招集を受けた理由について説明を受ける。
「最近、チバシティでパティシエやショコラティエといったお菓子職人が襲われる事件が多発している。君達には事態の沈静化と解決をお願いしたい」
とのことだ。
するとコンビニャートのサンクスが口を開く。
「ハマナスの店も襲撃を受けたんだ!許せねぇ!」
それに同調して私も
「私の行き付けのケーキ屋も襲われたのよ、やっぱりヴィランの仕業だったのね」
と付け足す。そんな物騒な世間話をしていると、早速通報が入った。被害が拡がる前に急いで現場に向かうのだった。
現場となっている洋菓子店では戦闘員三人とそれを指揮しているらしき男ヴィランがいた。ピンクのシングレットを身に纏ったその男ヴィランは
「あら、ヒーローが来たのネ。でもまだ戦うわけにはいかないワ!」
と言ってどこかへ跳んでしまった。
被害を食い止めるのが先決という事で暴れているポーンナインを鎮圧する。少し手こずり、若干名軽傷を負ったものの無事に場を収められた。
引き続き手分けして情報収集に移る。
しばらくして、情報も得られたところでお互いに成果を報告しあう。まずは私からだ。
「あの男ヴィランの詳細がわかったわ。名前はルークドレイン、感情を吸収して力にするヴィランね。今回のは見た目からして恋愛感情を吸収しているようだわ」
続いてコンビニャートのサンクス。
「ウチのハマナスよろしく個人経営の店が軒並み休業しているみてぇだ。結果、ホワイトデー商戦はSB社の一人勝ちって状況だ。不自然なほどに、な」
そこから引き継いでペングィン。
「そこでSB社のお菓子を分析にかけてみると、謎の成分が検出されました。その成分は、所持者から恋愛の情を吸収し、どこかへ転送しているようです。」
以上のことを踏まえて次の手を考える。あーでもないこーでもないと話し合い、結局ペングィンの案である「SB社に直接カチコミもといクレームを付けに行く」という比較的穏便なものとなった。