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天変地異の前触れかと

 それから私は延々と魔法の授業を受けることに。

 授業中に私あてられることも無く時間が経過していく。

 知らない魔法の知識が学べるのは面白い部分もあったけれど、中途半端な時期に放り込まれたので所々よく分からない。


 なのでこっそり教科書を読み戻したりした。

 やがて午前中の授業が終わり、午後になる。

 だがその前に昼食だ。


「……異世界に来てもお腹が空くんだ。でも食べたものってきちんとカロリーになっているのかな? それとも別の機構で私の体は維持されるとか?」


 怖い事に気付いたが、けれど女神様がこの異世界に招待したので、特殊能力(チートもあるし祝福的な何かで大丈夫なのだろう、そう私は希望的観測をしつつ全てを投げた。

 そしてそこで授業が終わってすぐロビンが声をかけてきて、


「食堂に案内してやる、行くぞ」

「あ、ありがとうございます」

「……」

「あの、何か?」


 そこでロビンは沈黙したまま私の顔を見て、それから深々とため息をつき、


「素直なミオがここまで違和感のある生物だとは思わなかった」

「え、ええ!」

「いや、うん、雰囲気からすればこの性格は、うん、そうだよなと思うけれどこの顔と姿と名前でとなると、うん……すごく変な感じがする」

「あの……ミオはどういう方だったんですか?」


 ここまでの言われようと、ああ察し、というようなクラスメイトの生暖かい視線。

 そして強制的に夜で歩いて、“私”を見つけて身代わりに仕立てる強引さ。

 明らかに普通じゃない、そう私は思っているとそこでロビンが、


「まあ、多分、ミオがあったミオの印象そのままだ」

「……私と違いすぎるじゃないですか」

「それで身代わりになると思っているあたりが、ミオだよな。あれで普通のつもりだしな」

「普通、普通……」

「概念が崩壊しているがそうだ。あ、でもあっちのミオとお前とでは一つ違う部分があるな」

「何でしょう」

「お前の方が胸が大きい」

「……」

「さて、食堂に行こう」


 さりげなくセクハラを言っていったロビンに連れられて私は、食堂に連れていかれたのだった。








 ふわふわのオムライス。

 デミグラスソースのような物のかかったそれを食べていた私は、現在、目の前にいる、取り巻きらしい二人の少女を従えた、金髪縦ロールの貴族の令嬢のような少女に見下ろされていた。


「何でも頭を打って、大人しくなったそうね、ミオ」

「! だ、誰がそんなことを言ったのですか」

「貴方がそこにいるロビン王子と一緒に昼食を大人しくとっているという、天変地異の前触れかと思えるような出来事について、そういった話をみんなしていましたわ」


 私はちらりとロビンを見た。

 ちなみに彼は私の隣に座っていたが、私がそちらを向くと明後日の方向を向いた。

 サポートしてくれるのは嬉しいけれど偽物だと思われるのは……とも思ったが目の前の彼女は区別がついていないらしい。

 でも、何でいきなり話しかけてきたんだろうと私が思っていると、


「私、久しぶりに次の魔法演習の時間、貴方と手合わせしたい、つまり“決闘”を申し込みますわ」


 魔法の“魔”の字も知らないような私に、彼女はそう告げたのだった。


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