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別ルートで地上に戻ることも考えようか

 私の特殊能力チートを、背後の岩に向かって使う。

 気づけば後数十メートルといったところまで迫っていたその岩。

 そのぐるぐると転がる速度が徐々に緩やかになっていく。


 そう、それでいいと私は思いながらさらに別の意思で、


「“重力変換(グラビティ・エンド)”」


 特殊能力チートを使用した。

 やがてその岩が私の目と鼻の先に近づいてきて、そこで私は……意を決して手を前に突き出す。

 失敗していたらどうしよう、そんな不安があったので思い切って手を伸ばしたのだが……上手くいったようだ。


とんっ


 手に軽い感触がある。

 転がってきた“風船”が、手に当たった、そんな軽い物が私の手に触れている。

 但し目の前にあるのは私の身長の数倍はありそうな直径の岩の塊だが。


 それをしばらく抑えて、次にもう少し力を強める。

 ミシッと、何かが沈み込む音がした。

 けれどこれで岩自体は安定した……そう思いたい。


 だが希望的観測だけでうまくいかない事は分かっているので支えている手を放し、ゆっくりとその岩から手を放す。

 次に徐々に特殊能力チートを解除していき、


「……よし、転がって来ない。上手くいったかも」


 動かない岩を見てようやく私は一息ついた。

 そこで私は肩を叩かれて、


「それで一体何をしたんだ?」

「え? ああ、えっとね、まず初めに転がってくる道の重力を比較的に高めにして転がる速度を抑えようとしたんだ。で切ればその市に泊まってほしかったけれど無理みたい。でも速度は緩やかにはなったかな」

「なるほど」

「次に更に近づいてきたので質量を“軽く”して、それで手を伸ばして止めたの。ボールが転がってきても、手で止められるような感じかな。それで動きを止めてから重量を高くして、岩が、私が特殊能力チートを使わなくても転がってこないように地面に食い込ませたの。これでこれ以上はこの岩は動かないわ」

「……なるほど。それならこの岩は襲ってこないが、代わりに一つ問題があるな」


 そこでロビンがこの私が止めた岩を見て一言。


「道をこの岩がふさいでいるから帰り道をどうするか」

「あ。……でも壊せばいいんじゃないかな」

「結構、魔力を使うが、ミオは確か以前見た時に魔力が沢山あったから問題ないか」

「よし、壊そう。……岩を壊す攻撃となると、どんな感じにしよう。周りに影響が少ない方がいいけれど」

「それに打ち方を間違えると、この岩がまた転がってくる可能性もあるな」


 といった話をしていた私達だがそこでロビンが、


「……別ルートで地上に戻ることも考えようか」

「そうね。ここを通るのは最終手段という事で、先に進もう」


 というわけで無理に危険を冒す必要はないと私達は、その先に進む。

 途中に別の階層に入る出入り口はなく、結局一番下にまで来てしまったようだ。

 何故私達が一番下に来たと気付いたかというと、私はその巨大な石像を見上げながら、


「これ、ドラゴン?」

「そうだな石化したドラゴンだ」

「つまりこの広い場所が最下層?」

「という事になるな。でも幾つも出入り口があるから、ここから上の階に行く道は何通りもありそうでよかった」

「そうだね。それで……ここの何処かに、ロビンの婚約破棄書はあるの?」

「……隠されているかもしれないから、とりあえずは周囲の魔力の動きを探査してみよう」


 ロビンがそう言って何か魔法を使おうとする。

 その時、“音”がしたのだった。

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