僕とミクちゃんの愛語り
【あらすじ】
僕の彼女のミクちゃんはとても素敵なんですよ?
【注意】
残酷描写あり
「ミクちゃんは、僕に勿体ないというのは、分かっているんです。彼女は、綺麗で、優しくて、大学でも人気者でした。 そして、何も取り柄のない僕を愛してくれています。それに、彼女は料理もとても美味しいんです。ちゃんと、僕の身体の事も考えてくれて、どんなものでも作るんです。おっちょこちょいで、爪なんかたまに、はいってたりするんですよ? ふふふ。可愛いですよね。 でも、残すと怒るんです。怖いけれど、それは彼女が僕のことを考えてくれているからで、ミクちゃんは、本当に僕のことを愛してくれているからしょうがないですよね。そうそう、付き合いたての頃ですが、テレビに出ているある女優さんを、僕が何も考えずに『綺麗』と言った事がありました。すると、彼女、ふふふふ。あ、すいません。ちょっと思い出しちゃって。本当可愛いんですよ? テレビをハンマーで壊したんです。夜中なのに、ガンガンいわせて、余程、僕が他の女性を褒めえるのが嫌だったんですね。あーもう、ヤキモチ妬きで可愛いなぁ。ミクちゃん。でも………その後の僕へのお仕置きが、ちょっと過激だったんですけど。いや、もう大丈夫なんですよ? 片目なんて無くても生きていけますし。僕がいけないんです。たとえ、女優さんでも他の女性に目移りしたから。ミクちゃんが一番大事なのに、彼女を不安にさせてしまったのが悪かったのです。 あ、右腕ですか? これは、僕がマスターベーションをしているのを見つかった時に、彼女が切っちゃったんですよ。僕の右手までにもヤキモチなんですよ。ふふ。でも、まぁ、そのお陰でミクちゃんとの生活がより蜜になったんですけどね。僕の世話を甲斐甲斐しくしてくれる健気なミクちゃんに僕は本当に愛されている。僕は運が良かったんです。ミクちゃんと出会わなかったら、彼女なんて出来なかっただろうし。一生童貞だったろうし。あ、何ですか、その顔。僕は真面目に言っているんですよ? お互いに初めてだったので、僕たちの初体験はぎこちないものだったけど、マスターベーションを見られた以降は、彼女はとても上手に僕を愛してくれて吃驚したのを覚えています。僕がその事を指摘すると『ミクが全部の刺激を与えたいの』って、恥ずかしそうに話してくれて。僕がその時、どんな気持ちだったか。出来やしないのに、僕はミクちゃんを抱きしめたくてたまりませんでした。あー。恥ずかしいな。こんな所もまで話すつもりはなかったんですけど。ちょっと、惚気てみたかったんです。どんなにミクちゃんが素晴らしいかを。僕がどれだけ愛されているかを。羨ましがってもダメですよ? ミクちゃんは僕だけを愛してくれているんですから。顔色が悪いですよ? 大丈夫ですか。 ああ、そうですか。ならいいんですけど。…え? 大学ですか? さぁ…… あれ? どうなったんだっけ。 …そういえば、僕、大学行っていたんですよね。あれ? いつから行ってなかったっけ? まぁ、たいしたことないですよね。大学なんて。ええと…なんでしたっけ? あ、将来の夢ですか? そうですね。ずっとミクちゃんと一緒にいる事ですよ。決まっているじゃないですか。………学校の先生? 誰が? 僕? 僕がそんな事いってたんですか? ……いや、学校の先生になんかなったら、僕とミクちゃんとの時間が減るじゃないですか。ああー、そういう事ですか。ミクちゃんと付き合う前の僕はどうかしていたんですよ。僕が生きているのは、ミクちゃんのお陰。生かされているのはミクちゃんのお陰なんですよ?
…………どうして泣いているんですか?
僕はこんなに幸せなのに。そんな事よりも、ミクちゃんはどこに行ったんですか? 戻ってくるんですよね? ミクちゃんを怒らせてしまって、僕のもう片方の脚も無くなってしまったので、心配していると思うんです。 あ゛~~~~~もうっ!!! ミクちゃん! ミクちゃん! ミクちゃん! 早くあの部屋に戻りたい!! 僕とミクちゃんだけの世界。最初の頃、馬鹿な僕は抵抗して、沢山怒らせて、お仕置きされた思い出の部屋。 僕はもっといい子にしているから!! ミクちゃん、戻って来て!! ミクちゃん!! だからっ!!
母さんと刑事さん、ミクちゃんはどこにいったんですかっ!!!!!!!」
【あとがきを兼ねた登場人物紹介】
僕
学校の先生になるために、教育学部へ。
その時にミクと出会う。
ミクに監禁され、全てが崩壊した。
悩みは、腕がないのでミクちゃんを抱きしめられない事。
ミク
ヤンデレ女。
「彼」の自由を奪い、目を潰し手足を切り落とすサイコ。
警察に逮捕された。
病院に入院中の主人公。
しかし、彼はもう壊れてしまった。
最後まで彼から彼女を愛しているとは言わなかったのは、昔の彼だった頃のせめてもの抵抗なのか。