今日は暇だと思ったんだ
貴族令嬢の家なのでテーブルマナーやら何やらが面倒くさい……ではなく、どうしようと思ったが、私はそのままでいいらしい。
ミオのご両親の厚意というか、身代わりの関係で一緒に私は食事をすることに。
食べ方がおかしいと不審がられそうというかすでに気づかれている気もするが、給仕のメイドたちは部屋の外へ。
それに安堵しながら並べられた食事などを私は見る。
ナイフとフォークのようなものなどが取りそろえられていて、使い方は私達の世界と同じようだった。
スープやサラダから始まりハムのようなものなどが大き目の皿に盛られて、その近くにある小皿には私の握り拳程度の大きさの小ぶりな丸いパンが添えられている。
味は私のよく食べている朝食よりもおいしい気もした。
こうして普通に食事が終わった。
それから学園内の出来事について、ミオのご両親に説明すると、ミオの母が、
「あの子、周りの子を挑発していたりしていたのね……それに巻き込んでしまったみたいで、ごめんなさいね」
「いえ……今の所どうにかなりそうですから」
「そう言ってもらえると助かるわ。そもそもロビン王子の件だって、私達には寝耳の水の出来事でしたし。ロビン王子から婚約破棄を突き付けられたわって、ミオがやけに嬉しそうに言って手紙を持ってくるし」
「は、はあ……」
「ロビン王子はうちのミオが好きでたまらないみたいでしたし、変だなと思っていたのです。まさかそんな事になっているなんて」
頭痛がしたように頭を押さえるミオの母。
気持ちがよく分かる私。
何せこの世界に来たと思ったら突然、身代わりをさせられて学園に……というスピード展開である。
疲れた、とても精神的に疲れた。
そう私が思いつつ、そこで私はミオの母親に、
「あの、一つお聞きしていいですか?」
「何かしら」
「ミオは何のために私に身代わりを頼んだのでしょうか?」
「それが分かれば苦労しないわ。あの子、私が言うのもなんではあるけれど“天才”だから」
「……」
「時々突拍子もない事をするのよね。ただそのおかげで大事故が防げたこともあったけれど。以前なんて鉱脈を探すと言って山に向かったと思ったら、土砂崩れが起こるって言いだして、それで移動したら本当に起こって……その村の住人も一緒に避難したので死者はゼロだったのよね」
「そ、そうなんですか」
「ええ、そういった事が幾つも重なっていて、大抵の場合は私達にも話してくれるのだけれど今回は……何も言って行かなかったのよね。それが私達には不安で仕方がないの。また何か無茶をしているんじゃないかって」
「……そうなのですか」
「あの子は“天才”で沢山のことが出来るけれど、何でもできるわけじゃない。それが、あの子に災いとして降りかかってくるのではと私達は不安なのです。いえ、愚痴になりましたね、大体の事情は分かりました。まだしばらくかかりそうですがよろしくお願いします」
そう私は言われて、私の方こそよろしくと返す。
そしてそれから私が部屋に戻ろうとしたその時だった。
誰かが屋敷の廊下を走ってくる足音がする。
こんなに急いでどうしたんだろう?
しかも朝が早いのにな、やっぱり公爵家だと色々忙しいのかな?
などと考えた私。
次に、私にはまったく関係ないだろうとその時は思っていた。
だって、何かあるのは明日のはずだし……そう私が思っているとそこで、食事をしていた部屋の扉が大きな音を立てて開かれた。
現れたのは青い顔をしたロビンだった。
私は嫌な予感しかしなかった。
走ってきてつかれたらしく息を整えたロビンは、くるりと私の方を見る。そして、
「ミオから俺宛に、手紙が来た」
一言、ロビンは震える声で告げたのだった。
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