レベル15・スケルトン は クラスチェンジ した!
絶体絶命合体、次元跳躍合神スケルトン!
デデーン!
ふっかぁーーーつ!
なんとか復活、よかったボス部屋で、いつもの倍どころじゃない十倍近い時間かかったよ、ビックリだね!
さて、原因のこの魔石君についてちょっと考察してみないと、また同じようなことがあったらたまらん、うかつに「ただのしかばねごっこ」が出来なくなってしまう。
まずはすぐにわかることから。
さすが魔石さん、許容魔力量が半端ネェっす、マジパネェっす。
ただその分型枠にはめておくのにとんでもない容量くってる、正直型枠にはめておく消費と魔石の許容魔力がほとんど同じくらい、これなんか意味あんのか。
まあ感覚的に3%くらい強化に使える魔力が増えてる気がする、最初から比べたら出力三倍、◯クとは違うのだよザ◯とは!
でも多分これ少ないほうなんだろうな、今考えるとあの豚野郎貴族と一緒にいた冒険者は今の俺の十倍近い魔力で飛ぶ斬撃を放ってた……と思う、多分あれはそんくらい使ってる、何故わかるのって聞かれたらわからんとしか答えられないけど、まあ聞くヤツもいないしいいか。
そんでこの魔石君、赤いんですよ、赤い光が灯ってるんですよ、中心あたりは白っぽいけどとりあえず赤いんですよ。
試しに限界以上に魔力込めてみよう、骨の場合は入れた分だけ外に出ちゃってたけど、同じかな?
えいやっ。
ファイヤー!?
まさかのファイヤー!?
萌えとる、違った燃えとる!?
魔石をはめた胸の中心からファイヤーが迸っとるー!
……あ、でも熱くないですね、いやスケルトンだから熱いとか寒いとか別に無いんですけど、ダメージを食らってる感じはしないですね。
焦げたりしてる感じもしないし、燃えてるのは魔石とその周囲だけっぽい。
これは……カッコイイ!
ファイヤースケルトンですよファイヤースケルトン、スーパースケルトンには劣るけどこれもまたカッコイイスケルトンですよ。
これでとりあえずスーパースケルトン(予定)と名乗らずにファイヤースケルトンです、って言えるようになりましたよ。
まあ名乗る相手も名乗れる機能も無いんですけど。
まあ要するにあれですね、火の魔石容量とりすぎ、だから型枠にはめた瞬間一気に魔力を持っていかれて体が維持できなかったと、なんなら一瞬意識が飛んじゃうくらいですので死ぬとこだったかもね!
まあでも結果オーライ、かな。
ただのしかばねごっこはもう無理かな、さすがに魔石が転がってたら怪しさ満載だし。
それ以外に目立つ要素は……特に無いかな。
まとめると、魔力容量アップ、ただのしかばねごっこ使用不可、なんか目立つようになった、ファイヤースケルトンになった(←ここ重要)ってとこかな、特に最後のヤツが大事、ファイヤースケルトン大事、ファイヤースケルトン。
……むふ。
――――――――――
さて、3%の上昇分を使った関節強化の感覚もなんとなくわかった、例の効率的な運用はまあまた今度にしよう。
魔石も魔力を込めれば火は出るんだ、詠唱は出来ないから魔法を使うことは出来ないけど、何かしらの方法で火を武器にすることはできそう、これもまた今度で。
最悪強化分を全部魔石に込めてファイヤースケルトンタックルですね。
とりあえず今は逃げよう、何からって未だに扉の向こう側にいるっぽい騎士団から。
誘拐犯はもう取り押さえたんだか殺したんだかはわかんないけどドタバタした音は聞こえないから、その辺は終わってるんだろうね。
でもなーんか嫌な予感っていうか人の気配っていうか人がいるなー、って感じが扉の向こうからしてるんだよね、やっぱり現場調査とかするんだろうなー、お勤めご苦労様です。
ってなると逃げ道は奥か、奥のフロアに進むしかないのか、何階に続くんだろうね。
そもそもここが何階なのかわかってないんですけどね。
低階層と中階層の境目ってことだけはまず無いな、そんなところにスケルトンはうろついてられんし。
まあ考えても仕方ないか、奥に行くしか無いんだし。
……あれ、そういえばどうやって奥のフロアに行くんだ?
扉って一箇所しか無いよね? 反対側に扉があるわけでもないし、ワープ装置っぽいものも無いなぁ。
こんな時は冒険者の記憶様にお願いだっ。
教えてー!
えっと、一回出てもう一回扉を潜ると次の階層に行けますよ、と。
一度倒したフロアガーディアンとは二度と戦えませんと、まあ高階層に行くと普通に出てくることもあるらしいけど。
ちなみにフロアガーディアンから奪った魔力が鍵みたいな役割を果たしていて、その役割は体内で消滅することが絶対に無い特殊な魔力らしい、つまり多少なりとも戦闘に参加した人間だけが鍵を入手できるのであってただその場に同行しただけでは奥に進むことは出来な……待て、ちょっと待て、そんなことはどうでもいい、そんな豆知識はいらん。
一 回 出 る ?
それが嫌だから奥に進むっちゅーてんねやろが!
え、何、今から死んでこいと、そういうことですかね?
騎士団が待ち構えているところに突っ込めと、死ねと、そういうわけですね。
ぬおぉ、それは想定外だ。
いや奥のフロアに行った瞬間扉が開いて騎士団に追っかけられるとかさ、思ったより中階層に近いところにいて強めのモンスターに追っかけられるとかさ、なんかよくわかんないけど追っかけられるとかさ、そういうのは想像してたけどさ!
アカン、騎士団が諦めてくれるまでここで籠城するしかない、新人冒険者が奥のフロアに進むのを妨害することになるけどしょうがない、ダンジョンさんの求める良質で濃厚で大量の魔力を持つことになるかもしれない未来の冒険者達を通せんぼしちゃう形になるけど仕方ないよね、だって俺まだ死にたくないし!
安全第一、リスクを負ってまで生き急ぐ必要は無い、だってスケルトンだから死んでるし、寿命とか無いし、多分。
騎士団がいなくなるまで効率的な強化と炎の練習かな。
……なんすかね、そう決めた瞬間に床が光り始めたんですけど。
これはアレですか、また爆発の危機ですか、床がドーンで俺はバーンみたいな、出なきゃ死ぬみたいなあれですかね、どんだけ俺を外に出したいねん。
あ、でも俺アレだ、炎で燃えなかったし爆発の中心にいても意外と大丈夫かも? いやダメだ、爆発ってのは衝撃波がメインであって炎は衝撃波を発生させるための過程でしか無いんであって、炎に強くても衝撃波相手は変わんないはず、いや衝撃にも強くなってるかもしれんけどさ。命をかけた実験とかしたくないッス。
よし、出よう。
騎士団相手のほうがまだ生き残れる可能性がある気がする、なんてったってアイドル、違ったあの誘拐犯二人に手こずるような騎士団だし、パワーアップして使える魔力が増えた今の俺なら逃げるくらいなんとかなるかもしれない、というかなんとかできなきゃ死ぬ。
よし、そうと決まれば早速。
スーハースーハー、落ち着いて深呼吸〜、よし覚悟は決まった、いざ行こう。
ぬおぉぉぉ、突撃じゃぁぁあっ!
ファイヤースケルトン突げ―――――