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千代と八千代と  作者: 梅宮トム
5/12

5・鬼、見参

はぁ…はぁ…

ー なにこれ意外と遠いわ ー


はぁ…はぁ…はぁ…

ー なんでこんなことやってんだろ俺 ー


はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…

ー ちょーわき腹痛いんですけどホントにヤバい ー


はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…

ー あー…クソが!これで沈み切ってたら笑えねぇわ ー


はぁ…はぁ…はぁ…着い…た…はぁ…はぁ…はぁ…

ー 間に合ったー!俺えらい!!マジ頑張った ー


着いた先は簡素な道路にボロいレールで遮られた崖だった。

船越○一郎が出てくるような立派な崖ではないが充分怖い場所だ。

まさか、ホントに崖に着くとは…

ジッと夕日を眺める、潮風は火照った身体に丁度良い。

車もあまり通らなそうな道路なのでカモメの…いや、ウミネコかな?あれ?

まあ、どっちでも良いか。

鳥の声と海の音も耳に優しくなんとも言えない心地よさがある。


うん、なんか良いなコレ。

今まで悩んでいた事がとてもちっぽけに感じる。

ほとんど勢いで来てしまったが、ここまで来た甲斐があったというものだ。

ジワジワと沈む夕日をただ黙って眺めていく。

こんなにキレイなんだし、悩みのタネを今考えるのは無粋というものだ。

今はただ純粋にこの景色を楽しもうではないか。



◇◆◇



20分くらいたっだろうか?

もうまもなく日が完全に沈み辺りが暗くなってきた。

ー うむ、余は満足じゃ。そろそろかえ… ー


「…ぁ!…ちを…………いわ!」


ん?なんか聞こえたな?いや、気のせいか?

クルリと後ろを振り返ると高速で何かが向かってくる。

「……もんがぁ!…のくさ……じょ…たた……治して…わ!!」

向かってくる点はどんどん大きくなり人の形が見えてくる。


ひえぇぇっ、鬼!?怖い怖い怖い…いや、鬼の形相をした人だ!

なんで!?えっ…ていうか、どゆことコレ!?頭が全然状況に追っつけてないわ!

何か知んないけど命の危機を感じる…!!

…あっやべぇ…腰抜けた…動け…


「クハハハハ…軟弱ぅ!軟弱ぅぅぅ!!うおっ!?」


鬼の形相をした人が手前の石ころに転がり盛大に飛んでくる。

あっ、コレは綺麗なフライングボディーアタック…

【ドーーン!!!】


俺の意識はそこで途絶えた。

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