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新たな危機

 この異世界は以前よりも小さくなっているらしい。

 だが、と私は思って、


「ロビンは王子様なんだよね? この世界の地理などは勉強をしないの?」

「それは今現在の物だ。だが……どうもある一定時期を境に、世界は世界の五分の四が消失しているらしい」

「……そんなに?」

「うん、そういうことになる。どうやら前回の勇者たちとの戦いで大変なことがあったらしい。一応、浮遊大陸や海底都市関連では“魔族”の目撃例がないから、最終的にはそこなら人類は生き残れるかもしれないが……それでも、今いる人間すべてをそちらに保護することはできないだろうし」


 深刻そうに話すのを聞きながら私は、


「でもどうして記憶が?」

「……一部にしか記憶を残していないのかもしれない。やる気がなくなるから……その時点で、次に“魔族”や“魔王”が現れたら、われわれの負けだ」

「……そっか。だからこれだけ沢山、異世界人を呼んだ? でも楽しんでいってね~だった気がする」

「……大人の言う事だから。ほら、建前とか」

「大人って汚い」


 私が呻くように呟くとそこでロビンが、


「といったように実は結構危機的な状況になっていたらしい。そして、実はもう一つ気になることがあったんだ」

「? 何が?」


 そこでロビンは、本を一冊取り出した。

 その本の一番最後には、借りた人間の名前がすべて記載されている。

 とはいうものの、こういった本はあまり人気がないらしい。


 やはり恋愛ものや冒険ものといった娯楽性のある本が人気だそうだ。

 そういった話をロビンから聞きつつ、そこに描かれた名前を見ると、


「ミオ・ブラウン、って、まさか……」

「そう、そのまさかだ。ミオはこの本を借りていた。しかも日付からごく最近だとわかる。そして、偶然にも面白いメモを挟んだままだった」

「面白いメモ?」

「そう、世界の割合が少なすぎる、だそうだ。そして最近、ミオは深部などの情報で、“魔族”がいるのを感じ取っていた。あれから何をしていたのかは分からないが、少なくともカズと一緒に“魔族”を倒しているのだから、“魔族”を目指しているのは間違いないだろうけれど……まさか、異世界人に交じって“魔族”を倒そうとしているのか? と僕は思ったんだ」


 そうロビンが言う。

 “魔族”を倒すために異世界人の私に身代わりを頼んだのか?

 でも私は異世界人だから、


「私も“魔族”を倒すのにつれていきそうな気がするけれど」

「とりあえず様子見に行っただけなのかもしれない。次に戻ってきたときは、ミオに連れていかれるかもしれない。異世界人だし、“魔族”との戦闘だし」


 ロビンの言葉に気が遠くなりながら私は、


「異世界人を呼ばなくても現地の人で“魔族”は倒せないの?」

「異世界人並みに力を持つ僕たちの世界の人間はいるし、ミオもその類だろうが……異世界からこちらに来ると発現しやすくなる特殊能力チートも重要な要素だから、これからも呼び出すだろう」


 とのことだった。

 その話を聞きながら新たな危機に私が気付いたところで、授業終了の鐘がなったのだった。


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