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千代と八千代と  作者: 梅宮トム
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4・さすらいの旅人タクロー

俺の名はさすらいの旅人タクロー。

卒業してからすぐに社会の荒波にもまれ、野良猫になめられ、会社が倒産し、もう何もかも捨ててしまいたい気持ちに駆られ、ただいまプチ傷心旅行中である。


ここ最近イヤなこといっぱいあったし、たまにはこうゆうのも良いもんだ。


こんなアグレッシブに動いたのは保育園以来かな?


まだまだ希望に満ちあふれてピュアだった頃の俺、そう確か好きなコの前で格好つけようと思って色々やってたなぁ。

ガキ大将相手にヒーローごっこで正義のヒーローやるためにケンカしたり(普通に負けたけど)、

あのコが嫌いなピーマン残して先生に怒られてて代わりに食べてあげたり(俺もピーマン嫌いで結局吐いたけど)、

かけっこの時スタートダッシュかまして注目集めたり(盛大にコケたけど)


…あれ?どうして涙が出てくんだろ?

そうか!良い思い出だからだよね!うん!


そんな昔のことを思い出してたら目的の場所に着いた。


「よっしゃー!海ぃぃー!…はどこだ!?」


時刻はもうすぐ夕方、やべぇ…もうちょっと人口あるとこにすれば良かったかなぁ。


こんなトコまで来たんだ、いくらなんでもムダにはしたくない。


ええと、人…とりあえず人だ!人を探そう!

人を探して場所聞いて1番近い浜辺に…この際、港でも船越○一郎が説得に使うような場所なんでもいいや!


…と、早速発見!俺のコミュ力よ!今こそフルスロットルだ!


「あっ…!あにょ!」(NO-!!噛んだー!!)

俺の言葉を聞き、ビクリと身体が動きビックリした様子だかこちらを振り返ってくれた。

よし!なんとか第一段階クリア!

年は俺より下かな?

帽子を被った彼はシンプルにTシャツと短パンそしてスパッツを履いてる。

いかにもスポーツ少年て感じだ。

マジマジと彼の姿を確認していると、キッ!と睨まれた。

「なに?」

うわぁ、怖ぇ!露骨に嫌そうな顔してるよ…

いや、俺だってマジマジと見たのは悪かったけどさ…そんな睨むことないじゃない?

ここは大人としてバシッと…


「用がないなら声かけるな…大声で人呼ぶぞ。」


「えっ…ちょっ…勘弁してください、後生だから!」

プライド?そんなもん社会人になってから燃えないゴミの日に出しちゃいましたよ。

「あ…あのー、ですねぇ…えっと…ですねぇ、近場に海見えるとこないかなって思いまして…」

俺の目は彼の鋭い目線を見れず泳いでる、べ…別に怖くねぇし


「海…好きなの?」


「あっ!はい大好物です!ここには来たことないので場所教えて貰えないかな?…なんて」

おお!やったね好印象!少し表情が柔らかくなったぞ!


「そう…あっち」

そう言って指をさす方向を俺は見る。


「いやはや。ありがとうございますぅ、それでわー」

しかし、この空気はまだ耐え難いモノがある。

指を指してくれた方向に向かって走り出す俺。

逃げてはない、断じて逃げてない。


よし、道はそこまで複雑じゃなさそうだしこのまま行けば夕日が沈む瞬間を拝むことが出来るかもしんないぞ!

頑張れ俺!あとちょっとだ!あの夕日に向かってレッツゴーだぜ!




タクローは多少捻くれてはいますがなんだかんだでベタなことに憧れてたりします。

要するに冷めてる俺カッコいいなんて幻想抱いてる普通の奴です。

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