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堪能し終わって

 こうして私は、周りの人たちが隠れるでもなく少し離れた場所で見守る中、魔法を使うことにした。

 森の中だから氷系の魔法でとロビンに言われた私だけれど、


「威力も弱いようにした方がいいのかな?」

「そうだな。といっても魔力量によっては発動しないから……そのあたりは適当に」


 そう説明されたが……適当ってどれくらいなんだろうと私は思った。

 このふわっとした感じ、どうなんだろうと私が思っているも、やってみないことには始まらないのでとりあえず、


「まずは……氷の魔法“氷柱の塔”でよかったっけ。それで魔力はこれくらい……かな?」


 とりあえず、ふわっとした感覚で魔法を使ってみる。

 同時にブレスレッドが白く光り、そこから目の前の地面に光の魔法陣が大きく表れる。

 輝きながら幾つもの文字が重なりくるくると回りだすのを見て、これはとても強い魔法なのではないかという奇妙な感覚に私は陥る。


 そこで魔法陣が微かに水色の輝きを帯びて、その魔法人の光がほどけるように光の粒となる空へと舞い上がる。

 その光の粒子が今度は空間内で立体的に手を伸ばすように線で結ばれていく。

 そしてさらに白い光が強くなり……



ごおおおお



 そんな何か巨大なものがうごめくような音が聞こえた。

 耳をふさぎたくなるような轟音。

 くらくらするような大きな音。


 そしてまばゆい光。

 やがて、音が消え、光も消えた。

 代わりに目の前には太陽の光を浴びて輝く透明な大きな柱が一つ。


「す、すごい」


 思わず自分がやったことなのに呟いてしまう。

 一応は自分の魔力をかなり少なめに注ぎ込むようにイメージしたのだけれど……目の前の広場だけではなく、周囲の森の一部が凍り付いている。

 ためしにそっと近くの氷に触れてみると、


「冷たい……」

「当たり前だろう、氷なんだから。しかし魔法の威力はすさまじいことになったな」


 そうロビンが呟いて、カズも面白そうに私の作り出した氷を見ている。そして、


「それで嶋本さん、この氷はどうする予定かな?」

「どうって……このまま解けるのを待つ?」

「待ってもいいけれど、せっかくだから使ってみようか」

「使う?」

「氷を雪のように砕く……正確には穴を掘る技があるのだけれど、どうだろう? それでかき氷のようなものを作ったら好評だったよ?」

「……かき氷のシロップは?」

「その時貰ったフルーツソースがあるけれど……みんなで食べないかな?」

「……それは良いかもしれない」


 といった話になり、カズの特殊能力チートを使って氷を削り出しかき氷を作りつつ私は、


「お~い、みんな~、くかわったデザートだよ~」



 そう呼んで、私達はかき氷を楽しむ事にした。

 お皿のようなものはなかったが、ちょうど食用にもなる葉っぱがあり、近くに綺麗な水の湧き出ていて飲料にも使える泉があったため、そちらで手などを洗って盛り付けをすることに。

 山盛りに載せられた削った氷にフルーツソースは美味しい。


 夏の風物詩ともいえるようなかき氷。

 まさかこんな場所で食べられるとは、と思う。

 周りの評価も好評のようで、カズやロビンも楽しんでいた。


 こういった楽しみ方ができるのだなと私が思いつつ、堪能し終わって、まだまだ氷が残っているなと思っていたころ。

 それは現れたのだった。

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