死にたい
「“死にたい”」
現代社会において、そう思っている人はいるのではないだろうか?……僕も、その一人である。
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家
「朝か……」
また、朝が来てしまった……
「別に、来なくても良かったのにな……」
僕はそう呟き、学校の支度をする。
「面倒だなぁ…憂鬱だ。」
しかし、行かなくてはならない。
僕は嫌だなと思いながら家を出た。
登校中
まず、僕は何もない。趣味も、友達も、恋人も、兄弟も、そして、親も、そんな人生……生きる意味はあるのだろうか?
そして何時ものように僕は思う
“死にたい”
そういつものように考えながら電車に乗り、
ガタンゴトンと揺られながら思考する。
思うのだが、この電車代金に年間いくらつぎ込んでいるんだろう……親の遺してくれたお金もどんどんと減っていっている。
「はぁ~、嫌だな。」
電車から降りて、通学路を歩いていく、ここまで来ると他の生徒も見え始めた。皆友達や恋人等と一緒に登校している。……一人の方が楽何だがなと僕は考えながら少し足を早めながら歩いて、しばらくして学校へと着いた。
学校
学校、というものは面倒である。別に部活等に入って居なくとも、最低でも五時間は束縛される。嫌なものだ。
この学校は緩く、寝たり授業に集中していなくとも注意はされない。なので寝たりしながら退屈な授業を消化していく。
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
ようやく帰りの学活終了のチャイムが鳴った……かといって帰って何かしらする事があるわけでもなく、何となく屋上へと行くことにした。
屋上
屋上のフェンスへと手を掛ける、ここから飛び降りる事が出来たらどんなに楽だろうか。
しかし残念ながらここから飛び降りる度胸も勇気もない。落ちたらどれほど痛いのだろうか?等と考えてしまい、死ぬことが出来なかった。首を左右に振りながら、やはりこれからも生きていかなければならないのかと考えて、諦めの表情を浮かべながら考える。その時、
ガチャン!
屋上のドアが開く音がした。そう思い後ろを振り返ると、気まずそうな雰囲気を醸し出している女子がいた。何か僕は口を開いた方が良いのだろうか。するとその女子が、
「死ぬの?」
と訊ねてきた。なので、やはり返答した方が良いかと考えると、
「いいや、死ねないさ、そんな勇気か度胸でもあればどんなに良かったか分からないが。」
と、するとその女子が、
「あんた、いっつも授業では寝てる癖にテストはいっつも満点の奴じゃない。……そう言うって事は死ぬ気はあるのね。」
確かに、テストは満点を取っているが、それが何だと言うのか、それが死なない理由には僕はなり得ない。それが欲しい物だとも思えない僕には。
「まあ、死ぬ気はあるさ…いっそ明日が来なければ良いのに、とは思うよ。だからまた今日が来て憂鬱だなぁと思う。」
そう、明日が来ないと良い。今日で世界が終わってしまえば、死ねるから。
「まあ、私は別にするなら止めはしないわよ。誰かに伝えようとも思えないし、ここには普段誰も居ないしね。……私も、死にたい、とは思った事があるわよ。親は成績でうるさいし、いじめは受けるしね。録な事無いわよ。ホント。でもあんたと多分同じよ。死にたい、でも死ぬのは怖い。死んだら何処に行くのか、死ぬ時の痛みはどのぐらいなのか、とかね。」
確かにそれは分かる。僕も同じだ。
「っと、そろそろ塾ね。んじゃ、また会ったら会いましょう。ばいばい。」
……僕もそろそろ帰るか、帰って寝よう。
登下校中
こうやって1日は過ぎていく、今日の出来事と言えば、屋上で話した位か、別に大したことはなかったな。……また、帰りも電車賃を払って移動する。学費は返済無しの奨学金があるから良いとして、毎日の電車賃は痛いなぁ。ああ、本当に疲れた。死にたい。
家
家に帰ってはきたけど僕は、趣味も何もないから、風呂に入って寝よう。宿題は……いつも通りやんなくて良いでしょ。ぱっぱと風呂入ろ。
風呂後
寝ようか。特にする事も無いし、っと、今夜は風がそこそこ吹いてるな。うるさい……って、ああ、そっか。明日は満月か。でも見たくないなぁ。て事は明日を生きるって事だから。それじゃ、そしたら今日も願おう。『どうか、明日が来ませんように』、と。