作り上げた“道”のようなもの
こうして私は私自身の特殊能力を使用した。
その力によって、ここの罠は全て避けられるはず。
ただ私はこの能力をどこまで上手く操れているのかが分からない。
けれど少なくとも、これで罠への幾つかの解決にはなっているはず。
そう思いながら私はロビンに、
「この罠周辺は宙を浮いて歩けるようにしているから。ただ、地面の部分には平面上に別方向の力を書けているから引っ張られたり踏んだりといった影響はないと思う」
「……そんな状態にしたのか。その効果範囲は?」
「とりあえず目の前にある分岐する道の所まで。どちらに行くかは決めていないから」
「なるほど。あそこまで行ってから……危険の少ない所に向かおう」
ロビンのその答えに私は首をかしげる。
「罠は隠されているのでは?」
「全部というわけではなさそうだから、その範囲で考える。そもそもこの周辺がそういった状態にしてあるだけかもしれないしな。もしかしたならこの公爵家なら見えなくなっている罠を見る方法があるのかもしれないが、それでも彼らを巻き込むかもしれない罠をそんなに沢山作るとは思えない。前も言ったようにここは緊急避難用通路も兼ねているから」
といった話を聞いて私は、少し考える。
もっともな気がするが、ここの人達だけが見える方法を持っていたのなら話は変わってくる気もしたが……それでも事故は起こるだろうと考えられる。
間違えて踏んでしまう可能性も無きにしも非ず。
だとするとそこまで見えない罠は多くないのかもしれない。
そう納得した私はとりあえず、自身の魔法がどの程度効果を発するのかを試してみることにした。
試しに一歩前に足を出すと、足が宙に浮いた状態で、空を踏みしめる感触を感じる。
透明な目に見えないガラスの板が宙に敷かれているようなそんな感覚だ。
引っ張り上げる力を上面にしたが、下の面には影響をおよばさないように設定したために、このあたりに地面があるような力関係になっているのかもしれない。
なんにせよ地面があるような感覚なので体のバランスがとりやすい。
私はそう思いながら更に前へと進んでいく。
今の所歩いていても問題はない。
罠自体が発動する気配もない。
思いのほかうまく私はこの特殊能力を使えている様だと、自画自賛した。
そこで気づけば分岐する手前まで来てしまっている。
予定ではここのあたりで能力が途切れているはずだ。
とりあえずここまでは無事に歩けることが分かったので私は振り返る。
そこにはロビンがその私が能力を使った空間の手前で棒立ちになっているのが見えた。
確かにこの状況は不安だよなと思いつつ私はロビンに向かって大きく手を振り、
「ここまでは普通に歩いてこれるみたいだったよ」
「……本当に異世界人の特殊能力は、俺達の想像もつかないことをやってのけるな」
などと深々と失礼なことを言いながら嘆息して、ロビンは私が作り上げた“道”のようなものを歩いていく。
そして私の目の前まで歩いてきてロビンが、
「とりあえずここまで無事に来れたが、どうするか」
「そうだね。罠はどちらの方が多い?」
「そうだな、見た範囲ではどちらも“罠”は、なさそうだな」
ロビンが二つに分岐した道を見て、そう言ったのだった。
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