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大騒ぎになるに違いない

 魔法を教えてもらうことになった。

 この世界の魔法は、呪文などを唱えたり、杖をふるうといった魔道具を使ったりといったものが必要であるらしい。

 呪文などが無くても魔法が使える者もいるそうだが、その分魔力の魔法変換効率が悪くそれほど威力を発揮しないらしい。


 また、呪文なしは慣れないと難しいそうだ。

 といった説明を丁度午前中の授業で学んだ私だが、


「今炎を出すのにも結構長いフレーズを口にしていたような気がする」

「初めてだから長いように感じるが、魔法は基本的にそんな感じだぞ」


 ロビンに私はそう言われてしまう。

 ちょっとした炎を出す魔法でも、結構長い言葉の連なりが必要で、しかもロビンがこんなことを言い出した。


「魔法演習時は、暗記した呪文じゃないといけないからな」

「なん……だと」

「授業だから。それに実際いざという時に紙を見て魔法を使ってなんてできないから慣れておかないといけないからな」

「そんな……私、暗記苦手なのに!」


 今から覚えたとしても一つや二つ。

 どう考えても覚えられる自信が無い。

 どうするんだ私!


 焦りを覚えるけれど、どうにもならない。

 そうなってくると、


「呪文なしで魔法を使う方法を教えて」

「……それはそれで難しいぞ」

「背に腹は代えられないです。この後なん十分かで私、幾つも魔法を覚えられる自信がない!」

「そうか、分かった。でも魔力の確認だ。以前、ステータスを見せてもらった時に、結構魔力が多かった気がしたが、もう一度見せてもらう」


 そう言われた私は再び“ステータス・オープン”を使う。

 魔力の量を確認してもらい、ロビンが頷いた。


「これは、ミオよりも100倍、魔力が多いから、魔法を幾らでも使えるかも」

「ほ、本当ですか」

「ただレイナ相手に呪文なしでこれでも勝てるかという気はするな」

「そんな!」

「……特殊能力チートを使えばいいじゃないか」

「く、それ見たさにこのような状況に……仕方がない、私、呪文なしでどこまで出来るかを今のうちにやっておく」


 もしかしたならうまくやれば呪文なしで、特殊能力チートなしでどうにかなるかもしれないし。

 そう私は思いながらどうにか魔法を呪文なしで使えるよう頑張るけれど、


「ほ、炎の魔法一つしか使えない」

「あー、魔法には相性があるから」

「どうしよう、一つしか魔法が使えない」

「さあ、諦めて特殊能力チートを使うのだ~、使うのだ~」


 ロビンがそう私をあおってくる。

 だが彼は一つ忘れている。


特殊能力チートを使ったら私は、ミオじゃないってばれるのでは」

「頭を打った時に特別な力に目覚めたでいいじゃないか。それで大丈夫だ」


 どこぞのヒーローのような発言をされた私だが、そんなので誤魔化される人は普通にいないと思う。

 これは絶対に別人だと大騒ぎになるに違いない。

 そう私が思っているとそこでロビンが、


「そもそも入れ替わっている相手があのミオだから、今更、特殊能力チートの一つや二つ使えるようになっても驚かれないと思う」

「え?」

「加えてあのレイナだからな。素直にそのまま信じると思うぞ」


 などとロビンは言う。

 そんな無茶なと私は思いつつそこで、ロビンにそろそろ移動しないと間に合わないぞと言われてしまったのだった。

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