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私達の世界の概念

 こうして“決闘”はどうにか私の勝利で幕をおろした。

 そしてこの授業、“決闘”も単位に入るらしくこれまでの分を入れると単位が取れていることになるらしい。

 つまりこれ以上私はこの授業では戦闘をしなくて済む。


 そして現在、授業中だが少し離れた場所の木陰で他の人が聞いていないのを確認しながら私とロビンは、休みつつ、私はようやく緊張がほぐれて、


「よ、よかった」

「その割には、最後のアレは本気になっていたように見えたが」


 ぽつりとつぶやいたロビンに私は、


「あそこで頑張らなかったら私、死んじゃうじゃん! もっと普通の身代わりを想定していたのにあれは無いよ! 魔法だって知らなかったのに!」

「あー、でも特殊能力チートがあるんだからいいじゃないか。何とかなったし」

「結果論じゃないですか! ああもう、でもこの特殊能力チートって何で寄越したんだろう、確か“魔王”を倒せとか言っていた気がするけれど、それは私の役目じゃなかったような……」

「だろうな、他の王家の担当だ。スペアの可能性もあるが」

「スペア?」

「そちらが失敗した場合の予備」

「……つまり私が“魔王”と戦うの?」

「そういう事になるな」


 ロビンの他人事のような答えに私は青くなる。

 いえ、ちょっとくらいは武術もどきをかじったことはありますが、私はただの女子高生ですよ!? 

 そう返したくてたまらなかったがそこでロビンが更に、


「“魔王”を倒すだけではなく、“魔族”を倒す役目はあるかもしれないけれどな」

「“魔族”……そういえばこの世界の“魔王”や“魔族”ってどんな存在なの?」


 私の中にあるイメージでは、王様の魔族版といった感じである。

 やはり人種的な何かなんだろうか、と私が思っていると、ロビンが、


「この世界を“滅ぼす”存在だ」

「……え?」

「存在した時点で、この世界を滅ぼし始める。しかも時間の経過とともに強くなり危険な攻撃をする。そういった何処からともなく表れる存在だ」

「つまり、“現象”って事?」

「“現象”と言えばそう見えるかもしれないが、一応は湧き出るこの世界の悪意、“魔族”“魔王”と俺達は呼んでいるな」

「現れる場所も予測がつかないの?」

「そうだ」

「……ますます“現象”っぽい」


 そう呟きながら私はそういう怪物がいるから特殊能力チート付きなのではと思った。

 美味しい話にはやはり裏があったようだ。

 でも異世界に来ている時点であまり、美味しくないような気もする。


 とはいう物のこの能力について少し考えてみる必要があるようだ。

 特殊能力チートがどんなものか。

 さっきの物はとっさに思いついた方法で使ったけれど、


「意思によってある程度範囲と力が決定するみたい?」

「何の話だ?」

「私の特殊能力チートについて考えていたの」

「なるほど、その意志によってある程度範囲や出力を決めるのは、魔法と同じだな」

「この世界に引き起こす現象だから、やっぱりこの能力も魔法なのかな? 私達の世界の概念とどれだけ違うのかが分からない」

「概念?」

「そう、私の能力は“重力”。私の世界では、重力は、質量に重力加速度をかけたものだから」


 私はそうロビンに答えたのだった。

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