第三話
そして時は現代へと戻り、
「ハァハァ、うっ、はぁ。ッ!」
……頭が痛い、血の記憶が蘇った、……まて、一度冷静になろう。僕は頭の痛みを押さえ、何が起こったのかを確認する。そう思い少し高い所に移動し、後ろを振り向いた。……上から見ると、全貌が良く見えた。火事で見るように建物は黒く染まり、辺り一体が同じようにして、黒く染まっている。あの範囲だと、学校は巻き込まれてはいないかった。そこは個人的に良かった。前に二回転校をしたが、やはり転校とは面倒臭いからだ。……すごい大爆発だったのだろう。やはり相当に人も死んだし、怪我人もいる。でも、この世の中に絶望している僕にとって、他人等どうでも良い。所詮僕は利己的な人間であり、昔も他人の死体を見てグロいとは思ったが特にそれについて感傷は抱かなかった。そんなことより身近な人間の方が大切だからだ。だからこそもう一度言うが別に他人が死のうがどうでも良い。そもそも大切な人間は誰一人救えなかったし、もういない。独りだ。だからこそ死にたいと思う。まずは病院に行くか。どうせ誰かが警察には連絡しているだろうし、そもそも警察も気づくだろう。
まあ、そもそももういないかも知れないが、そんなことは僕の知ったことではない。
よって僕が他人を気にする必要は無い。
火傷もしているから病院へ行こう。
他の人程ではなくとも僕も怪我をしているのだから。
そうして僕は後ろから聞こえる悲鳴から背を向け、走り去った。
病院の道
その町の病院も少し被害を受けていたし、そもそもやっていたとしてももっと他の重傷者が優先され診察されないだろうから、混んでいたとしてもまだいくつかましだろうと思って、俺の家の近くにある病院に行くために電車に乗った。相変わらず火傷がかなり痛むが、少しばかり無茶を言って電車に駆け込んだ。まあ僕なんかまだましな方だし、何とか通ったのだろう。自己責任って言ったし、新人ぽかったみたいだしね。でも言うて他の選択肢はあまりないし、一番良い選択だろう。通勤ラッシュは過ぎた後だからあまり人気の無い電車であの事件から覚えた応急処置をしつつ、電車内で待機していると、電車が駅の所で止まり、アナウンスがあった「近くで爆発が起きました。一時的に緊急停止します。ご迷惑をおかけして本当に申し訳ありません。もう少しお待ち下さい。」その後様々な言語でのアナウンスがあったが、そこで僕は車掌室に行って、緊急なので降ろさせてくれ、ここまでで構わないと言って、何とか降ろしてもらい、ここからなら後少しなので病院に走った。
病院内
何とか息を切らしながら病院にたどり着くと、何とか最速で来たと思うし、その通りに忙しそうにしているが、まだ空いていた。そこで僕は駆け寄り合ったことを話し診察してもらいいろいろして入院した。保険にはあらかじめ入っていたから、お金の面は大丈夫だ、これで一段落かな?と思い落ち着きテレビを着けた。ニュースを見てみるとさっきの爆発の事が写っていた。やっぱり大事故だなと思った、今は救助活動や被害確認、爆発の原因等を調べているようだか、只の好奇心でしかないから、爆発の原因さえ知れれば良い。別に知った所でどうとなるわけでは無いが。そう言えば学校の人たちはどうなったのだろう?運良く僕がぎりぎり巻き込まれなかっただけであって……って、そうか、そもそも運が良かったら巻き込まれかけてないしこんな火傷も負ってないな、僕は自分で言うのも何だけどけっこう悪運が強いよな、あの幼馴染みの時もそうだし、自らを優先して少し足を止めて他者を心配することもなく見捨てて来たから。……別にどうだって良いけど。っと、こんな事考えてたらもうこんな時間か、小腹も空いてきたし何か食べ……
そこからしばらく経ち、僕は退院した。学校では何人かまだ入院しているか死んだらしい。先生からは学業の遅れを心配されたが別に問題はなかった。少ししたらいつも通りになったし、僕の怪我も完治して、完全にいつも通りの日常が元通りになってきていた。
しかし、やはり思う。生きる意味はあるのだろうか?と、ああ、やっぱり、僕は
“死にたい”
だから、いつもの日常も帰って来たという感じがする。これで元通りだと感じる僕はおかしいんだろうが、でも、それでもって何かする気は無い。さぁ、いつも通りの日常ならやっぱり願おう。
『どうか、明日が来ませんように。』