また明後日
クラス全員集まらないと帰れないといったカズの話に私は思い出した。
「確かにそれは聞いた気がする。……説明が全部適当なような」
「ここに飛ばされる時間はまちまちだから段々に適当になったのかな?」
「適当すぎる。しかも私達、落とされた場所はみんなばらばらだし。この広い世界をどうやって探して全員集めるのよ」
「そうだね。ただ……」
「ただ?」
「みんな“異世界”だからってはっちゃけて、“正義の味方”をやったり好き放題しているらしくて、噂話もそこそこ流れてくるんだ」
そう言ってカズは困ったように笑う。
その話を聞きながら、どうやら私のクラスの皆さんはそれぞれ、この異世界を謳歌しているようだった。
どうして私は身代わりなどというものにされてしまったのか。
もっと能力の説明とか色々して欲しかったなと私が思っているとそこでロビンが、
「さて、そろそろ移動しようか。俺も家に帰りたいしな。異世界人のカズは俺の家に客人として……先に連絡を入れておくか」
「連絡?」
「電話するんだ」
「……そうですか」
私はロビンの言葉に頷くも、今、この世界の“翻訳機能”が変な訳をしたような気がした。
何しろ電話線なり電線は外を見た限りない。
だから違う方法で連絡を取るのだろう、そしてそれはこの世界では私達の世界の“電話”のようなものなのだろう。
そう私は思いつつも奇妙に感じているとそこでロビンが、
「ミニドラゴンが何かを訴えかけているぞ」
「え、ええ! 目が覚めたばかりのそのミニドラゴンだから……リーフがお腹を空かせているみたい?」
そこでそうだというかのように、リーフが私に鳴き声を上げる。
どうやら私達の言語は理解しているようだ。
この子、高度な知性を持っているんじゃと私が思いつつ、まずは食事ねと私は思って、
「何を食べさせればいいんだっけ。果物?」
「そうだったはずだ」
ロビンの答えに、私は慌ててミオの母親に果物をお願いした。
すぐに、ぶどうのような果実が三房ほど持ってきてもらえて、
「リーフ口をあけて」
「みぎゃ~」
リーフがそのように鳴きながら口を開ける。
ドラゴンの口は結構ギザギザとした歯があってちょっと怖いかなと思いつつ口の中に一房放り込むと、嬉しそうにそれを咀嚼し、
「み、みぎゃ~」
感動したように打ち震えた。
もっとというようにすぐに鳴くのでさらに二つ渡すと、すぐにそれを食べ終えてしまった。
しかも今度はお腹がいっぱいになったのか、その場でゴロンと丸まってしまう。
「ど、どうしよう、ここからその小屋に連れて行って、毛布を掛ける?」
私が困っているとミオの母親は、今日はここにいていいと言ってくれた。
だから毛布をもってきて体にかけて私達は、ミニドラゴンのリーフが起きないようにその場から移動する。
そしてそのまま私はロビンたちと別れる。
「次に学園に来るのは明後日だから、その時また相談しよう」
「うん、分かった」
ロビンとそう話して、カズとは、
「嶋本さん、また明後日に会いましょう!」
「うん!」
そう手を振りながらロビンたちと別れた私の大変な一日は、これでようやく終わりを告げたのだった。
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