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レベル4・スケルトン は 不思議な踊り を 踊った!

 さて、英雄伝「真紅の血(クリムゾン・ブラッド)」から参考にすべき部分だが……


 まず鍵である剣豪スケルトンについて。

 こいつは多分だが、最初は意識とか無かったんだろうなぁ。

 ダンジョンは表の世界の存在は何でも食っちゃうけど、それこそ魂でさえ魔力を元に作られてるわけだから魂さえ食べちゃうけども、唯一食べられないものがある。

 それが技術とか経験とか勘とかいう肉体に依存する能力。

 脳とか知識とかは食えるから、それがあることはわかってるし自分が食えないことも理解してる……と思う。

 ダンジョンの肉体はダンジョンそのもの、ダンジョン全部が脳であって肉体であって生物であり無生物でもある。

 ダンジョン内で生み出されたモンスターはダンジョンから独立した一個体であってダンジョンでは無いので、勘とか経験はモンスター本人が自力で獲得するしかない。

 だからダンジョン内でモンスターが殺し合うなんて日常茶飯事、むしろ推奨されているんじゃないかってくらいよく起こる、ただし中層以上限定。


 恐らく赤いスケルトンの元にになった人はそれこそ無意識レベルで剣を扱うくらいの達人だったんだろう。

 故意か偶然かはわからないが、搾りカスにその辺が残留しちゃったんじゃないかな?

 無意識とは言うが、達人のそれは低層に来るような冒険者では相手にできるレベルじゃなかっただろうな。

 そして恐らく何かの拍子に、俺のような感じで意識を獲得したんだろう。


 問題はここからだ。


【学習能力が発動しました、INTが少し上昇します】


 何故意識を獲得したにも関わらず、そのスケルトンは戦い続けたのだろうか?

 言葉が話せなくとも意思を伝える手段なんていくらでもあったはずだが、このスケルトンはそういったことを一切やらなかったように感じる。

 むしろ望んで戦い続けたような感じがするな、それこそただの勘でしか無いが。


 獲得した意識が低脳であまり考えられなかった? そんなことを考えるころには危険種指定されていて手遅れだった? 単純に戦闘狂な意識だった?

 どれにしても違和感のある話だ、まるでそう見えるように動いている、と言われているように感じてしまう。


【学習能力が発動しました、INTが少し上昇します】


 もしかすると経験や勘を欲しがったダンジョンが、自らの依り代とするべく誘導していたのかもしれないな。

 そう考えると無意識の技術はわざと残したのかもしれない。

 最初は圧倒的な強さを見せつけて危険なヤツだと思わせる、次からは惜しいところで退かせる、最後はまとめて皆殺し、と。

 結果だけを見ればダンジョンばっかり得してることになる、大量の人間と装備をたらふく食って、それらが大量の魔力に変換されたはずだ。

 それこそ、ダンジョンの全てをたった一体のスケルトンに押し込めるなんて馬鹿げた話でさえも可能にするほどの膨大な魔力に。


【学習能力が発動しました、INTが少し上昇します】


 まあ所詮仮説は仮説だが、私の中で妙に納得できる部分がある。

 もしやこれがダンジョンの誘導なのではないだろうかと疑ってしまうくらい、私はこの仮説に疑いを持っていない。

 誘導を受けているのだとすれば、このダンジョンは私をすでに見つけているのであろうか?


【学習能力が発動しました、INTが少し上昇します】


【対象個体のINTが現レベルに対して危険域に達しました、INTの項目に対して一時的な封印措置を行います】


 だったら話は早いじゃーん、ダンジョンさんマジパねぇッスよー。

 とりまー、強くなればいいっていうかー、ダンジョンさんの言うとーりって言うかー、別に何も言ってなくね?(笑)


 せっかく意識を手に入れたのでゴザル、働きたくないでゴザル。違った。

 とりあえずは好きに動いてみるに限るでゴザル、ゴザルゴザル。

 ダンジョン殿が誘導してくれているのであれば、思いのままに行動していれば勝手に方向性がわかってくるハズなのでゴザル。


 長期的なアレが決まったところで次のアレだ、あのアレ、アレだよアレ、あのーアレ。

 つまりまずは何をするかってアレだ、目の前に転がってるアレだった死体をどうするアレなのかってところからだ。

 いやまあ放置でいいか、ダンジョンが食うだろ。

 ってかどんだけ考えてたんだオレマジ受けるんですけどー。どんだけー!


 馬鹿な話は置いといて、オレぶっちゃけ意識手に入れただけで何も強くなってないよね、強さは変わらず最底辺だよね。

 スライムコボルトスケルトンのゴブリンを頂点とした強さピラミッドの枠を外れてないよね。あ、ゾンビさんチワーッス!


 意識がない奴らは相手に関係無くとりあえず襲いかかって行くだろうがよぉ、俺ぁんな馬鹿なこたしねぇぜ。

 とりあえず相手を見るぜ、んで倒せそうなヤツだけ倒すぜ、カッコいいんだぜ?

 まあスケルトンがタイマンはって勝てる相手って子供くらいしかいないんですけどねー。


 こっそり近づいて暗殺とか……骨がカタカタなってうっさいから無理だろうな。

 遠距離攻撃とか……投げるものが無いわ、石ころ一つ落ちて無いってどゆこと? 剣は無理、投げらんない。これなんか体の一部みたいに外せないから無理。

 罠とか……だから罠はるだけの材料がねーっつの。


 アカン、手詰まりくさい。

 無理ゲーだ無理ゲー、どうでもいいが無理ゲーのゲーってどんな意味だろう?


 となるとー、最後の手段は、やっぱこれか……

 瀕死狙いとか、ドサクサまぎれとか、虎の威を借る狐みたいな、なんかこれ違うな、金魚の糞か?

 ハイエナ? あ、そうハイエナ、ハイエナハイエナ。

 ハイエナするしかないなー、誰かが倒したヤツ奪うみたいな。

 この冒険者瀕死にしてくれたヤツその辺にいないかなー……


 ……


 …………


 ………………




 なんかいる。

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