女神様の加護の一つかも
現れた魔物達。
まずはこの魔物達をどうにかしなければいけないのだけれど、
「グロは苦手だから、これは最終手段っと。……上手くいった」
私がそうなって欲しいと認識した通りに魔獣たちは動けなくなった。
設定範囲は私の目の前、2メートル。
そこからさらに2メートル程度の範囲の地面に特殊能力を使った。
これで十分、そして効果は御覧の通り。
目の前では高重力となっており、魔物は動けない。
地面に吸い付けられたまま唸り声をあげている。
「よし、後はここで魔法攻撃。……やっぱり新しい魔法を覚えた方が良いから、ロビン、魔法を一つ教えて」
動けない的に当てるのは、動く的に当てるのよりも簡単だ。
指向性の機能付き魔法があってそれで攻撃できるのであれば楽だけれど、それには幾つか必要そうだ。
でも、待てよ?
使える魔法と私の特殊能力、“重力変換”を使えばある程度誘導が可能ではないのか?
どんな魔法でもこの世界の存在であれば、この世界の物理法則に従うはず。
ならばこの世界の魔法を使いながらこの特殊能力で火の玉などを生み出して後は誘導すればいい。
この前の“決闘”の時と同じ要領だ。
「いい事を思いついた、今度使ってみよう」
私はひとり頷き、次にロビンに、
「この魔物、どの魔法が効果があるかな」
「……さっき俺が使った魔法が炎だから、あれを使ってみるか? 一度どんな魔法だったのか見て、しかも使っているからイメージが浮かべやすいだろうし」
「確かに!」
というわけで先ほどの魔法を教えてもらう事に。
そして呪文を唱えて、
「……“炎の鱗粉”」
私がそれを唱えると魔法が上手く発動した。
炎の花びらのようなものが周囲に散らばり、魔物達に襲い掛かる。
断末魔と悲鳴と共に、しばらくして魔石が転がった。
どうにか倒せたのを確認して、特殊能力を解除する。
これで強い重力の影響は消えた。
近づいて戦利品の魔石を私は手に入れる。
濁った色になっているそれを回収した。
しかしと私は思う。
昨日は一つ覚えるのに、苦労したが今日は一回でうまくいった。
この差は何だろうと思い、
「ロビン、魔法って一回使うと別の魔法も使いやすくなったりする?」
「いや、聞いた事はないな。昨日はあんな風だったのにな。もしかして……」
「もしかして?」
「特殊能力を使ったから、魔法が使いやすくなったとか?」
「そんな風な効果があるの? 特殊能力って」
その時私は軽い気持ちでロビンに聞いただけだった。
本当に深い意味がなかったのだ。
だがその私の問いかけにロビンが少し黙ってから、
「特殊能力を使うごとに体が変質して魔法が使いやすい体になっているとか」
「……」
「まあ、女神様の加護の一つかもしれない」
「そんなものがあるの?」
「特殊能力自体が女神様の加護だから、それ自体に付随する効果で、この世界の“魔法”が覚えやすくなっているかもしれない。後で他の魔法も沢山練習してみるか? もしかしたなら今は覚えやすくなっているかもしれないし」
ロビンに提案されて、それは良い方法かもと思った私は、よろしくとお願いして先に進んだのだった。
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