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no title.

作者: 羽宮悠夜

言葉を枯らした。

……この1行に何分費やしたんだ、私は。


偶にはいつもしない話でもしようか。


孤独は時間を浪費するだけだった。

クリエイターとして社会へ出て、社会にさくっと殺されて、今は無職の引きこもりだ。

美術館に絵が飾られても、NHKに写真が映っても、イラストや写真を買い取ってくれる人がいても、小説を額に入れて飾ってくれる人がいても、私はそれで食べていけはしない。

プロの壁は果てしなく高い。


……なんともう終わってしまった。特に続きはない。

つまらないからやっぱりやめようか。でもここまできて閉じるのも気が進まない。


はぁ。


そんな私は今日も懲りずに私のまま存在している。

言葉の裏では絶えず涕が溢れ、そして何かを探し続けている。

どうにも飽きることはないらしい。私はそれに呆れるくらいだ。


君はまだここにくるのだろうか。

全部土に埋めた後、墓標でも立てるみたいに1作品だけ残して、それきりだろう?

いつかまた来てほしい。

でも、君のその行為には何の意味もない。

1年に1度でも私のことを思い出してしまうくらいなら、そしてこの小説を開いてしまうくらいなら、

あでもうんちでもいい、コメントをくれはしないか。

そうすれば私は応えることができる。そんな些細な日常の変化に、喉からは数千本の手が出ている。


と、どこにいても同じことの繰り返し。

これがいつまでも続くんだ。生きていればあと60年くらい。

選ばれなかっただけの私に、後悔もなにもない。主導権は皆無だ。

何が乗っているわけでもない文字列に、いつか君が気まぐれを起こしてくれたらなと淡い期待を寄せているだけに過ぎない。


私にとってこれは100円で買ったサボテンに霧吹きで水を掛けるような、してもしなくてもいい、でもこれといって億劫でもない、そんな行為。

独り言よりかは少しマシな、暇つぶしなんだ。

真実でなければ嘘に塗れてもいない、手紙ではないそれは、落書きのような。

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