インスタント
調味料といった食品を売っていたという程度の情報しか私達は手に入れられなかった。
非常に残念な展開ではあるけれど、とりあえずは食事も含めて懐かしいものが堪能できるかもしれない。
思えば、突然この世界に連れてこられて数日、そろそろご飯が恋しくなってきている。
そう思っていると何枚ものお皿が運ばれてきた。
どうやらビュッフェのように、好きなものを少量術取って食べる形式であるらしい。
というわけで私はまず……カレーを少量盛り付けて手に入れた。
次には、ナポリタン。
トマトケチャップのパスタだが、本場のナポリにはないらしいメニュー。
でも量もあって、結構おいしいんだよねと私は思い出してそれをいくらかとったりした。
また小さなお椀のようなものがあり、それにラーメンやうどんなどを取り分ける。
デザートのお団子は後でとりに行くとして、私はさっそくそれらを口にした。
「ん、美味しい。懐かしい味。……帰りたい」
美味しいけれどそれ以上に郷愁を感じる味。
私は本当に元の世界にこれから帰れるのだろうかという不安を覚えているとカズが、
「大丈夫。きっと帰れます。でもこの牛丼は美味しいですね。程よい甘辛さがとてもいい」
「そうだね。こんな美味しいの久しぶりかも。やっぱり醤油の味とニンニクの風味と果実の香りがほんのりする。この味、好きかもしれない」
「うん、美味しいね。こっちのラーメンも久しぶりな感じがして、すごく美味しく感じる」
といった話をしているとそこでロビンが、
「こういった物が異世界の日常的な食事なのか。なかなか美味しいな」
「正確には私達の国の食事かな。ここにあるもの以外にも色々な物が沢山ありますよ」
「そうなのか……この“うどん”というものは気に入ったな。後こちらにある“ソバ”も捨てがたい。こういった香りや味のする材料はこの世界にも存在するから、再現できないだろうか」
どうやらロビンはこの麺類が気に入ったらしい。
ただ、話を聞いていくとこれをどう城の料理人に伝えればいいのか分からないようだ。
今までに味わったことのない変わったものという認識であるらしい。
するとそこでミオの母親が、
「それならロビン様、お城の料理人の方にこれらを持って行ってもらうのはどうでしょう」
そういってどこからともなくミオの母親が取り出したのは……カップ入りのインスタント食品。
あの、お湯を注ぐだけでうどんやそばなどができてしまう、アレである。
確かにお手軽に日本食を堪能しようとするならば、こういったインスタント食品を食べてみるのもお手軽かもしれない。
そう思っているとそこでロビンが、
「これはどうやって食べればいいのですか」
「お湯を注ぐのだそうです。あ、中に粉末状にされた粉が入っているのでそれを入れるとかなんとか。それから蓋を……ここに書いてある絵を参考にして、これくらいまではがして……」
といった説明をするがロビンは不安そうだ。
そこでカズが、
「僕にとってはよくしっているものなので、後でお手伝いしますよ」
「本当か!」
ロビンが嬉しそうにそう言ったのだった。
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