出動!ヒーローよみんなを救え!! その2
こちらはマージナルヒーローズシナリオ集『マージナルストーリーズ』収録のシナリオのリプレイです。
ネタバレ等ご注意下さい。
まず動いたのはアビスパイダーだった。
「先手必ッ勝!『エクステンション』!『ライジングサン』!『スクランブルアタック』!!くらえ、スパイダーネット!!」
そう言い放ち六本の腕からクモの巣状のエネルギーを撃ってきた。
私は『バリアシステム』で軽減して損耗は半分程に抑えたものの、クラウン=エーテルはもろに喰らって装甲の限界を迎えてしまったようだ。
「ぐわぁああ!?俺様のクラウンがぁぁ!?」
どうやら王冠に罅が入ってショックを受けているようだ。そんなことを言っている辺り、余裕はあるのだろう。
次いで戦闘員二人が大型ナイフで斬りつけてくる。内訳は私に一人、クラウン=エーテルに一人だ。私は余裕をもって回避したものの、クラウン=エーテルはショックから抜けきれてないのか直撃を受けてしまっていた。もしかしたら彼は大丈夫じゃないのかもしれない。
ようやく攻撃できる隙を見つけたので、アビスパイダーにソードガンで斬り上げる。当然『メレーオーラ』『フルフォース』も乗せた、そこそこ渾身の一撃だ。アビスパイダーは躱しきれずに私の一太刀を受けるも、四本の腕で私を固定してスパイダーネットを放ってきた。
「ガハハハハ!近づいたのが運の尽きだったなヒーロー!!『グレイトサクセス』『スーパーアタック』!!!」
『オーラシールド』を張っても無駄だと感じたため、直撃を受けて吹き飛ばされながらアビスパイダーから距離をとる。装甲は使い物にならなくなってしまった。
直後、横合いからクラウン=エーテルが現れ、
「隙ありィ!!『フルフォース』『グレイトサクセス』だぜぇ!!」
と叫んでアビスパイダーを一閃した。さっきまでショックを受けていたとは思えぬ動きだ。
十字に傷を負いながらもアビスパイダーはまだピンピンしている。癇に障ったのかクラウン=エーテルに狙いを定め、
「まずは貴様から血祭りにあげてくれるわ!!『ダブルアクセル』!スパイダーネットォ!!」
「不味い不味い避けれないぜぇ!『ライジングサぁぁン』!!」
なんとクラウン=エーテルが光を纏ったかと思うと驚異的な俊敏さで間一髪回避した。だがそれが尚更アビスパイダーを腹立たせたようで、
「犬ッコロがちょこまかと!!これでどうだ!!」
と広範囲にスパイダーネットを横薙ぎに射出した。これは躱せなさそうだ。戦闘不能を見越してプリティホエールに救援を送っておく。
「俺様のクラウンはこんな所じゃ砕けないぜぇ!!『リブートコマンド』!『ライジングサぁぁぁン』!!!」
なんと消えかけた光を纏い直し、さらに加速して回避した。
しかしそこでエネルギーを使い果たしたのか、クラウン=エーテルは動きを止める。そこを戦闘員に殴り飛ばされてしまった。
「クラウン=エーテル、大丈夫!?」
と戦闘員の攻撃を避けながら声をかけるも返事がない。戦闘不能のようだ。
アビスパイダーは今のやりとりで息が切れているので容赦なく叩かせてもらう。
「これでとどめよ!『グレイトサクセス』『スーパーアタック』!ぜぁああい!!!」
力一杯ソードガンを振り抜くと爆発が起こる。アビスパイダーは無事倒せたのであとは戦闘員だけだ。戦闘員と間合いをはかっていると、覚えのある声が聞こえた。
「マーキュリーさーん!戦闘不能の方というのはどこですかー?」
呼んでいたプリティホエールだ。クラウン=エーテルを指差して「あいつよ!」と伝えると、プリティホエールは
「『フェニックスホープ』」
と唱えてクラウン=エーテルを回復・修復して、そのまま
「それではオーディナリーの皆さんの救助に戻りますねー!」
と飛んでいった。忙しい中来てくれて感謝だ。今度ご飯を奢ってあげよう、と心に決めつつ気を引き締める。
「クラウン=エーテル!残るは戦闘員だけよ、手分けして倒すわ!」
「当然だぜぇ!!俺様を殴り飛ばした奴に落とし前つけさせてやるぜぇ!!」
と嬉々として戦闘員を斬り飛ばしていた。元気そうで何より。
私の方もせめて苦しまないよう一刀のもとに終わらせることとした。
「『リブートコマンド』『メレーオーラ』『フルフォース』『スーパーアタック』」
エネルギーの塊の化した剣で唐竹割りにする。戦闘員は塵も残さず消えていった。
これにて戦闘終了だ。
元気一杯のクラウン=エーテルと共にHA支部に帰ると、総帥ブレードに迎えられた。
「よくやってくれた。”マーキュリー”、”クラウン=エーテル”。オーディナリーも皆、君達のお陰で怪我なく救出できた。またヴィランが現れたら宜しく頼むよ。」
「ええ、お任せください」
「俺様にかかればちょちょいのちょいだぜぇ!!」
今日もまた、世界の平和は守られたのだった。
これにてシナリオ終了です。
次回もご期待下さい。
☆を付けていただけると幸いです。