出動!ヒーローよみんなを救え!! その1
こちらはマージナルヒーローズシナリオ集『マージナルストーリーズ』収録のシナリオのリプレイです。
ネタバレ等ご注意下さい。
今日は当番だったのでHAの支部で待機していると、緊急事態を告げる警報が鳴り響いた。指定された会議室に急ぎ向かうと、そこには王冠を載せた赤い犬をモチーフにしたヒーローがいた。お互いにまずは自己紹介をする。
「私の名前は”マーキュリー”。宜しく頼むわ」
「俺様の名は”クラウン=エーテル”!この王冠に恥じない働きをしてやるぜぇ!」
自信に満ち溢れた声色と口振りだ。胸を借りるとしよう。自己紹介も終えたところでHAのトップである”総帥ブレード”から通信が入る。
「緊急事態だ、ヒーロー諸君。チバシティ駅前でヴィランが出現し、オーディナリーを次々に捕獲している。ヒーローにはオーディナリーの救出とヴィランの退治をお願いしたい。」
「ええ、私達が一般市民を救出してみせるわ」
「俺様のこのクラウンに懸けてヴィランは倒してやるぜぇ!」
とやり取りをすると通信が切れる。被害が広がる前に解決するため、私達二人は急いでチバシティ駅前へと向かうのだった。
駅前ではオーディナリーが白い糸でぐるぐる巻きにされ、そこかしこに宙吊りにされていた。
「きゃーー!!」「助けてくれぇ!」「怖いよ~~!!!」「助けてヒーロー!」「やめてぇ!!」
など多くの悲鳴が上がっている。テラー戦闘員に見つからないようにしつつ半数ほどを救出したところでクラウン=エーテルが声をあげる。
「お!総帥ブレードじゃん!もう捕まるんじゃねーぞ!!」
と。まさかと思いそちらを見ると、近所の顔見知りのおばさんだった。毎朝あいさつ運動をしているので間違いない。性別ごと間違える人違いとは、クラウン=エーテルは中々の大物だ。
その声で勘づいたのか、ビルの上から蜘蛛のような怪人が飛び降りてきた。
「おのれ、テラー戦闘員に改造しようと捕獲した奴等を解放しやがって!貴様ら何者だ!」
「私はマーキュリー、市民の味方たるヒーr」
「俺様はクラウン=エーテル!お前らヴィランをぶっ潰す者の名だぜぇ!」
「そうかそうか!貴様らが我らがテラーを邪魔するヒーロー共か!このアビスパイダー様が相手をしてやる!!」
そうアビスパイダーが叫ぶと同時に手下を召喚してくる。2対3か、まぁ大丈夫だろう。
「出でよ戦闘員共!この機会にヒーローを倒せばアビスパイダー様の名も上がるというものよ!!俺様の実力を思い知らせてくれるわ!」
ここに戦いの火蓋が切って落とされた。