“魔族”が出現する
こうして、私達は“魔法演習”のためにとある村を訪れた。
のどかな村で、やや観光地な部分もあるのか商店街が栄えていて、おみやげ物を売っている店がいくつもある。
この地方で取れる“バルバーブ”という植物で香りづけをした食べ物がたくさん売られていた。
その“バルバーブ”は緑色の茎のような植物であるらしい。
そう思いながらその場で飲めるジュースとケーキ(試食済み)を購入して私はお土産にした。
後はそういったお店でさり気に私に似た人を見なかったかといった話を聞くも、知らない、そういえば“魔族”との戦闘で黒髪の少女を見かけた、といったあいまいな話ばかりで、有用な情報は得られなかった。
とりあえずは、幾つかのお店や通りがかりの人に聞いてみるけれど、
「何も足取りがつかめないわね」
私の言葉にロビン達が頷く。
そして、聞いてみた範囲では“魔族”という単語を口にするだけで、村人はすごい顔になる。
この世界では“魔族”に対しての恐れが強い。
……確かにあれであの強さならそう思うかもしれないけれど、と思いながら私は、馬車内でロビンに異世界人だと告げるな、と念を押されたのを思い出す。
理由は、異世界人のいる場所に“魔族”が現れるかららしいが、ただ私もそれに関して思った事がある。
だからロビンに聞いてみることにした。
「ロビン、異世界人のいる場所に“魔族”が出やすいんだよね?」
「そういわれている」
「でも、出やすいかどうかわかるなら対策が立てられそう。でも異世界人がいる場所に“魔族”が出やすいって実は偶然だったりしないよね? たまたま起こったから事象をつなげているだけとか」
「……あり得るが、異世界人との戦闘の記録は“多い”からな」
「普通にかき消されたものは、記録に残っていないのではなく? あとは魔族の出現例が実はここまで多くないとか、昔はここまで強くなかったとか」
「“魔族”の質が変化してきているのか。それはあるかもしれない。そして、どんどん強くなって大変なことになるから、すぐに倒さないといけなくて……だがそこに異世界人がいなければ倒せないのもあるから……近くにいると意図的に誘発して、戦えるように実体化させる効果はあるかもしれない」
そういった推測をしていた所で、私達の魔法演習の時間まであと少しとなっていることに気づいたのだった。
演習場所は、森に近い草原のような場所だった。
ここで二人一組になって戦闘をするらしい。
私達はロビンとカズと組むことになった。
私の方に色々と事情があるので、その方が良かった部分もあるのだけれどそこで……手合わせを始めようとした瞬間、背筋がぞくりとするものを感じる。
嫌なものを“空気”から感じ取ってしまったような、そんな感覚。
同時になんかがはじけるような耳障りな音が聞こえる。
この現象に私は覚えがある。
そこでロビンが叫んだ。
「“魔族”が出現する! ここには異世界人はいるから……全員にげろ!」
それと同時に何かが姿を現そうとして、学園の人たちが全員その場から、悲鳴を上げて逃走したのだった。
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