最深部から見て行く事に
見ている範囲ではどちらの道にも罠がないらしい。
それを聞きながら私は、
「だとするとこの坂道と、まっすぐな道……と行っても途中で折れ曲がっているけれど、どっちがいいのかな」
「ミオは、一番深くまで潜り込んでから段々にあがっていくのと、上から下に向かうのとどちらが好みだ?」
「そういえばこのダンジョンって、一番深いとどれくらいになるのかしら」
「確か地下五階までと言っていたな。一番深い所には大きな広場のような場所があって、“竜”が石化させられた状態で眠っているとかなんとか」
新しい情報に私は、震える。
竜と言うと何だか強いイメージが私にはあるのだけれど、それが石化とか眠っているとか……そんな場所に屋敷を立てちゃっているのってどうなんだろう、という気が私はする。
だがもしかしたならこの世界の竜は、私の世界の子猫のような大きさなのかもしれない。
そう私が思っているとそこでロビンが、
「さっきから百面相をしているみたいだがどうしたんだ?」
「その竜が私達の世界の竜のイメージと同じとは限らないなと」
「竜……この世界の竜は俺達の身長の五倍以上あって背中に羽が生えていて空を飛んだり魔法攻撃をしてくる危険で凶悪な生物だ」
「私達の世界の竜と同じ……なんという恐ろしいものをこんな地下に」
「石化してとどめているから大丈夫だ。普通は目覚めない」
「……目覚めさせられるの?」
「それが石化の魔法だからな。特に魔法系の生物は魔力が大きいから、石化したまま魔力的な寿命を終えることは少ないからな」
「それって人間もこう、コールドスリープみたいにできるとか?」
「こーるどすりーぷ?」
「え、えっと、温度を下げて眠らせるみたいな? ほら、長期間の移動のために使ったり災害が起きて、地上を浄化しきるまで眠ったりするのに使うらしい? もの」
但し物語の中ではだが、そう思って私が告げるとロビンが少し考えて、
「そういった案があるにはあるが、人間の場合その前に寿命が来て死ぬからな。人間の魔力はどういうわけか石化しても、体内にある魔力が拡散しやすくて魔法生物と同じようにはいかないらしい。そして石化してから元に戻すと、かなりの確率で……その、奇妙な行動を取るというかその……あまり飲んではいけないお薬で頭がアレなことになっている人と似てしまうというか、そんな感じなんだ」
そう説明を受けた私は、石化の魔法は人間には適応できないという事だけは分かった。
そして石化した竜は危険ではないらしいことも。
さすが異世界、私達の知らない世界が広がっているなと私は思いながらそこで、再びどちらの道を選ぶのかといった話になる。
それだったら一番深い所から上がってきた方が、ようやく終わりが見えてきたぞと最後の方が、心理的に楽な気もするので、
「深い所から探していきたいかも」
「……こういう所はミオとは違うな」
「? そうなんだ」
「ミオなら、浅い音頃から探していって、浅い所で見つかったら得だわ、と考えそうだから」
「……」
「ただ石化した竜、という実物も俺は見てみたいし、そちらがいいな。そちらにしよう」
ロビンの説明を聞いた私はそこで、間違った選択をしたと思ったのだった。
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